徳久 望/Nozomi Tokuhisa

心が柔らかくなる瞬間を。

徳久 望/Nozomi Tokuhisa

心が柔らかくなる瞬間を。

マガジン

  • 心が柔らかくなる瞬間を。

    写真と言の葉。フォトエッセイ。

  • 弾き語り

    例えば夕暮れのベランダで。例えば眠れない夜の窓辺で。例えばあなたの隣で。爪弾く歌。

  • 現代短歌

    31文字で日常の秘密を。

  • お酒と徒然。

    ひとりで呑みに行くのが好きだ。いや無論、いつの間にかひとりでは、なくなっている。独りの時間に考えていた事が隣りでグラスを傾ける人と共感しあう話になる。独りが1人になり2人になり、ふたりになる。そんな風にお酒の席で出逢った時間を綴る。

  • 映画のような日常

    映画のワンシーンのような日常のキリトリ。

最近の記事

午後七時の西日と瓶ビールが好きな人

梅雨がもうすぐ明けるねって、そんな話をビールが好きな人と話していたバーカウンター。 飲む時間帯は、変わらないのに 明るい時間に飲めるってだけで幸せだねって。 季節が連れてくるそれぞれの幸せが、こんなところに。 ビールが好きな人の言葉に幸せを感じた。 君は、この季節のどんなところに幸せを感じますか? そんな君の話を聞きたいなって思った。 そうやって人の事を好きになっていきたい。 どんな風に生きてきたのか。 それを履歴や歴史ではなく日常の些細な言葉から感じたい。 君

    • 上海からのピアニスト、打上花火、月光の行く先。

      上海からきたピアニストと米津玄師を歌った昨夜。 最近 中国の人や韓国の人がよく来ている気がする。 英語は、万国共通で使えるものと思っていたけれど 使えない事も結構あって そんな時は 翻訳アプリに助けられながら会話をする。 相手の言いたい事や考えてる事を一生懸命に感じとる時間。 同じ日本人と話すより疲れるけれど 人と向き合うって本来は、こんな風に心を遣う事なんだなって思う。 「8月にある日本の音楽フェスのチケットが取れなくて残念です。だけど米津玄師好きです。」 彼は、

      • 塩ラムネと夏の空。

        家を出るとご近所さんから飴が沢山入った袋をもらった。塩ラムネ。自分じゃ買わない飴だ。 出かける最中だったので ありがとうございます。と、言いながら先を急ぐ。 「さっきもらったんだけど食べる?」 友達に渡すと 舌先で転がしながらこれいいね。って。 今度見かけたら絶対買うわ。って。 その言葉を聞いてなんだか嬉しくなり 人が人に出来る事について想う。 大きな事や目立つ事に意味や価値があるような気もする。 けれど 本当は、こういう小さく思える繋がりが人の生活を幸福にしていく

        • いつかの感情やその時間もそっと色を落として。

          あちぃ。夏だー。夏が来たのかー。と汗を拭いながら眺める入道雲。 すげぇ。空ってすげぇ、と、立ち止まりパシャリ。 毎日似たようで違う景色を映しながら そこにいつかの感情やその時間もそっと色を落として。 生きてきた情景が映っていくんだよなぁ。 そんな事を考えながら眺める。 今年はどんな夏になるだろう。 きっと想像通りじゃないんだろうなぁ。 なんて そんな高揚感を感じながら。 立ち止まる。 そういう機微を感じて暮らしていたい。 あちぃ。夏だー。夏が来たのかー。

        午後七時の西日と瓶ビールが好きな人

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        • 心が柔らかくなる瞬間を。
          57本
        • 弾き語り
          24本
        • 現代短歌
          12本
        • お酒と徒然。
          6本
        • 映画のような日常
          11本
        • 【エッセイ集♯2】心が柔らかくなる瞬間を
          35本
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        記事

          グンナイ

          作詞作曲 徳久 望 雨が続いてたまる洗濯物 ぐちゃぐちゃの布団見る天気予報 誰かの素晴らしい言葉が並ぶSNSに 愚痴を溢した またあの子に嫌われちゃうよなぁ もういいやぁなんて そーいや 知らない間に増えた痣 二日酔いのまま 今日も合わない靴下 家を出た途端に降り出した 無理やり干した洗濯物は やり直し ままならない生活 丁寧な生活なんてうっせぇよ。 負け続ける日々に 遠くなる君に 伸ばした手  あの日のおろしたてのシャツがよく似合っていたな いつかの笑顔 もう僕には、向けられないなぁ。 お元気ですか?変わりないですか? 君は君のままですか? 僕は僕がわからないよ また他人が言う僕を演じてる 君には今の僕はどう見える なんてごめん ぐっばいぐんない 気づけば選べない事ばかり増えて 選ばれない事にももう慣れて もうなれない憧れに蓋をして 戻れない日々に後悔なんてないなんて嘘 愛なんてクソ ダサいままの現状 いつも顔は冷笑 「冷凍したままのハート」なんて冷笑 連勝中の知り合いを眺める 悩める己に酔っ払う アルコールをまたアンコール 夜勤バイトのコンビニ店員だけが まるで親しい友達のよう お元気ですか?変わりないですか? 君は君のままですか? 僕は僕がわからないよ また他人が言う僕を演じてる 君には今の僕はどう見える なんてごめん ぐっばいぐんない

          「やさしい天使が降りてきたらきっとあの子は、喜ぶさ。」

          突然だけど天使っていると思う? 不意に頭を流れていくメロディは、フィッシュマンズ。頼りない天使。 「やさしい天使が降りてきたらきっとあの子は、喜ぶさ。」 私は、なりたいと思う。 なんて。うそ。 でも そんな正解のないような どうしようもない話を延々と話せる事が どうしようもなく大切なものを教えてくれるような気がする。 誰にでも話せるわけじゃない話を 話せる人って貴重だ。 君とならそんな話を出来るような気がする。 あー、天使ってさ。 こんな瞬間に現れているの

          「やさしい天使が降りてきたらきっとあの子は、喜ぶさ。」

          そんな綺麗事が本当だったりもして。

          七夕の夜を超えて。 会いたい人に会えましたか? 会いたい人がいるってそれだけで幸せだよなぁ。 なんて そんな事を思いながら、帰り道。 コンビニに立ち寄って缶チューハイ片手に見上げる夜空。 会いたい人がいる。って 出逢えている事なんだよなぁ。 ここに居なくてもその人の事を考える時間。 そういうものに人は心を教えてもらったりして。 七夕の夜 そんな風に会いたい人がいる。 そんな出逢いがあるならそれ自体幸せな事なんだよなぁ。 七夕の夜を超えて。 会いたい人に会え

          そんな綺麗事が本当だったりもして。

          空の青に魅入ったり、風に心を委ねたり、雨の音に耳を澄ましたり。

          人間ってすべての事に全力で向き合えるほどの力を持っているわけじゃないんだなぁって。 ついつい運動不足になりがちな日常。 意識して筋トレをしつつ 限界を迎えながら目の前の事だけにしか集中出来なくなってふと思った。 息を止めて、煩悩を棄てるような感覚。 あれしなきゃ、これしなきゃ、あれどういう意味だったんだろ、なんでわかってもらえないんだ、あぁーだめだ、人生失敗してるなぁ。 なんて 大げさだけど考えれば考えるほど 問題解決へ向かう足取りはどんどんと重くなる。 そんな事は、少

          空の青に魅入ったり、風に心を委ねたり、雨の音に耳を澄ましたり。

          覚えてる?ちゃぽりたんとか似せものが本物の顔した月の部屋

          「なぁなぁ都会に比べたらこの町、空広すぎるし、星多すぎるし、コンビニの駐車場広すぎるし、ここ月の裏なんちゃう?」 そう言いながら夜空を見上げて後ろ向きに歩いた。 スーパーの袋には13円で買ったちゃんぽん麺がふたつ。 お勤め品のキノコや2割引のベーコンや野菜の切れ端をケチャップで炒めて作ったナポリタン風。 「ちゃんぽりたんって言うらしいで。」 「うそやん。」 「ほんとやって。」 そんな会話をしながら偽物が本物顔をする。 ちゃぽりたん。が、ナポリタンの顔をする。

          覚えてる?ちゃぽりたんとか似せものが本物の顔した月の部屋

          名前など知らない鳥が告げる朝。一羽ずつに名前をあげたい。

          白んで行く空は、季節によってその時間帯を変える。 それに合わせて鳴き始める鳥達。 カーテンから差し込む光より先にその歌声が朝の訪れを教えてくれる。 一体どんな鳥が鳴いてるんだろう。 寝惚け眼でぼんやりと考える。 鳥という種類で呼んでしまうけれど 本来は、それぞれに命があるんだよなぁと考えながら。 一羽ずつに名前をあげて暮らしてみたい。 そんな想像をしてみる。 そんな事が出来たら もっと日常は、賑やかで華やかになるんだろうなぁ。 鳥の鳴き声を聞きながらカーテンを

          名前など知らない鳥が告げる朝。一羽ずつに名前をあげたい。

          あいかわらず

          作詞作曲 徳久 望 もしも君が君を嫌いになっても いつもちゃんとわかっているよ 君の素敵なとこもよわいとこも 誰よりそばで 愛変わらずだなって呆れてそっと笑ってずっとこれからも 愛変わらずだなって伝え合っていよう 僕は君が好きだ

          例えばそんな綺麗事が毎日の本当だったりもするこの世界で。

          「うまくいかないことばっかり。」って愚痴を溢すバーカウンター。 「でも死んでないならいいじゃん。」って1個上のシングルマザーのお姉さんは言う。 ハイボールを片手に。 確かにな。って、すとんと思った。 誰にでも言えそうな言葉。 でもその人の言葉なんだよなぁって思う。 人ってそういう風に その人ならではの魔法を遣って生きている。 きっと生きてきたその足跡は、そんな風なひとことに現れたりもする。 だからきっと その人生の輝きは、他人の方がよく知ってるのかもしれないなって

          例えばそんな綺麗事が毎日の本当だったりもするこの世界で。

          そばにいて。ほんの少しさ。本当さ。星を数えきるまでの間。

          星を数え終える事って出来るんだろうか。 スミノフアイスを片手に 公園の石段に座りこみぼんやりと夜空を見上げた。 酔い冷まし、君とくだらない話をしながら この夜は、この夜だけなんだなってわかってた。 星を数え終えるまで この夜よ明けないでいて。 そんな事を小さく願った。 こんな時に流れ星は、流れてくれない。 スミノフアイスをちびりと飲み込む。 この夜のタイムリミットは、あと少しみたい。 少しずつ冷めていく酔いと。 ぬるくなっていく瓶。 水滴がついた指先。 甘った

          そばにいて。ほんの少しさ。本当さ。星を数えきるまでの間。

          いつか月に行けるから

          作詞作曲 徳久 望 ブランコに乗って 月に行こう シーソーに揺られ 海を渡ろうよ 滑り台を駆け下りて 流星になろう 例えばそんな風に 話せない事 話せないまま 一緒に居てみないかい? いつか月に行けるから 愛を語ろうふたりの言葉で 夢を見ようこの手を繋いで 生まれてこれた事がこんなに嬉しい 月に行こう ブランコに乗って 海を渡ろう シーソーに揺られて ふたりが出会えた意味は今 星になったから

          いつか月に行けるから

          いつか月に行けるから

          シーグラスきれいと微笑うきみの手に前世の欠片、無事に届いて。

          死んだらさ、海の色素になりたい。 そんな途方もない来世の話をしながら 海辺を歩いた。 砂に足を取られながら歩く。 どこからたどり着いたのかわからない木片や貝殻を拾っては、投げて波に返してみる。 けれどやっぱり波に戻されて砂浜へ。 此処にたどり着いたんだねぇ。と、話しかけてみる。 あ、見て綺麗。と、君が走り寄って拾い上げるシーグラス。 海の模様が映ったように見えるその色彩を光にかざす。きれい。 もしかしたら前世の欠片が混ざってるかもね。 話の続きで、そんな事を口

          シーグラスきれいと微笑うきみの手に前世の欠片、無事に届いて。

          小さな恋の歌

          すれ違う人にも好きな人が居て。小さな恋のうたが溢れてる世界に生きてるんだなぁって。この曲が愛される世界に生きてるんだなぁって。そんな事が嬉しい。