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驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女6
「あの時のシーシャ代、お礼がしたいから」
開花の春は近い。あと数か月もすれば、あの日に降った春驟雨の時節に向かうのだろう。
同じシーシャ屋で正面に座る“黒い服の女”。
攻撃性と厭世的な感情が入り交ざる瞳が、今日は怖い。
「呼び出されたってことは、分かったのね?」
目をそらして、返事と溜息代わりの白い煙を吐いた。
『巖頭之感』って知ってるかい?
明治時代、自殺したエリート学生が自殺現場に残
驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女5
「何か困ったら、困ったってちゃんと言え。大抵の場合、手に届く場所に神様がヒントをくれてる」
と、昔、私に言った奴は誰だったか。
うるせえ、馬鹿。とその時の私は返事をした気がする。
血管がブチ切れる程に願った願いから聞き届けてくれなかった、不在の神に願うなんてしたくなかった。
変な意地が出て来て数か月。埃が被ってきた調査資料を放置して、暫くした頃。
自分の趣味でふと手に取った本。その頁には首まで埋
驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女4
鶏についての調査が始まった。
ここまでくると祖父は完全オリジナルの儀式をやったのでは?と思うようになってくる。そういうケースも無い訳ではない。「なぜか体が勝手に●●を探して、●●をした」等の話も聞いた事はある。
自論ではあるが、その場合は儀式の解除不可、後片付けが極めて面倒であるケースが多い気がするのだが。
…長い。本当に時間だけ過ぎている感じは何なのか。
長めの夏が過ぎようとしている。秋の風
驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女3
「信じる者は救われる」なんて言葉は結果論。救われなかった者は、不平不満をまき散らして、適度に周囲の共感を得て、そのままフェードアウトしていくだけのこと。救われた者が言った言葉だから、世に残っただけのこと。この2つに、それ程大きな違いなんてない。
A県A市の調査が始まった。
私じゃない占い師が言う「土着の呪い」、信じさせてもらう。
A県は関東圏居住の私が気軽に行ける距離ではない。また、もうすでに祖
驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女2
頭に残る情報を、書き出せる限り書き出してみる。
放っておくと、流れてしまう。
私を動かしたのは、あの日、“黒い服の女”に感じた気持ち悪さか。それとも、自分の中にある好奇心という名の“バケモノ”か。
無理矢理に理由をつけるのなら、“黒い服の女”が流して寄越したモノが、理由もなく私の中で“気になって仕方ない”という事実だろう。
あの体の痛みは、春驟雨の数日後に落ち着いた。それでも話を整理し始めると
驟雨に流る1【相談No.01】黒い服の女1
今年はじめての春驟雨だった。
水の力技で道路が洗われて、端に溜まった砂が濁った水になって。その泥水に流されて、捨てられた煙草の吸殻が排水溝に詰まっていく。
この世の中も同じ様なモンだと思った。
自分が持っている仕事を後輩に放り投げ、自分の机の上だけ綺麗にする奴とか。
とにかく自分の前から消えてくれればそれでいい。消えた後は知らない。
では、流れてきたモノを受け取ることになった奴はどうなる?良いモノ
タロットカード解説【21 世界『The World』】
キーワード:この「完成・約束された成功・旅」の終わりは、貴女が望んだ結末でしたか?
【解説】月桂樹で作られた輪と、中央で踊る女性。四隅には四大元素を象徴する動物たちが取り囲んでいる。
『世界』は大アルカナの最後に当たるカードであることから、最も重要視する研究者も多く、他のカードに比べてもその解釈は研究者ごとに千差万別。「完全」「完璧」等、カードの中で一番大きく、強い意味合いを持つカードにも関わら
タロットカード解説【10 運命の輪『Wheel of Fortune』】
キーワード:誰もが皆、運命の輪の中。お前の為に回ってないし、気持ちに寄り添ってくれることはない。
【解説】車輪のような『運命の輪』が空に浮かんでいる。輪の周りには天使や鷲、牡牛、獅子が取り囲んでおり、其々「知力」や「勇気」、「波乱」、「復活」等を象徴している。くるくる回る『運命の輪』は、我々人間がどうこうできる事象を超越し、望んだモノも、望んでいないモノも関係なく運んできて、私たちに与えてくる。