フォローしませんか?
シェア
ち あ き
2022年7月19日 09:06
友人とふたり、買い物帰り。ひと休みに、ちょっと甘いものが欲しいネ、と甘味屋さんへ寄ることに。古風な佇まいの戸をカラカラと引くと、「いらっしゃい」おかみさんの、明るい笑顔に迎えられました。*木製のカウンターとその奥に構える桐箪笥が黒茶に光って渋く、竹細工、扇子、和傘、茶釜といった装飾も加わって小粋な雰囲気のお店です。ふわふわと漂うオルゴールの音が耳に心地よく届いてきます
2022年5月4日 08:24
些細なことだったはずなのに自信を失って、自分のことが嫌いで堪らなくなって落ち込んだ日。霧雨の舞う天気の中私は、行く宛てもなく、車を走らせました。通りかかったとある神社。立板には「大藤まつり」と書かれています。天気のせいか、人影はまばらで、ひとりでも落ち着いて楽しめそう。寄ってみることにしました。*鳥居をくぐった先、そこに広がっていたのは、淡い紫のしたたる、し
2022年4月28日 20:16
町の人たちの明るく、たくましく、他愛ない日常を覗かせてもらっているような雰囲気が、大好きな番組です。中井貴一さんのナレーションが快活で働く人たちのランチどきの風景を元気満点に伝えてくれます。*その回の舞台は、北海道の地元スーパー。パート歴16年の順子さんは78歳ながらその活気ある働きぶりとほがらかな人柄で「みんなのお母さん」と慕われています。清掃が主な仕事ですが
2022年2月5日 06:43
桜は枝の先にぷっくり蕾を膨らませている。徐々に日脚が伸びていって夕暮れの空を眺めるのが楽しい。青果店の店先には真っ赤な苺が、ちらほらと。春が、ゆっくりと近づいてくる気配がする。*「美しい日本の季語」という本を開いている。ページをめくるたびに現れる季語はどれも新鮮に感じられ表現の巧みさに感動する。昔の人たちは日の光に合わせて生活のリズムをつくったり、雨や風の細や
2021年12月19日 09:04
「今日も暗いニュースばっかりやなあ」テレビから流れてくる情報に頭がいっぱいになる時がある。思わずテレビのスイッチを切った。*毎日、通勤の車内からぼんやり眺めていた朝の空が他にないほど綺麗で明日はあの朝焼けを捕まえに行こうとちいさく心をはずませて眠りについた、金曜の夜。*胡桃入りのベーグルとゆで卵、豆乳。それから昨日の残りものポトフ。簡単だけれど好きな
2021年12月9日 13:10
窓ガラスにやわらかく水滴がつくような、寒い朝。彼とふたり、台所に並んでチーズトーストをつくる。今日は『のび〜るチーズ選手権』。昨日の夜、スーパーでめいめいに「これぞ」と思うチーズを選出。彼は森永製菓のモッツァレラチーズで私は雪印メグミルクのとろけるスライス7枚入。「チーズを長くのばせた方の勝ち」たった一つの簡単ルール。彼は食パン2枚にスライスしたモッツァレラチー
2021年12月1日 20:34
ずっとお世話になっている、スキンケア化粧品の美容部員さん。私が棚を眺めて悩んでいると「〇〇さん、こんにちは。今日は何をお探しですか?」いつもちゃんと名前を呼んで、声をかけてくれる。可愛らしく整った顔立ちにきめの細かい肌。綺麗に結われた髪が凛とした雰囲気を香らせている。メイクはしっかりされているのに無理のない、ナチュラルな印象。花で表すと桃の花のような、可憐でその
2021年11月12日 10:03
寒がり家族な我が家。いちばん最初に目を覚ます私の日課は朝、リビングのエアコンをつけて父と母が起きるまでに部屋中の空気をここちよく温めておくこと。「さむい、さむい」と起きてきたふたりが部屋に入ると「お、あったかい」と言っているのが、密かにちょっと嬉しいから。そして妙に部屋から出たがらないのが、ちょっと面白いから。ただリモコンのボタンを押すだけなんだけれど、私の大切な役目
2021年11月3日 20:36
ときめくような本に出逢った時、私には必ず行うことがある。本に記された美しい表現や胸を打つ場面を採集してゆく作業だ。使われている動詞、副詞、名詞、形容詞、オノマトペ、それら言葉どうしの兼ね合いや関係。まずはひとつずつ丁寧に観察する。描かれる場面、情景、登場人物のセリフ、考え方、行動。些細な部分も目で追ってみる。それから真っ白な紙を用意し自分は何を「素敵」と思ったの
2021年10月16日 07:19
部屋中にふんわりお米の香りが立ち込める。炊飯器の蓋を開けて釜からホワンと溢れる湯気を手で仰いでこちらに引き寄せ鼻から思い切り吸い込む、吸い込む。たくさん、たくさん吸い込んで胸の隅っこの方までごはんの香りで満杯にする。炊きたてのご飯と焼きたてのパン。好きな匂いのツートップ。年中無休で嗅いでいたい。つやつやごはんの表面に杓文字を十字にさっくり入れる。少し硬めに炊い
2021年9月26日 16:47
水みたいに澄みきった秋の空。涼しさをのせてゆるりと流れる風。あちこちできらきらしている木漏れ日。そんな秋晴れの日、皆さんは何をしたくなりますか私の頭にはやりたいことがたくさん浮かんできて朝から色々と思考を巡らせます。白いスニーカーをさっぱり洗うのもいいし、公園にある木の下のベンチでのんびり読書もいいし、冷蔵庫に残っている野菜たちを総動員して美味しいミネストローネを作るの
2021年9月5日 15:32
届いた手紙を取っておくための箱が半分くらい埋まり始めている。箱・第二号をそろそろ用意した方がいいかもしれない。大学の頃の友人と文通を始めて1年半になる。やさしくて読書家で繊細で、好きだと思うものが似ている友人がいてくれることは私の心の支えだ。だから私は、友人へ送る手紙にはあらゆる方法で心を込める。読書にぴったりな春の日の手紙には和紙でできた薄桃色の栞を入れてみたり、