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月刊『抽象的な歩き方』

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様々なフリー切符や長旅に出た記録の置き場。
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2024年2月の記事一覧

ACT.76『フォトタイム』

ACT.76『フォトタイム』

駅で過ごす束の間

 石北本線を走り抜き、旭川で観光列車を撮影する為だけに待機している。
 特急/大雪は札幌に向かう特急列車・ライラックにカムイといった都市間接続の列車と連携を取っている。
 自分が乗車した大雪4号の場合だと、札幌方面への接続はライラック34号となる。16時30分に旭川を発車して、札幌には17時35分に到着する列車だ。この列車に乗車すれば、札幌での時間に大きく余裕が出来るだろう。

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ACT.75『かつての本線』

ACT.75『かつての本線』

夏空の下を

 列車は北見を発ち、留辺蘂に停車した。そしてまず、列車の転換点となる遠軽まで走り抜けていく。そしてその前に立ちはだかるのは常紋峠という厳しい難所だ。
 この峠を貫いて掘られたトンネルには犠牲者が多く発生し、工事関係者の犠牲を弔う慰霊碑も設置されているのだとか…
 北海道の鉄道を待ち受ける難所に立ち向かい、乗車中のキハ283系は遅延の原因と化した温度上昇の線路を踏み締め走っていく。

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ACT.74『再び、分岐点へ』

ACT.74『再び、分岐点へ』

列車待ちにて

 石北本線の線路温度上昇により、列車は正常な運用をできない状態でいた。
 乗車予定の特急•大雪4号も大幅な遅延となり、北見駅ではどんより重い空気が立ち込めていた。
 その中で…というのは、待合室のテレビを鑑賞したり(鑑賞というほどの内容でもなくニュースなのだが)、駅構内のセブンイレブンに向かったりと駅構内をぼんやり周回して暇つぶしをしていた。セブンイレブンではJR北海道土産に関して

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ACT.73『感情動転、歴史の先に…越えろ石北本線!』

ACT.73『感情動転、歴史の先に…越えろ石北本線!』

昭和への架け橋

 大正…の蒸気機関車というと、やはり令和最大のアニメ映画として現状のヒットを記録し、そして世界でも多くの高い評価を得たアニメ『鬼滅の刃』…劇場版より、無限列車編で登場した旅客用の蒸気機関車。8620形が浮かぶだろう。
 この機関車の活躍は、令和になった今。多くの国民と世界の人々に大きな人気を集め、
『無限列車』
の呼び名を集めた。大正・昭和・平成。そして令和の時代を踏んで今に至り

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ACT.72『北見の出会いより〜残り香に思う〜』

ACT.72『北見の出会いより〜残り香に思う〜』

北見市到着

 石北本線の特急列車、オホーツク号に乗車して北見に到着したのは昼にも近い11時を過ぎた段階であった。札幌を6時50分に出発し、旭川から長い道のりを経て、遠軽でスイッチバック。そしてその先、生田原での常紋越えに挑み、列車は北見に出てきた。
 自分が下車した時、北見は凛々とした夏晴れの空の下、快晴の天気であった。旅は既に後半に入っているのだが、その中でもこの北見で迎えた天気はここ1番の状

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ACT.71『更なる長い道』

ACT.71『更なる長い道』

旭川へ

 朝の普通列車に乗車し、のんびりと旭川駅に向かって進んでいく。既にH100形にも旅の案内人のような気持ちというか落ち着いた感覚が芽生え、安心感のようなものさえ同時に感じてくる。
 このまま麗かな日差しに身を委ね、30分程度で列車は旭川に到着する。今回は再び旭川に戻って…からの更に長い道を歩んで道東、北見市に向かい歩みを進めていく。何となしに、稚内まで既に行ったからなのか肩の荷が既に砂にな

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ACT.70『我が家のような』

ACT.70『我が家のような』

旭川への帰還

 夕方の時間。18時になろうとする時間帯に乗車したキハ261系『はまなす』編成での長い長い旅路を終了し、自分は富良野線ホームに向かっていた。
 ここから、富良野線の最終近い列車に乗車し、再び先日のライダーハウスよろしく(アレはそうなのだろうか)、同じ駅に向かう。
 予約している時点でも
「宿の最寄りが偶然とはいえ、同じ駅なのは奇跡だな」
なんて思いつつ、予約の電話を札幌市近郊で入れ

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