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エッセイ・コラム・ショートショート等々

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ヘッダー画像は尊敬するナンシー関さんの著書です。
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#創作大賞2023

【エッセイ】七夕が終わる前に

【エッセイ】七夕が終わる前に

どうしても七月七日のうちに記しておきたくなって急いでスマホに入力している。
いつも以上にお見苦しい文をお許しください。
とにかく書きます。

今日は七夕。

何かと騒がしいツイッターも短冊がタイムラインに揺れる。

みんなそれぞれに願い事がある。
それがたまらなく愛おしく生きていると思わせてくれる。
私にももちろん願い事はある。

今、夏の風物詩、3週ジブリの夏の第1週『風の谷のナウシカ』が放送さ

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【エッセイ】日焼けした次の日はアンニュイ

【エッセイ】日焼けした次の日はアンニュイ

日焼けした次の日はアンニュイなことが多い。

2日続けてのピーカンが当たり前にあるわけでもない地域柄のせいか、夏の幻を見たどこか夢現な曇り空に、アイスコーヒーを淹れる数分でさえどこか気怠い。
そんなモヤッとする朝に照りつける太陽の昨日のしょうもないことが思い出される。

「ヘイ!フレンド!」

年中どこか抜けているのに真夏日の暑さで一段とボーッとしていた私に前方からやって来るアラブ系の若い外人男性

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【エッセイ】マドンナたちのララバイ

【エッセイ】マドンナたちのララバイ

眠ることは人間にとって物凄く重要だから堂々と眠ればいい。
寝すぎると怠け者だと後ろ指を指されるのではないかという怯えや罪悪感などは背負う必要なんてない。
ない、ない、ない…と、言い聞かせる。

寝るのも惜しんで…

その気持ちもわからないでもない。どうひっくり返っても1日は24時間。みんな24時間なのだ。
でも、眠れるなら眠るべきだ。

「眠りのつけがまわってくる。眠りを選ばなかったらいずれ寝たき

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【エッセイ】コナンと風鈴と畳の匂い

【エッセイ】コナンと風鈴と畳の匂い

夏至が梅雨の最中と重なることに気づかず1983年から生きてきた。あまりの一般常識のなさに情けなくて笑えてくる。

夏至が過ぎ夏の入口に立ったか……
いや、まだだな。
梅雨が明けてないのだから。

年々日本の夏は手強くなっている。
どの季節も異常が異常でなくなってきているが、夏はここ数年文字通り我々生き物を仕留めにかかってきている。
好き嫌いの次元ではない(夏も冬もどの季節も好きだし嫌いでもある)

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【エッセイ】鶴瓶さんの「頑張りや」

【エッセイ】鶴瓶さんの「頑張りや」

耳鳴りがしている。

スマホのカメラレンズ下ライトの動作確認で油断してもろに強烈な光線を浴びて目もチカチカしているところにキーーーンを通り越したキイイイーーーーーーーーーーーイイイインな耳鳴り。
泣きっ面に蜂である。

それでもnoteを書く!書かねば忘れてしまう!
私は耳鳴りも定まらぬ視点もちらつく残像にも負けないで中指を小さく動かし文字を入力している。

そこまでして書く内容でもないことだと数

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【エッセイ】ハンカチーフください

【エッセイ】ハンカチーフください

突然だがスマホ本体のスピーカーが故障した。
災難はいつも突然やって来る。そんなものか。
You TubeでV6の『ありがとうのうた』を聴いていた。
前奏から何かおかしいなとは感じていた。
歌が始まって間もなく坂本くんが大声で歌い出した。
もちろん音量などいじっていない。
文字通り目を丸くして一体何が起きたんだと固まってしまった。
ある程度まで大きくなると坂を下るようにボリュームが小さくなった。

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【エッセイ】歌詞をむさぼっていたあの頃

【エッセイ】歌詞をむさぼっていたあの頃

今となっては避けて使わない表現だが、10代の多感(と、される)時期から私は、詩に救いを求めていた。

時は流れいつしか私は書く側になっていた。
そして書く側になってはっきりわかったことがあった。

人を救う為に詩を書いてなどいないことを。

そもそも自分の書いた詩で人を救えるだなんて烏滸がましい考えは、はじめから持ってなどいなかった。

だが10代の、あの頃の私は歌に、特にその歌詞に救われていたの

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【エッセイ】I−CHI−ZU

「山羊さんて夢追いかけられて羨ましいなー」

以前勤めていた職場で同い年の正社員に言われた一言。
きっと彼には悪意などない何気ない一言だったろうが、今でもふと思い出すのはそんな彼のことをとても欲張りだと私がグツグツと苛ついたからだと思う。

彼の夢はプロのミュージシャンになることだった。(演奏する方)

専門学校にも通い都会でバンドを組んでいたらしい。夢追い半ばで当時付き合っていた女性との間にこど

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【エッセイ】そんな自分が嫌いでね

私は歪んだ性格を持っている。
意地が悪い。ただ、それを自分の中だけで完結させる。他人は巻き込まない。

古着屋でのこと。
後方から賑やかな(うるさい)声が近づいてくる。
輩だよ…。あぁ、めんどくさ…。

「テロテロの生地でさー」
「あっ、あそこじゃない?」
「あーあー、近いかなー」
「◯◯(他店の名前)の方がよくね?」
「うわ!ちょっ、これー」
「キャハハハ!たかしじゃん!この前着てたやつにそっく

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【エッセイ】貞子と寝言

【エッセイ】貞子と寝言

「念写っ…、念写が出来ない!」

今朝起きがけの寝言である。

私は自分の寝言でよく目が覚める。
目が覚めてからも夢現、寝言のつづきを呟いている。半分は現実だとわかっているつもりなのだが、もうどうにも止まらないのだ(山本リンダか)

今朝のこの「念写が出来ない」発言はどういう経緯で発せられたのか正直覚えていない。
寝言には手繰り寄せれば何かしら発端があるもので、きっと最近「貞子」について考えていた

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【エッセイ】カレーが繋ぐ黄色い糸

【エッセイ】カレーが繋ぐ黄色い糸

今日(2023/06/03)は映画「スパイスより愛を込めて。」の石川県での舞台挨拶の日だった。

金沢出身の田中美里さんが登壇されるのでぜひとも伺いたかったのだが残念ながら行くこと叶わず…。

きっと素晴らしい時間が館内を流れたであろう。

本映画の舞台が金沢とあって、郷土愛の深い田中美里さんにつづくように私も推していきたい所存であるが、ふと思ったことがあった。

いまや全国区となった「金沢カレー

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【エッセイ】客のいない蕎麦屋

【エッセイ】客のいない蕎麦屋

昔住んでいた愛知県岡崎市のアパートをグーグルマップで訪ねてみた。
駐輪場の屋根の歪みはあの頃のまま。
隣の駐車場の広告看板が撤去されていた。
2階の角部屋の横が私の部屋だった。

残暑がやたらと長引く年だった。
やっと涼しい風が微かに吹きはじめる日没前、洗濯物を取り込みながらベランダで広告看板の向こう側の公園の木々を眺めていたことや、原付バイクで急勾配の坂の上にあった銭湯に週に一度は行ってたこと、

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【エッセイ】クールドジにはなれない

【エッセイ】クールドジにはなれない

You Tubeで「クールドジ男子」というアニメが期間限定で無料視聴公開されていたのでなんとなく観てみた。
いわゆる日常系でクスッと笑えるほのぼのしたアニメだった。
タイトルの通りドジなんだけどクールな男子4人のお話なのだが、暗黙の了解ということになるだろうがもちろん4人ともイケメンなのだ。
当たり前っちゃ当たり前か。
イケメンでなければ成立しないもの。

はじめは4人とも関わり合いもなく知らない

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【エッセイ】詩集「家路」完売

【エッセイ】詩集「家路」完売

拙詩集「家路」が完売した。

2020年6月23日に発行した「家路」はコロナ禍に入る直前の2019年末頃から具体的に形にする為の準備が始まった。

今振り返ると「家路」製作が私の詩人としての分岐点となった。

私はその頃スマホすら持っていなかった。
製作の過程でコロナが対岸の火事ではなくなってきたことから話し合いの場も満足にもてなくなり、当初考えていた完成日がどんどん延びていった。
取り残されてい

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