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【読書ノート】眠れなくなるほど面白い「老化」の話

「加齢」とは、生まれてからの時間的経過による変化を示します。それに対して、「老化」とは、大人になって以降、加齢にともなってカラダの機能が衰えていくことです。

眠れなくなるほど面白い老化の話/長岡功、野村義宏(著)

こんにちは、けいごです。

健康的な生活を送ったり、介護予防や認知症予防を考えるうえで、「老化のメカニズム」を知っておく必要があります。高齢者福祉の仕事をしている方であれば、特にその知識使って仕事をすることで、より質のよいケアが可能になります。

本記事では、「老化って一体なんなの?」「老化を防ぐことはできるのか?」と考えている方に向けて書いていきます。


「老化」とはなにか?

生き物は老化します。これは人間だけでなくどんな生き物も通る道です。老化と同義の言葉に、「加齢」があります。「老化」は衰えることですが、「加齢」は歳をとることなので、定義は異なります。
では「老化」とはどんな減少なのかというと、本書では以下のこと示しています。

①小さくなること
②悪いものが貯まること
③良い物が不足すること
④細胞が老化すること

①小さくなること

老化すると以下の減少が起きます。

日々増える細胞と、減る細胞の数のバランスが崩れる

筋肉や脳、皮膚、骨の全てが小さくなります。これは力がなくなったり、理解力が低下したり、皮膚が薄くなったり、骨が細くなったりするということです。

人体は37兆個の細胞で作られており、人間は日々細胞を作る量と減る量のバランスをとっています。しかし老化すると、新しく作る細胞の量が減り、バランスが崩れます。

②悪いものが貯まること

老化すると以下が貯まっていきます。

・異常タンパク質

遺伝子の基となっているDNAに傷(変異)が蓄積したり、異常なタンパク質が蓄積します。通常であれば、DNAには傷が入っても、すぐに修復するシステムがあり変異が蓄積しないようになっています。
老化すると、修復する働きを持つたんぱく質が異常になり、変性してしまいます。

③良い物が不足すること

老化すると以下が不足します。

・幹細胞
・ホルモン
・補酵素

幹細胞は細胞を作り出すための細胞です。幹細胞の減少は単純に、①に関連します。
ホルモンは身体にある様々な器官で作られますが、生物の正常な状態を支える働きをしています。
補酵素は、さまざまな酵素を助ける役割を果たします。では酵素にはどんな働きがあるかというと、シンプルに「生命の持続」です。つまり、酵素の不足は死に近づくことを意味します。

④細胞が老化すること

日々分裂して増えている細胞ですが、その細胞にも老化があります。細胞が老化すると以下の減少が起きます。

複製老化

複製老化とはどうゆう現象かというと、細胞が増やせなくなるということです。1991年にアメリカのヘイフリック氏が、細胞分裂には限界ということを発見し、それを細胞の老化としました。

具体的には染色体末端の「テロメア構造」の短縮が、老化を進めるとしています。テロメア構造とは染色体の一部で、役割としては「染色体の安定性を確保するためのもの」です。細胞分裂をするたびに、染色体も分裂しますが、それを繰り返すたびにテロメアが短くなっていき、ある地点で限界を迎えるということです。

また、放射線や紫外線などのさまざまなストレスでも細胞が老化すると明らかにされています。

老化するとどんな症状がでるか?

ここまで説明してきた老化の原因から、老化によっておこる現象の理由を説明します。
やはり、様々な現象が「小さくなる」ことに紐づいています。

老眼が起きる原因

老眼は目の中にある「水晶体」の老化により柔軟性が低下し、調整機能が失われることで発生します。本来はこの、水晶体を筋肉の収縮により調整していますが、それが出来なくなることによって老眼になっていきます。

疲れやすくなる原因

身体は、通常自立神経で生理的活動を調整しています。これは身体と精神を活発にする交換神経と、休ませる副交感神経がバランスをとって働いているということです。
老化により脳が小さくなり、これら身体活動の調整機能が不十分になります。すると、神経や筋肉に負荷がかかり修復が出来なくなっていくことで、疲れやすく、疲れがとりにくくなっていきます。

老化を防ぐには?

本書では詳しく説明されていませんが、以下の老化防止方法について、個人的に掘り下げてみました。介護予防や老化防止に役立てていただければ幸いです。

老化細胞をなくす

老化を防ぐには、老化細胞を殺すことで老化を遅らせることが可能、という説があります。それには、選択的に殺すこととと、食べ物の摂取によって除去する方法の二つがあります。

セノリティクス:老化細胞を除去する薬
ポリフェノール:老化細胞を除去する食べ物

セノリティクスは現在注目されているようです。以下の記事に書いてあります。

ポリフェノールの摂取については、以下引用します。

老化細胞の除去を目的とする食品成分の研究も複数進行している。例えば、タマネギやリンゴに含まれるポリフェノールのケルセチンはすでに抗癌剤として使用されている「ダサニチブ」という薬との併用によって生体内から老化細胞を除去する可能性があるという。また、イチゴやブドウ、タマネギに含まれるフィセチンというポリフェノールも老化細胞除去活性を持つ候補として研究が行われている。

薬との併用が必要と書いてあるので、単純にタマネギ、リンゴ、イチゴやブドウを食べればいいという訳ではなさそうですね。(笑)
参照元はこちら。


一言まとめ(ここだけみて)

では、本書を一言でまとめます。

老化とは、「様々なものが小さく」なり、「老化細胞が蓄積する」ことだが、それを改善するための行動をすることで老化を遅らせることが出来る。

ここまで老化について書いていきましたが、原因が分かれば、後はどのように予防すればよいかを考えるだけです。皆さんも老化の知識を得て生活改善をし、健康な体を維持しましょう。

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