酒本 歩

小説家。島田荘司選 第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞(福ミス)、第3回かつし…

酒本 歩

小説家。島田荘司選 第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞(福ミス)、第3回かつしか文学賞優秀賞を受賞。 光文社から『幻の彼女』、『幻のオリンピアン』、『ロスト・ドッグ』発売。 お酒と本とウォーキングが大好きなので酒本歩です。 noteにて連載小説『サマスペ!』を公開中。

マガジン

  • 小説の書き方

    こんな風に書いています、ということをできるだけ具体的に紹介します。小説を書くのは孤独な作業です。同じように悩んで、試行錯誤しているということを伝えるだけでも、と思います。 ※短文で済むことはTwitterを使っています。 https://twitter.com/kanta04031818

  • #そうだっけ日本語

    小説を書いていると、知らない・うろ覚え・勘違いなど、言葉で赤っ恥をかくことが多いです。言葉の知識を増やすために始めたら、日本語の魅力にはまりました。ちょっと不思議でおかしな日本語を集めて紹介しています。出題編と回答、解説編に分かれていますので、ちょっとした息抜きにもどうぞ。 ※短文で済むことはTwitterを使っています。 https://twitter.com/kanta04031818

  • 物書きの日常(なんでもマガジン)

    小説家の日常、あれこれ、よもやまを書こうと思います。小説を書く作業・執筆にまつわる話、業界のこと、ほかの作家さんたちとの交流…… ほかのマガジンに入らないものを取りあえず格納してみます。

  • 読書のあれこれ

    読書記録、感想、次に読む本、おすすめ etc.

  • 小説家の七つ道具

    一太郎vsワード、万年筆かフリクションか、ポメラは役立つ? タッチタイピングは必須? 別売りキーボード、モノクロ専用プリンターのコスパは? 腱鞘炎用クッションに読書台 小説を書くためのアイテム・ツールについて書きました。 短文はTwitterで。 https://twitter.com/kanta04031818

最近の記事

  • 固定された記事

私のプロットを公開します。(『アッコの夏』サマスペ!2)

昨日、作家さん仲間が集まって、かねてから計画のあった【プロット勉強会】を実施しました。その報告をしたところ、思いのほか反響があり、プロットを見たいと言う声をいただきました。 ※貼り付けた懇親会の写真を見た方から「おじさん同士が仲良く呑んでいる風にしか見えないのが(笑)😆」というコメントがあって思ったのですが、確かに仲が良いというか、気心が知れている人でないと自分のプロットを見せたり、意見をもらう気にはならないかもしれません。 プロットは、そのくらい「恥ずかしい」ものなので

    • あなたは誰ですか? <小説の書き方>

      登場人物のことをずっと考えています。 主要なキャラで名前は浅利といいます。犯人役です。 この人物の素性や行動、その動機が、今考えているミステリの鍵を握っているというか、浅利さえキャラが定まればプロットが固まる気がするのです。 言わば【浅利待ち】の状態です。 だから頭の中で浅利氏に問いかけています。 あなたはどんな人なのか?  なぜあんな犯罪を起こしたのか?  何か隠していることはないか?  やむにやまれぬ事情があったんじゃないのか?  誰かに相談しなかったのか?  唆され

      • 『せっちん』漢字にするとどれでしょう?

        正解以外の選択肢も味わい深いものを考えてみました。 「蠕動」に関係しています。こちらも読めますか? 正解は③雪隠 辞書には「便所」とありますが最近は「トイレ」「お手洗い」と言いますね。 将棋の好きな人は「雪隠詰め」を知っているかも。 「雪隠」は相当に古めかしい言葉ですが、9割以上の正答です。 ほかの選択肢を(私の造語なので)見たことがないと言う消去法の人が多かったのかもしれません。 ちなみに『蠕動(ぜんどう)』は「消化の時に起こる、胃腸の運動」 これには自律

        • 『水車小屋のネネ』&『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』 本屋大賞から。 『ヒュナム洞書店』は刺さる人にはより深い感動があり、『ネネ』は間口が広くて誰でも受け入れる気がします。 どちらも癒やしと希望があり、このところ私は大変だったのですが、とても楽しい時間をもらいました。良い小説です。

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        私のプロットを公開します。(『アッコの夏』サマスペ!2)

        • あなたは誰ですか? <小説の書き方>

        • 『せっちん』漢字にするとどれでしょう?

        • 『水車小屋のネネ』&『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』 本屋大賞から。 『ヒュナム洞書店』は刺さる人にはより深い感動があり、『ネネ』は間口が広くて誰でも受け入れる気がします。 どちらも癒やしと希望があり、このところ私は大変だったのですが、とても楽しい時間をもらいました。良い小説です。

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        • 小説の書き方
          44本
        • #そうだっけ日本語
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        • 物書きの日常(なんでもマガジン)
          41本
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          94本
        • 小説家の七つ道具
          11本
        • サマスペ!2 『アッコの夏』
          29本

        記事

          アイディアが湧かずに困ったら<小説の書き方> ミステリ編

          かの乱歩先生は、古今東西のトリックをまとめて、体系的に「類別トリック集成」としてまとめています。有名なので読んだ人も多いと思いますが、今日はこれについて書いてみます。 私はプロットを作っているときに、頭が固まってしまい、新しい発想が出なくなることがよくあります。それは自前で思いついたアイディアが良いものであればあるほど、それに囚われてしまって、その枠を出なくなってしまうのです。 ですが、より読者を驚かす面白い趣向にするためには、核になるアイディアにプラスアルファがどうして

          アイディアが湧かずに困ったら<小説の書き方> ミステリ編

          プロットを膨らませる<小説の書き方>

          今日も、私の執筆作業のご紹介をしようと思います。 実は、つい最近までうんうん唸って、ようやくまとめかけた新作ミステリのプロットを、いったん棚上げにしました。 とても魅力的なストーリーなのですが、私が今一番書きたいミステリの手法には合わない。と言うか、このプロットのストーリーだと、私の書きたいミステリの手法が活かしきれない、と思いました。 (大げさに書きましたが、たとえば、密室トリックなのに群像劇にするのはあまり効果的でない、というようなことです) もったいないですが、い

          プロットを膨らませる<小説の書き方>

          『水車小屋のネネ』と手術

          検査⇒手術⇒入院⇒退院 これがこの二日間で起きたことです。まさにジェットコースター。その前後に私をほっとさせてくれたのが、津村記久子さんの『水車小屋のネネ』でした。この記事はその簡単な顛末を書いたものです。 ※私はXでよくポストします。この日のこともポストしていましたので、それを繋いだような形になっています。 一昨日、私はかねてから気になっていたことを検査してもらうべく、総合病院に出かけました。これがその時、朝6時頃のX(ツイート)です。 診察に呼ばれるまで、検査と検査

          『水車小屋のネネ』と手術

          『水車小屋のネネ』

          面白くて駅を乗り過ごすところでした。 姉妹がお互いを尊重しながら、新しい環境を受け入れていこうとする姿がとても健気で意地らしく、尊く感じます。 この後2人にどんなことが起こるのか、心配でもあり、楽しみでもあります。

          『水車小屋のネネ』

          『ともぐい』河﨑秋子さん 最初は人と熊との対決がメインなのだろうと思いましたが、実際は人間との交流にページが割かれ、それが実に滋味深い。 だからこそ熊と対峙するシーンが鮮やかに立ち上がってくる。その迫力に胸を揺さぶられました。 人間は「正しい生き物」か? そう自問しつつ読了。

          『ともぐい』河﨑秋子さん 最初は人と熊との対決がメインなのだろうと思いましたが、実際は人間との交流にページが割かれ、それが実に滋味深い。 だからこそ熊と対峙するシーンが鮮やかに立ち上がってくる。その迫力に胸を揺さぶられました。 人間は「正しい生き物」か? そう自問しつつ読了。

          『ともぐい』河崎秋子さん この本を読むと決めたのは安住紳一郎さんの「日曜天国」に著者が出演されたときの話がとても面白かったからです。 ところが冒頭を読んだら、あのラジオの楽しい雰囲気は微塵もなくて、自然と人との厳しい闘いを目の前に突きつけられました。 熊はまだ。 油断できません。

          『ともぐい』河崎秋子さん この本を読むと決めたのは安住紳一郎さんの「日曜天国」に著者が出演されたときの話がとても面白かったからです。 ところが冒頭を読んだら、あのラジオの楽しい雰囲気は微塵もなくて、自然と人との厳しい闘いを目の前に突きつけられました。 熊はまだ。 油断できません。

          誕生日のようですがいつものように ・朝のホットコーヒー ・バナナ ・夜中に思いついたことのメモ ・ウォーキング ・わんこの写真に声がけ ・そうだっけ日本語 ・X ・note ・昨日書いた原稿の読み直し ・プロットか執筆か推敲か資料読み ・読書 ・ドラマか映画かクラシックTVの視聴

          誕生日のようですがいつものように ・朝のホットコーヒー ・バナナ ・夜中に思いついたことのメモ ・ウォーキング ・わんこの写真に声がけ ・そうだっけ日本語 ・X ・note ・昨日書いた原稿の読み直し ・プロットか執筆か推敲か資料読み ・読書 ・ドラマか映画かクラシックTVの視聴

          『光る君へ』 で、まひろが道長に言ったセリフ「○の方(かた)にしてくれるの」

          ○に入るのはどれでしょう? 昔、身分の高い人の正妻をこう言ったのですが、知らない人も多かったのでは? ヒント ○政所、という言葉もあります。 正解は④北の方、です。 身分の高い人の正妻が、神殿の北に住むことから。 「寝殿造り」という平安中期に成立した貴族の住宅形式で、中央に寝殿とよぶ主屋があり、その東・西・北に建物があり、その内の北に正妻が住んだそうです。 北政所もここからで「摂政、関白の妻」を尊敬した言い方です。 『光る君へ』では道長の北の方は、黒木華さん演じ

          『光る君へ』 で、まひろが道長に言ったセリフ「○の方(かた)にしてくれるの」

          #はじめて買ったCD、多分これだと思います。『ベスト・クラシック100』。当時は小説を書くときに邪魔にならない歌詞の無い音楽、というつもりで買った六枚組。何回繰り返し聴いたかわかりません。おかげで今はクラシックTVや辻井伸行さんが大好きなクラシックファンになりました。

          #はじめて買ったCD、多分これだと思います。『ベスト・クラシック100』。当時は小説を書くときに邪魔にならない歌詞の無い音楽、というつもりで買った六枚組。何回繰り返し聴いたかわかりません。おかげで今はクラシックTVや辻井伸行さんが大好きなクラシックファンになりました。

          #わたしの本棚

          noteの「春の連続投稿チャレンジ」の中に#わたしの本棚というお題がありましたので、書いてみました。 本棚は二つあります。ひとつは作家になってお会いした人たちの本を並べたもの。ほとんどサイン入りです。 最初の頃は知っている人の本を読むのは初めての経験でしたからドキドキしたものです。 もう一つが、その隣にあって今日紹介する『ご本尊』です。 見出しの写真にある本棚なのですが、ご本尊と呼んでいます。 私のデスクの真後ろにあります。 地震の時には逃げねばなりません。 『幻の彼女

          #わたしの本棚

          「ゴジラ-1.0」アカデミー賞受賞凱旋上映を観ました。いやーすごい娯楽大作でした。「シン・ゴジラ」も好きですが同じゴジラでも監督や脚本が違うとこんなに変わるものなのですね。 二時間強という限られた時間でこれだけのドラマを無理なく展開したことが素晴らしい。 観てない人は是非!

          「ゴジラ-1.0」アカデミー賞受賞凱旋上映を観ました。いやーすごい娯楽大作でした。「シン・ゴジラ」も好きですが同じゴジラでも監督や脚本が違うとこんなに変わるものなのですね。 二時間強という限られた時間でこれだけのドラマを無理なく展開したことが素晴らしい。 観てない人は是非!

          【プロット考え中】 まだ足りない、もっと面白く、と呟きながらネタを頭の中に注ぎ込んでは攪拌しています。 一行も書けない、メモだけが散らばる、何の保証もない非生産的な時間です。それでもあと何十冊か資料を読んで、あと何十時間か考えれば、執筆に進むための構想が手に入るでしょう(多分)。

          【プロット考え中】 まだ足りない、もっと面白く、と呟きながらネタを頭の中に注ぎ込んでは攪拌しています。 一行も書けない、メモだけが散らばる、何の保証もない非生産的な時間です。それでもあと何十冊か資料を読んで、あと何十時間か考えれば、執筆に進むための構想が手に入るでしょう(多分)。