pikumin

writer

pikumin

writer

記事一覧

固定された記事

Profile / Work

宮谷 行美 (Pikumin) 音楽メディアにてライター/インタビュアーとして経験を重ね、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』オフィシャル・ライターを務め…

pikumin
5年前
9

夜、公園、人間探し/体感研究報告書

“しゃんとしないから逃げる”という宣言通り、しゃんと更新していない。あれこれ書きたいことはあるけど、リサーチ不足やまとまり不足で公開にまで至らない。日記にしては…

pikumin
11日前
5

しゃんとしないと、から逃げる/体感研究報告書

「しゃんとしないと、格好つけないと話せないよなぁ」 そんなことを思う時があった。というより、1年また1年と、どんどん話がしづらくなった。別に誰かに怒られたわけでも…

pikumin
1か月前
10

週間手帖 十三頁目

2023.12.12 秋がゆらめいた。息を吸い込んだら肺がひんやりと冷えて、すぐに熱を補おうと心臓が忙しく呼吸をしだす。生きようとしてるんだ、と思った。これがいつ絶えてし…

pikumin
4か月前
3

PLAYLIST SERIES

NIGHT WAVE RADIO(不定期更新) ”LOVE COLLECTIONS” SERIESLOVE COLLECTIONS VOL.1:Mitski LOVE COLLECTIONS VOL.2:Cocteau Twins LOVE COLLECTIONS VOL.3:RYUICH…

pikumin
1年前
2

週間手帖 十二頁目

2023.02.18 酸いも甘いもまごうことなき人生の得。錆び付いた特異体質も、磨けば天性の輝きを取り戻す。御託を並べるよりも己に従え。人生はすべて選択につき。 2023.02.1…

pikumin
1年前
3

週間手帖 十一頁目

2022.08.01 五線譜をはみ出した激情に、50音でまとまらないこころ。そこに溢れるものを知りたくて、見せたくて、分かり合いたくて、出会うそのときを待ってる。ひとときだ…

pikumin
1年前
4

週間手帖 十頁目

2022.05.15 頼りない便りに立つ弁もなく、言葉は騒々しいだけで想像力は皆無。荒々しくて仰々しいそれ。傲慢に張り付く期待も、呆れた末に死体。たかが一筆、されど逸品。…

pikumin
1年前
3

週間手帖 九頁目

2022.03.01 垂れ流す甘い血と錆びた舌。赤い嘘で塗り潰した夜もやがて白んで、あなたも私も知らん振り。あの日の奇妙な約束に絆され、おぞましい呪縛となって傷を残した。…

pikumin
2年前
4

週間手帖 八頁目

2021.12.20 師走のお知らせはとうの昔に遠ざかり、駆ける毎日にも追い付けないまま橋を架けろとせかされる。大人になるにつれて鼓動の高鳴りに疎くなり、心臓は鉛のように…

pikumin
2年前
4

週間手帖 七頁目

2021.12.01 いつだって、誰だってヒーローになれるんだって。街中の喧騒だって、僕を掻き立てる最良のBGMになるんだって。優しくなれない私に、優しくない君から届いたの…

pikumin
2年前
3

週間手帖 六頁目

2021.11.13 ゆらゆらと赤い季節が蘇る。スーパーカーに乗って一年前の八月に帰り、桃色の駆け引きも知らないあの夏に溶けよう。透明な心を涙に変えて、夢の先で会おうね…

pikumin
2年前
3

週間手帖 五頁目

2021.10.20 LOST CITIES / AM4:44 / LIBERALISM / PHASE 999 / LEAVE ME LONELY 2021.10.21 何度目かの合図も当たり前のように夜に放り投げて、耳から甘いノイズを垂…

pikumin
2年前
2

週間手帖 四頁目

2021.09.04 心拍数、急上昇。息を呑んで身を潜めて、自分を忘れる5秒前。恐怖に宿る美は真実を物語るのだと、怯えるその目が教えてくれる。畏怖はいつでも君の傍にあるか…

pikumin
2年前
4

週間手帖 三頁目

2021.08.29 間に合わなかった心もすべて夕立に流して、遠い昔へと追いやる。不器用は悪いことではないよ、と答えて一筋の光。償いは満たされない。 2021.08.30 あからさ…

pikumin
2年前
4

週間手帖 二頁目

2021.08.15 いつかの日の夏空を思い出している。透明な朝陽に焼かれた掠れ声は、やけに涼しい。伏目ついでに後ろをついてゆく私を追おうとも、歩幅は縮まらない。華奢な背…

pikumin
2年前
4
Profile / Work

Profile / Work

宮谷 行美 (Pikumin)
音楽メディアにてライター/インタビュアーとして経験を重ね、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』オフィシャル・ライターを務めたほか、書籍『シューゲイザー・ディスクガイドrevised edition』への寄稿、Real Sound、日刊サイゾーなどのWebメディアでの執筆、海外アーティストの国内盤CD解説などを担当。

【オフィシャルライター /

もっとみる
夜、公園、人間探し/体感研究報告書

夜、公園、人間探し/体感研究報告書

“しゃんとしないから逃げる”という宣言通り、しゃんと更新していない。あれこれ書きたいことはあるけど、リサーチ不足やまとまり不足で公開にまで至らない。日記にしては1日に対して抽象的すぎて、エッセイにしては薄すぎる。とはいえ“体感”を素直に報告したいのがこの報告書の目的でもある。

日記を書き続けている人は、「自分に正直に」をモットーに、書くことがない日も「書くことがない」と書くそうだ。自分に向き合う

もっとみる
しゃんとしないと、から逃げる/体感研究報告書

しゃんとしないと、から逃げる/体感研究報告書

「しゃんとしないと、格好つけないと話せないよなぁ」

そんなことを思う時があった。というより、1年また1年と、どんどん話がしづらくなった。別に誰かに怒られたわけでも冷たい目を向けられたわけでもないんだけど、ただ自分が言葉を出す時に選んだり考えたりする時間が増えた。そのおかげで旧ツイート現ポストも減っては、その反動で対面や電話になると意味も深みのない話をべらべらと話す習慣がついてしまった。

今年に

もっとみる
週間手帖 十三頁目

週間手帖 十三頁目

2023.12.12
秋がゆらめいた。息を吸い込んだら肺がひんやりと冷えて、すぐに熱を補おうと心臓が忙しく呼吸をしだす。生きようとしてるんだ、と思った。これがいつ絶えてしまうかなんて、知る由もない。きっと自分が死ぬという感覚は、死ぬ直前にしかわからない。

2023.12.03
人が変わる瞬間を見た。瞳の中には青い炎が静かに煌めいて、堂々たる出で立ちで、自信という言葉じゃ安いほど、自信に満ち溢れて

もっとみる
PLAYLIST SERIES

PLAYLIST SERIES

NIGHT WAVE RADIO(不定期更新)

”LOVE COLLECTIONS” SERIESLOVE COLLECTIONS VOL.1:Mitski

LOVE COLLECTIONS VOL.2:Cocteau Twins

LOVE COLLECTIONS VOL.3:RYUICHI SAKAMOTO

LOVE COLLECTIONS VOL.4:ART-SCHOOL

LOVE

もっとみる
週間手帖 十二頁目

週間手帖 十二頁目

2023.02.18
酸いも甘いもまごうことなき人生の得。錆び付いた特異体質も、磨けば天性の輝きを取り戻す。御託を並べるよりも己に従え。人生はすべて選択につき。

2023.02.19
かなしみに出会うのはいつだってすべてが通り過ぎたあとだ。震えるほど眩しい残像を撫でて、忘れないようにいつも手繰り寄せてばかり。届かない言葉ばかりを並べるどころか、ひとつも紡ぐことすらできていない。それでも言えること

もっとみる
週間手帖 十一頁目

週間手帖 十一頁目

2022.08.01

五線譜をはみ出した激情に、50音でまとまらないこころ。そこに溢れるものを知りたくて、見せたくて、分かり合いたくて、出会うそのときを待ってる。ひとときだけ同じひとになれるような、魔法の時間を待って奇をてらう。君のなかから絶え間なく音が鳴っていて、柔らかい音色がぼくらを誘うんだ。不器用に言葉を交わそう、不確かな未来をつなげよう。

2022.08.02

“暴力性”は魅惑にも嫌

もっとみる
週間手帖 十頁目

週間手帖 十頁目

2022.05.15

頼りない便りに立つ弁もなく、言葉は騒々しいだけで想像力は皆無。荒々しくて仰々しいそれ。傲慢に張り付く期待も、呆れた末に死体。たかが一筆、されど逸品。そんな大それた出会いもなければ、面と向かう気合もない。ありふれた文句はインクが滲んでおざなりってね。足元を見た議論ではなく目を見て異論を唱えてみなさい。世界はまた一周、君の知らないところでぐるりと回る。

2022.05.16

もっとみる
週間手帖 九頁目

週間手帖 九頁目

2022.03.01

垂れ流す甘い血と錆びた舌。赤い嘘で塗り潰した夜もやがて白んで、あなたも私も知らん振り。あの日の奇妙な約束に絆され、おぞましい呪縛となって傷を残した。太陽に永遠が溶けた頃、またここで会いましょう、なんて約束もきっと日の目に当たることなく、くたびれて土に還るさ。

2022.03.02

可憐なあの子にありったけの喜びと悲しみを注ぎ込み、井戸の深くに突き落とす。大海を知らない蛙

もっとみる
週間手帖 八頁目

週間手帖 八頁目

2021.12.20

師走のお知らせはとうの昔に遠ざかり、駆ける毎日にも追い付けないまま橋を架けろとせかされる。大人になるにつれて鼓動の高鳴りに疎くなり、心臓は鉛のように重くなっては、息を吸うたびに身体がキリキリと悲鳴を上げた。どこで何を間違ったのかなんて、自分だってわからない。ただ幼き頃は有り余るほど抱えていた、無数のきらめきと愛おしさを見失ってしまっただけ。数多のイルミネーションに目を輝かせ

もっとみる
週間手帖 七頁目

週間手帖 七頁目

2021.12.01

いつだって、誰だってヒーローになれるんだって。街中の喧騒だって、僕を掻き立てる最良のBGMになるんだって。優しくなれない私に、優しくない君から届いたのは、痛くて熱くて、痺れてやまないほどの激励。希望を射止めて、花咲け薔薇色の人生。

2021.12.02

道徳に背けば悪人同様、狼狽えるな愚か者よ。ところでその道徳、誰が為のものよ。疑いを忘れた羊に実りの草は得られない。正気

もっとみる
週間手帖 六頁目

週間手帖 六頁目



2021.11.13

ゆらゆらと赤い季節が蘇る。スーパーカーに乗って一年前の八月に帰り、桃色の駆け引きも知らないあの夏に溶けよう。透明な心を涙に変えて、夢の先で会おうねラッキーガール。

2021.11.14

電子的海に漂流する数多の不安と不幸とくだらない承認欲求。プラスチックのように消化されることなく蓄積され続けるそれは、黒い渦を伝染させてゆく。正体が見えなければノーリスク。それこそがハ

もっとみる
週間手帖 五頁目

週間手帖 五頁目



2021.10.20

LOST CITIES / AM4:44 / LIBERALISM / PHASE 999 / LEAVE ME LONELY

2021.10.21

何度目かの合図も当たり前のように夜に放り投げて、耳から甘いノイズを垂れ流した。曖昧な吐息も些細な布の擦れも、余すことなく再現するけれど、どれもこれも偽物ばかり。似ているだけじゃ、もう満足できないみたい。寝返りを打ってと

もっとみる
週間手帖 四頁目

週間手帖 四頁目

2021.09.04

心拍数、急上昇。息を呑んで身を潜めて、自分を忘れる5秒前。恐怖に宿る美は真実を物語るのだと、怯えるその目が教えてくれる。畏怖はいつでも君の傍にあるから、息を止めてあなたの過ちを数えて。一瞬の気の緩みで私たちはいつでも真っ逆さまに落ちてゆく。

2021.09.05

雨が降るから急ごう、と駆け足になるも、薄暗くなる空のスピードには勝てなかった。水滴よりも軽いような重いような

もっとみる
週間手帖 三頁目

週間手帖 三頁目

2021.08.29

間に合わなかった心もすべて夕立に流して、遠い昔へと追いやる。不器用は悪いことではないよ、と答えて一筋の光。償いは満たされない。

2021.08.30

あからさますぎるくらいに目を伏せて、知らないままでいようと思った。醜いものも美しいものも、知らなくていいと思った。最善と最良を与えることはたやすいけれど、そんなに簡単にハッピーエンドを飾られては困る、困るんだよ。何もかも手

もっとみる
週間手帖 二頁目

週間手帖 二頁目

2021.08.15

いつかの日の夏空を思い出している。透明な朝陽に焼かれた掠れ声は、やけに涼しい。伏目ついでに後ろをついてゆく私を追おうとも、歩幅は縮まらない。華奢な背中には誰の人生も乗らないし乗せるつもりもない。心はいらないけれど身体はいくつあっても足りないのだから人というものは卑しいわ。「そんな風に生きていると色んなものを見逃してしまうよ」いやはや、大きなお世話である。

2021.08.

もっとみる