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#創作大賞2024

君も正しい。俺も正しい。

君も正しい。俺も正しい。

ある日の朝
朝ドラ『虎に翼』を観ていて
大きく頷いた。

食卓を挟んだ向かい側でも同時に頷くひとが。

その通り!
と。

俺が正しい!
いや、私が!
と、おそらくお互い心の中で叫びながらであろう小競り合いも時々ある我が家ですけども。笑

でも、
「君も正しい。俺も正しい。」
でいいんじゃないかと思うんです。

みんな、見てる立ち位置が違うのだから。
その人から見れば、それが正解で。
その正解を違

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「あなたと出逢えてよかった。」と言うのだと思う。

「あなたと出逢えてよかった。」と言うのだと思う。

「生きていてよかったなぁ。」と、思う瞬間があった。

先日。よく行くバーの20周年の記念で歌を歌わせてもらった。
実は、2年くらい前からお話を頂いていた。

普段は、バー営業をしているその店で
スピーカーからギターの音を鳴らし歌う不思議。

リハーサルを終えて
カウンターでビールをいただきながら
マスターがこの店をオープンするまでの
紆余曲折を、聞いていた。

あの時こんな失敗があったから
この道

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友人が私にくれた誕生日プレゼントは、唯一の「あの世へ持って行けるもの」だった。

友人が私にくれた誕生日プレゼントは、唯一の「あの世へ持って行けるもの」だった。

今日書くのは12月から1月末にかけての出来事。

1月末からずーっと書こうと思っていた。

けれど、
ただのお出かけ記事のようにはしたくなくて
じゃあどう書く?どんなふうに書く?
と、少しばかり迷っていたのです。

綺麗な場所へ行き、
美味しいものを沢山食べた1日ではあったし、
写真も沢山撮ったものの、
当日の様子に加え、行った場所食べたもの、
写真全部!盛りだくさん!だと、いつもの
ただのお出か

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散る散る、満ちる

散る散る、満ちる

日曜日、昆虫の標本作りのために、息子と一緒に千駄木に出かけた。

駅から目的地まで20分くらいあったから、久しぶり父と息子二人きりゆったり会話ができた。

どーゆー経緯か忘れちゃったけど、まず僕が平家が権力を握って、源氏がそれを滅ぼして鎌倉幕府を作る歴史の話をした。

きっと心のどこかで学校に満足に通えてない息子に対してそろそろ社会とか歴史とかに興味を持ってほしいというスケベ心があったんだと思う。

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料理から学べることがある

料理から学べることがある

俺は

料理はイマジネーション

だと思ってます

こういう料理を作りたいな、という
ある程度の結果を想定して
その後、プロセスを組み立てていきます

慣れた過程のものであればあるほど
効率が良く、手間も細部までゆき届くし

初めての食材や苦手な調理過程ならば
なかなか都合よくならないことになる

そんな得手と不得手の工程を
頭の中で組み立てて
仕上がりのイメージが
徐々に鮮明になってゆくのです

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【1分小説】きみのもとへ

【1分小説】きみのもとへ

彼はもう、どれくらいここにいるのか覚えていなかった。

覚えているのは、彼には
とても大切な人がいるということだけだった。

その大切な人が誰なのかもわかっていないけど、ずっと呼ばれているような気がしていた。

そして、彼自身も
その人に会いたかった。

でも、彼には足が無かった。

「神様、僕に走れる足をください。」

彼は、天に向かってお願いをした。

すると、神様が
大根の足を授けた。

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【詩】ひとつのことば

【詩】ひとつのことば

私はいつもただひとつのことばが欲しい

それはあなたの口から出たものでなければならない

あなたの手で書いたものでなければならない

それはそこら中に溢れていることばで

あなたに使われるのを待っていて

私はそのことばで生きて

そのことばで死んだようになって

あなたから出たひとつのことばは

やすやすと私を動かして

過去を紡ぎ

未来を集め

今を創る

あなたの小さなことばひとつで

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積んでは崩すのくりかえし

積んでは崩すのくりかえし

2024年5月12日(日)朝の6:00になりました。

スクラップ&ビルドで、この国はのし上がってきた。

どうも、高倉大希です。

今の自分の上に、積み重ねていく。

わたしたちは、学ぶことに対してこのようなイメージを抱きがちです。

知識を増やしたり、スキルを身につけたり。

足し算のように、積み重なっていくイメージです。

しかし実際のところは、そうでない場合がほとんどです。

積み重ねたも

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たんぽぽの綿毛が飛ぶように

たんぽぽの綿毛が飛ぶように

 深夜、居間に一人でテレビを観ていると、祖母が入ってきた。

「親方は? ねぇ、親方は?」

 祖母の口から親方なんて聞いたことがなかった。思い当たる人もいない。何のことを言っているのかわからない。
 こんなとき、どうすればいいのだろうか。
 返答に窮する間に、祖母の注意は切り替わる。少しバランスの悪い歩き方で、暗い廊下を歩き、玄関の方へ向かっていった。
 
「親方はここにいないよ」

 慌てて祖

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【短編小説】街を廻せば④

【短編小説】街を廻せば④

みんなを幸せにしたはずだ。

なぜ俺は殺されるんだ?

猫を探す呪文女
杖が折れた魔女婆
プロポーズができなくなったドラキュラ男
財布をなくした鬼女
カツアゲされた亡霊青年
プロレスしたくてたまらない河童

全員助けたはずだ。

そう、全員…

そうか…

1人だけ忘れていた…

俺を刺した犯人も
幸せにしなければいけなかったのか。

でも、この状況でこんなヤバイ奴
幸せにできるのか!?

そもそ

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言葉より大切なもの

言葉より大切なもの

息子と2人で釣りに行くのは、なんとほとんど3年ぶりだった。

でも、その間、一時はもう二度と行けないのではと思っていた時期もあったくらいだから、むしろ再開できただけでも嬉しかった。

ちなみに今回の釣りスポットとなる多摩川の下流の汽水のある場所の近くには大きなお寺があったから、まずは神頼みだよね、という話になって、そこでお参りをした。

いつも以上に時間をかけてお祈りする彼の横顔を永遠に見つめてい

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まあ、いいか。

まあ、いいか。

たいていの場合。僕らは、与えられた「選択肢」を選んで生活している。つまり「自由」は限定的なものということだ。
でも、そういうことに「不自由」を感じないように、僕らは「学校教育」で躾けられる。子どもの頃から、もちろん「無意識」のうちに。だから、大人になる頃には、「選択肢」が与えられないと生きてはいけない「私」になっている。

つまり、刑務所に入れられている受刑者でなくとも「自由」は限定的なんだけど、

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孤独って、ひとりぼっちのことじゃない。

孤独って、ひとりぼっちのことじゃない。

孤独を感じることってありますか。

私は今まで生きてきた中で
子供の頃からたくさんあったんですけど、
孤独=ひとりぼっち
じゃないんですよね。

孤独って、
ひとりでいるから感じるもの
というわけじゃなくて、
誰かといようと、大勢の中にいようと、
関係なく感じるものなんですよね。

自分の心が孤立している状態。

心の中に、
埋められない寂しさや苦しさがある状態。

実際、
天涯孤独なわけでも

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【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

人の数より沢山の、傷がある。

いつも明るくて優しくて穏やかな人が、
とてつもない苦労人だった
なんてことが実際に沢山あった。
わたしの数少ない友人たちもそうだ。

人の人生なんて目には見えないものだから、
どれだけ明るくて楽しそうにしている人でも
どれ程辛い過去を背負い、
どんな苦しみを乗り越えて
生きてきたのかなんて絶対に分からない。

分からないからこそ、見えないからこそ、
大切にしないとい

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