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気に入った小説(他人様)

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他のnoterさんの小説で、特に良かったものです。長編は、私が名エピソードと思うものを入れました。
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文調の工夫 - レイアウト・重複文字 +

文調の工夫 - レイアウト・重複文字 +

 その道の”プロ”に褒められる機会を頂けること --- 喜ばしさこの上ありません😊
 また、読み手の方々に「文章を整える勉強になります」の類の反応を頂けることもあり、大変嬉しく思います。そうともなれば、学習世代(≒学生)にも見てもらいたいです📖

 

◆◈◆◈◆◈◆◈◆◈◆



 どのような文章を「読みやすい」「分かりやすい」かというと、いくつかの要点においては『読み手の主観的好み』でし

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連載小説、次を読ませるには? <小説の書き方>

連載小説、次を読ませるには? <小説の書き方>

今週からnote創作大賞に『紫に還る』というファンタジー小説を応募しています。
毎日、連載という形で公開しているのですが、その合間に他の方の作品も読ませていただいています。そこで気づいたことを書いてみます。

前提になりますが

一回に公開する文章の量

基本的にはシーンごとに節という区切りをつけていますので、それが公開の単位になります。私の場合、一つのシーンは3000~5000字になります。これ

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【小説】俺の自作同人誌が全社員に晒された件【月刊アート・プロジェクト】

【小説】俺の自作同人誌が全社員に晒された件【月刊アート・プロジェクト】

毎月、皆さんに決めて頂いたお題でYeKuが何かしらの創作をするという企画をやっております!

6月のアンケート結果と共に今月の創作をお届けします。

アンケート結果今回のアンケート結果は、以下のようになっております!
※太字が決定

テーマ

無限の探求
失われた楽園
運命の交差点✨
静寂の中の声
夢の中の現実

モチーフ

「羽」 - 軽やかさや自由、天使や妖精などの象徴として。
「鎖」 - 束

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「たしかなことばをつづれ」#8 Ryotaro side

「たしかなことばをつづれ」#8 Ryotaro side

「じゃ、お先に失礼します!」

部下が笑顔で颯爽と帰っていく。
「クリスマスイブともなると、若い人は帰宅が早いねぇ」
近くにいた中堅社員が、そうぼやいた。

”そうか、今日はクリスマスイブなのか…”

夏希の顔がよぎり、思わず一人苦笑いする。
そんなイベントに浮かれたりする自分ではなかったはずだ。

定時を過ぎたが、まだしばらく上がれそうにない。引継ぎを伴った業務整理しかり、師走ともなれば尚更だ。

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【短編小説】ネコとキーコの青い空(第三話)

【短編小説】ネコとキーコの青い空(第三話)

キンモクセイの香りの下で

 次の日も雨だった。白い水しぶきがガレージの屋根から滝のように落ちていく。コンクリートをたたく雨音が、ネコの心をいっそう憂鬱にさせていた。

(キーコは今頃どうなっているのだろう。まったく哀れなものだ。まあ、なんにしても別におれには関係ない。どうでもいいことだからな)

 ネコは横になり、大きな体を固く丸めると、小さく息を吐いて目をつむった。

 それから雨は数日続き、

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【短編小説】ネコとキーコの青い空(最終回)

【短編小説】ネコとキーコの青い空(最終回)

ずっとそばにいてあげるから

 その夜、ふたりはまた同じ家のコンテナで一晩過ごすことにした。夜明け前、ネコはぐっすり眠っているキーコを残して、そっと出かけていった。
空気が湿っている。雨になるのかもしれない。ネコはこの辺りの猫たちが集まる公園へ急いだ。もう家に戻るだけなので、今さら集会に顔を出すこともないのだが、ここで一番のボスである昔馴染みの猫に、久しぶりに会っておこうと思ったのだ。堂々とした風

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【ショートショート】静かな侵略【短編小説】

【ショートショート】静かな侵略【短編小説】

地球に宇宙人が現れた。彼らは非常に大きな円盤形の宇宙船に乗ってやってきた。

宇宙船は最初、ヨーロッパのとある国の上空に出現した。上空に浮いているだけで何をするでもなかったが、空を覆い隠す程大きな物体が現れたことで人々は不安に駆られた。

この事件は世界中で瞬く間にニュースになり、巧妙なフェイクニュースだの、某国の新兵器だの様々な噂が飛び交った。各国は当初お互いを疑っていたものの、やがて地球外から

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バタフライマン 第3話 蛍の剣士、参る

バタフライマン 第3話 蛍の剣士、参る

メタモル・シティから離れたアツモリ山の麓にあるキャンプ場で、何組か家族が遊びに来ていた。親たちが準備をしていると、子供の一人が
「ママ。ちょっとみんなでその辺見てきちゃだめ?」
と尋ねた。
「いいよ。でもあまり遠くには行かないようにね。」
 三人の子供たちは元気よく返事をすると、川の方に駆けて行った。子供たちは小川を目の前にすると、澄んだ水に顔を写したり、魚を見たりとはしゃぎまわっていた。すると、

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バタフライマン 第8話 殻を打ち破れ!

バタフライマン 第8話 殻を打ち破れ!

ある昼下がり、メタモル・シティ銀行にはいつも通りの光景が広がっていた。しかし、その日常は突如として崩壊する。銀行のドアが開き、貝殻のような肌の質感を持つ巨漢の人型の怪物が現れたのだ。その姿を見て、人々は唖然としていた。待合室の椅子に座っていた男が呟く。
「何かの撮影か?」
 すると貝の怪物は男のそばに行き、そのこめかみに両手を添える。
「え?」
 次の瞬間、男の頭部が果実が潰れるかのように破裂した

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ピンクの扉

ピンクの扉

どぎついピンクのその扉

「every night☆welcome♪」

夜になると電飾きらきら

扉にかかった可愛い文字と

微かに聴こえる愉しげな声

翌朝、目にした扉は

カラースプレーか絵の具だか

悪意に満ちたラクガキ

罵詈雑言のサイケな痛ましい扉に変化

着物姿の麗しい

心は乙女、性別、戸籍上は男性の

麗人が泣きながら扉をピンクに塗りつぶす

翌日も翌日も、ラクガキは治まらず

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憧れの一閃 七剣士物語 ~私たち高校1年生~ 其の九

憧れの一閃 七剣士物語 ~私たち高校1年生~ 其の九

※其の八からの続きです。気軽にお付き合い下さい。

 稽古終了後。いつも通り1年生の私たちが道場の清掃をしている間、先輩方は反省会や着替えてさっさと帰宅する。今日は試合稽古だったので1年生同士でもバチバチとやりあった。なので、いつもとちょっと違った空気を感じながら私はモップで床を拭く。

「くっそ! 先鋒の座を藤咲に奪われちまったか」

モップに力をいつも以上に入れて八神が床を拭く。

「でも、蓮

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憧れの一閃 七剣士物語 ~私たち高校1年生~ 其の二十七

憧れの一閃 七剣士物語 ~私たち高校1年生~ 其の二十七

※其の二十六からの続きです。気軽にお付き合いください。

 不敵な笑みを浮かべる相馬。

「くくくっ……あーはははっ!」

そして再度、私を睨み付ける。

「ここまでお喋りしたんだ。これで気づかなきゃ、心理戦なんかできるわけないよなぁ。雪代さんよ!」

今度は私に詰め寄る。

「中学時代無敵の女とか呼ばれてたんだろ? お前? なんで四日市なんかとつるんでやがる! 関係ねーだろ! 引っ込んでろ!」

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【連載小説】無重力(ライトブルー・バード<12.5>sideユウスケ)

【連載小説】無重力(ライトブルー・バード<12.5>sideユウスケ)

前回までのお話です↓

そして、土居ユウスケ『過去のやらかし』はコチラとコチラ↓↓

今回の登場人物です↓

土居ユウスケはふとした時に、星名リュウヘイのことを思い出す。

(あのチビ高校生、クソ生意気なヤツだったな…)

短くなったタバコを灰皿に押し付けながら苦々しい顔をするユウスケ。

自分の軽口に対し『気分悪いです!!』と言い放ったリュウヘイの声がまだ耳に残って

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【連載小説】ライトブルー・バード<15>sideサトシ④

【連載小説】ライトブルー・バード<15>sideサトシ④

↓前回までのお話です↓

↓そして登場人物の紹介はコチラ↓

↓更に超簡単相関図はコチラ↓

放課後の昇降口は帰宅する生徒と部活に向かう生徒が入り交じり、 学校独特のカオスを作り出していた。

井原サトシはその中を仏頂面で立っている。

山田カエデが一軍グループを抜けてから3日が過ぎた。「何かあったら俺に言え」とあれほど釘を刺したのに、その後の彼女はサトシに何も報告をしてこ

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