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結 び 目 の ま ご こ ろ 弁 当
町の人たちの
明るく、たくましく、他愛ない日常を
覗かせてもらっているような雰囲気が、
大好きな番組です。
中井貴一さんのナレーションが快活で
働く人たちのランチどきの風景を
元気満点に伝えてくれます。
*
その回の舞台は、北海道の地元スーパー。
パート歴16年の順子さんは
78歳ながら
その活気ある働きぶりとほがらかな人柄で
「みんなのお母さん」と慕われています。
清掃が主な仕事ですが
ランチのまかないお味噌汁づくりを任されるほど
料理上手な順子さん。
同じスーパーで働く
食べっぷりのよい青年、静くんには
お弁当を作ってあげることもしばしばです。
うちの孫もこうやって社会に出てね
みんなに世話になってるんだろうと思ったらね
私が(自分の周りの)みんなに
なんかちょっとしてあげれば
その分ちゃんと
返ってきてるんだろうなあと思って
お弁当づくりの裏にある、恩返しの想い。
順子さんの声がやさしく耳に残りました。
*
その日のお弁当は
ロールキャベツ、干し柿と大根のマヨあえ、
マカロニサラダ、とまと、
魚のフライに卵焼き
それから
帆立と昆布の炊き込みおにぎりまで。
こちらがつばを飲んでしまうほど
美味しそうなメニュウです。
せっせと料理をこしらえる順子さんの
嬉しそうな横顔は、きっと
おいしそうに頬張ってくれる静くんの姿を
思ってのことでしょう。
ひとつのお弁当が、
孫と祖母ほど歳の離れたふたりを繋ぐ
やさしい結び目になっていて
見ていると
気持ちがやわらかくなるような、
心和む風景でした。
*
人と人との距離感が難しい世の中です。
離れていれば、傷つくことも無いからと
関わりを持つことに億劫になりがちですが、
近づくからこそ
人の持つあたたかさに触れることができます。
それに、歳が離れているからこそ
届けることができるもの、
素直に受け取ることができるものが
あるはずです。
決めつけず、怖がらず
歩み寄る一歩が
あたたかなおつきあいの糸口。
歳を重ねた時、
私も順子さんのように
若い世代の人に元気を届けてあげられるような、
そんな大人になれるかな、
なれていたらいいな。
エンディングの音楽が流れるなか、
将来の自分の姿を
想像してみたりしました。
(令和4年4月10日放送 NHK サラメシ)
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿