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現代短歌

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31文字で日常の秘密を。
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覚えてる?ちゃぽりたんとか似せものが本物の顔した月の部屋

覚えてる?ちゃぽりたんとか似せものが本物の顔した月の部屋

「なぁなぁ都会に比べたらこの町、空広すぎるし、星多すぎるし、コンビニの駐車場広すぎるし、ここ月の裏なんちゃう?」

そう言いながら夜空を見上げて後ろ向きに歩いた。

スーパーの袋には13円で買ったちゃんぽん麺がふたつ。

お勤め品のキノコや2割引のベーコンや野菜の切れ端をケチャップで炒めて作ったナポリタン風。

「ちゃんぽりたんって言うらしいで。」

「うそやん。」

「ほんとやって。」

そんな

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名前など知らない鳥が告げる朝。一羽ずつに名前をあげたい。

名前など知らない鳥が告げる朝。一羽ずつに名前をあげたい。

白んで行く空は、季節によってその時間帯を変える。

それに合わせて鳴き始める鳥達。

カーテンから差し込む光より先にその歌声が朝の訪れを教えてくれる。

一体どんな鳥が鳴いてるんだろう。
寝惚け眼でぼんやりと考える。

鳥という種類で呼んでしまうけれど
本来は、それぞれに命があるんだよなぁと考えながら。

一羽ずつに名前をあげて暮らしてみたい。

そんな想像をしてみる。

そんな事が出来たら
もっ

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「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて

「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて

水の中に潜った音が聞こえる。

目を閉じて耳たぶを包みこみ
海に潜った光を想像する。

見たこともない海街の情景が浮かんでくる。

そうやって旅をしてみる。

不思議だ。

身体は、体感を知っているから
今何処に居たとしても
その感覚を思い出せるから。

そんな風に生きてきた事を確かめてみる。

そんな事が嬉しいと喜んでみる。

「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて

例えば

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もしも数字だったら掛け合わせるのも割り切るのも運命だった?

もしも数字だったら掛け合わせるのも割り切るのも運命だった?

桃色のひかり溢れる。「曇り空が似合う」と言った春は遠くに

「カメラって香りもきっと覚えてる」そんなんばっか話したい事

もうやめた。関係ないし、泣いた歌とか知らない町の天気とか。

もしも数字だったら掛け合わせるのも割り切るのも運命だった?

私が私である事が哀しくなる者が「I」と名乗りました。
#今日の短歌 #現代短歌

「恋って花に見えるね。」君が見た花を探す旅が今はじまり。

「恋って花に見えるね。」君が見た花を探す旅が今はじまり。

ふりかえれ。って、いつも見てた。ついに後ろ歩きで階段登れた!

「生きる為なんだって。忘れるの。」(君との記憶で死ぬのかもしれん。)

流星に願いを込めて気付かせたその顔浮かんでかき消した

すごい。好きになる理由は、ないのに嫌いな理由束ねて勝てない。

「恋って花に見えるね。」君が見た花を探す旅が今はじまり。
#今日の短歌 #現代短歌

「好き」に淋しさとルビを降るその星の言語を知りたいのです。だめ?

「好き」に淋しさとルビを降るその星の言語を知りたいのです。だめ?

砂糖菓子 海に梳かし続けています。「甘いと会いたくなるでしょ。」

溺れあうって言うかさなんか溶け合う気がしない?ごめんね、忘れて。

「好き」に淋しさとルビを降るその星の言語を知りたいのです。だめ?

「夢で逢えたら」ありきたりなこと願うのはきっと夢で逢えたから

眠れない夜を海だと言う人を人に戻してしまえたらねむろ?

まばたきを風にしてみせたあの日から君は僕の全てになった
#今日の短歌

「一生一緒に。」が友達ならいらないって言ったらどうする

夜空からオリオン座が消える瞬間に解けていくふたりでした

はじまりが決められなかったのに終わりが決めれるわけないよばか

歩きタバコはしない人と深夜のバス停で宇宙船を見た

歩きタバコはしない人と深夜のバス停で宇宙船を見た

【煙草】

マルボロの箱のビニール剥がさずに、シケモク貯めて笑ってた人

「くちづけで、銘柄当てられるよ。」誰にも話せない特技がひとつ。

換気扇付けっぱなしで、出て行った。いつも通りと新しいヒビ。

歩きタバコはしない人と深夜のバス停で宇宙船を見た

【ソファー】

ソファーが舟だとするならばあの日乗り合わせただけだったあなた

「あなたの事は行方不明」ソファーは、深海沈みゆくタイタン。

セカ

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水眠は、死ぬ練習と目を閉じる君が、生きる理由になりたい。

水眠は、死ぬ練習と目を閉じる君が、生きる理由になりたい。

野良猫も個性があると撫でながら、いのちってさみしさのかたちね。

向日葵で創られた海の話とか絵本めくるようにあなたと

水眠は、死ぬ練習と目を閉じる君が、生きる理由になりたい。

「奇跡とは、ありふれたこと言うんだよ。ふたりの為に起こしてみせて。」

雲を撮るような素直さで生きてみたいと言うその頬を見ており
#今日の短歌

哀しい事は多いね。死ぬ間際あなたを愛した記憶が欲しい。

哀しい事は多いね。死ぬ間際あなたを愛した記憶が欲しい。

夜の空気わけあえば本当がとけあったりもするので困った

地中海、雪の結晶が芽吹く。聴こえる?花詞の祈り。

まず珈琲に月の灯りを梳かします。時季に時が止まりますよ。 

岩石のクッキーちぎり迷い込む。お菓子の家の窓越しに飴。

来世こそ猫語が解る世界線でお願いします!サンタさんへ。

「それは、あなたが信じたい事で、私が話した事じゃないもん。」

春が来た。君を世界から消した時、やっとしあわせにな

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貝殻にきれいな色の石集め「ほら見てよ、地球の瞬き。」

貝殻にきれいな色の石集め「ほら見てよ、地球の瞬き。」

手をとって。ほんとに海が蒼いのか食べて味わう朝陽みたいに

口癖を真似したことを指摘して波打ち際の花をさらって

「流星の欠片で出来た砂浜がふるさとなの」と月の言詞

月の海歩いてみたいと笑う君、波に歌うことを教えて

貝殻にきれいな色の石集め「ほら見てよ、地球の瞬き。」

「空と海、重なるところ見えるかい?シーグラスその船のひとつさ。」

海の味。その頬伝うこの音色。あたりまえをね、君と識りたい

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眼球に地図が編まれていく日々を教え会おうよ見つめ逢うこと。

眼球に地図が編まれていく日々を教え会おうよ見つめ逢うこと。

自称好意と寒がる人と冬のひだまりを見つけたいのです。

味があるの?言葉って。味覚を教えるくちづけみたいな「雪ですね。」

眼球に地図が編まれていく日々を教え会おうよ見つめ逢うこと

運命とは最低に成り合うこと誰も真実を歌ってくれん

存在を不在で教えるような世界の秘密はあなたの顔を
#今日の短歌