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そばにいて。ほんの少しさ。本当さ。星を数えきるまでの間。

星を数え終える事って出来るんだろうか。

スミノフアイスを片手に
公園の石段に座りこみぼんやりと夜空を見上げた。

酔い冷まし、君とくだらない話をしながら
この夜は、この夜だけなんだなってわかってた。

星を数え終えるまで
この夜よ明けないでいて。

そんな事を小さく願った。

こんな時に流れ星は、流れてくれない。

スミノフアイスをちびりと飲み込む。

この夜のタイムリミットは、あと少しみたい。

少しずつ冷めていく酔いと。
ぬるくなっていく瓶。
水滴がついた指先。
甘ったるい香り。

そんなものが君の声を覚えていく。

そばにいて。ほんの少しさ。本当さ。星を数えきるまでの間。

徳久 望

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