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#読書記録
この世界には確かなことなんて無いかもしれない。けれども、何かを信じることはできる。「騎士団長殺し」/村上春樹
『騎士団長殺し』面白く、不思議で、洞察深い物語でした。
『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』『街とその不確かな壁』に続き、村上春樹は3作目です。『騎士団長殺し』の前に読了した2冊で、村上春樹の『手腕』的なものと『文章技巧』的なものと『軸』みたいなものが、概ね把握できたのは、『騎士団長殺し』を読むうえで有益でした。
今回は読みながらその瞬間に思ったことをツイートし書き留める作業をしてみまし
現実はなぜひとつなのだろう 『ゆるく考える』/東浩紀
「意味」に居る私『黒い正方形』という、無対象を志向した絵画がある。
「約束事」とはつまり、絵画そのものが持つ《写実性》である。つまりは、絵画は何かを「再現」するプラットフォームであり続ける限り絵画的リアリズムは絵画に存在していない、と逆説的に示してしまうような事実のことを〈規定性〉のある「約束事」として保持している、ということだ。
いつでも私たちの視野は「中心となるもの」と、その「中心の周囲の
『ホモセクシュアルな欲望』を読み解く vol.2
以下の〈vol.1〉の続きです。
引用した文章をササっと読むだけでも気付きが多いと思います。
第3章 家族・資本主義・アヌスP79¶1
「資本主義というイデオロギーの最強の武器は、オイディプスをある社会的自然、ある心追を再構成させるがままにしておく。」
ホモセクシュアリティを弁明するために、古代ギリシア時代の文献をさかのぼることが多く、その迂回によって説明されうる。今となっては幻想的となった物
『ホモセクシュアルな欲望』を読み解く vol.1
1993年刊行の『ホモセクシュアルな欲望』には、一貫した《異性愛規範の問いただし》があります。
「問い直されるべきなのは、ホモセクシュアル側ではなくヘテロセクシュアル側である。」という主張です。
当時、この視点には目新しいものがありました。
しかしながら、それが今の我々の「無意識的な何か」になっているとは言えません。
30年前の著作ですが、そのような意味において(非常に残念であるという意図も込
不自由な〈秩序〉について 「人類と哲学」/岡本裕一郎
《人類の進歩》を、《哲学という明るみによって照らすこと》で、別角度からの学びを与えてくれる著作となってます。1章から8章に分かれており、明瞭な文章で、理解し易く書かれています。
こんな人におススメ!
・ホモサピエンスに興味がある
・哲学に興味がある
・どちらにも興味がある
以下、本著で印象的だった部分を解説しています。是非、拾い読みして頂いて、気になったら購入してみて下さい。
「本書は哲学の
エヴァンゲリオンはロボットアニメ《ではない》
(庵野監督の)エヴァンゲリオンが完全に終焉してから、もう長い時間が経ったかのような、寂しいというよりは、遠い過去の歴史のように思える。
厳密に言えば、エヴァンゲリオンは終わっていない。エヴァンゲリオンという作品は、作品として残り続ける。しかしながら、「生命体」として実存する作品は、もう私たちの心の中に戻ってくることは無い。
エヴァは、本当に終わったのだと、そのような回想をすることで、より実感す
ジェンダーの海から自分らしさを見つけたい
なぜ
《「自分らしさ」に疑問を抱えるのか?》
《「自分らしさ」に納得するのか?》
《「自分らしさ」に振り回されるのか?》
***
「自分らしさ」が起点の思案は、常に外部に接続された自己が、その外部の広い範囲を占めている《分からないもの》に翻弄されていることの証明ほかなりません。
外部に全ての真実が包摂されているわけがない、と理解しているつもりでも、人というものは《他者》や《自分以外》のモノを
童貞が世の中を退屈にし、退屈な世の中は「普通」を「普通じゃない」ものにする。
童貞とは、性にまつわる特性を示す言葉ではない。この世の中に対し、情報知覚的に《挿入》していない(参画していない)人の比喩である。
知らないということが、いったいどういう状況なのか、何が問題なのか、明確にさせてくれるのがこの本だ。
異質的存在として写る著者だが、異質という存在を「異質」という言葉によってゾーニングすることは、全く問題がないことなのか?
異質だとゾーニングするのは、《ゾーニングしな