【全文公開】新作短編集『我楽多だらけの宝箱』の「はじめに」を共有する
――「はじめに」には、目次が含まれおり、また、僕自らそれぞれの作品の読みどころを紹介した短文を掲載しているので、興味を持った作品から味わっていただければいいなというねらいがあります。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「新作短編集『我楽多だらけの宝箱』の『はじめに』を共有する」というテーマで話していこうと思います。
📚新作短編集が完成!!
大学卒業のタイミングで新しく本を出そうと思い、これまでに書いてきた作品を収録した短編集をつくることにしました。
その名も『我楽多だらけの宝箱』。
誰かにとってはガラクタかもしれないけれど、僕にとっては「面白い」や「楽しい」を綴った我楽多をたくさん詰め込んだ宝箱のような1冊をつくりたいという思いが込められています。
小学生の頃につくった作品から、つい先日書き上げた新作まで、僕の思い出を20作品収録しています。短編集とはいいつつも、詩、和歌、ショートショート……といった具合にいろんな種類の文芸作品が収録されているので、総合文芸集とでもいった方がいいかもしれません。
さて、その『我楽多だらけの宝箱』が一応完成したので、今日はその報告です。初書籍『Message』同様、Amazonで出版するのですが、現在審査にかけている状況で、少なくとも明日のうちにはそれが終わる見込みです。何か不備があっても、出版後でもデータを差し替えることはできるので、上手くやりくりするつもりです。
『Message』は認知を広める目的もあったので、たくさん手売りしたり、本屋さんに置かせてもらったりしていましたが、『我楽多だらけの宝箱』に関しては基本的にイベントで売り出すだけにしようかなと思っていて、仕入れるとき以外はAmazonでも販売停止にしますし、むやみやたらに手売りするのも控えるつもりです。今度僕が開催する「BOOK TALK LIVE “桃太郎”」や、5月に開催される文学フリマ東京など売り場を限定することで価値を高めてみようかなと思います。
所詮「がらくた」なので、届け方も工夫しないとなあと思い、出た結論がこれでした。これに関してはまた別の機会で話すとして、今回は『我楽多だらけの宝箱』の「はじめに」を全文公開しようと思います。
「はじめに」には、目次が含まれおり、また、僕自らそれぞれの作品の読みどころを紹介した短文を掲載しているので、興味を持った作品から味わっていただければいいなというねらいがあります。
本で楽しみたいという方は、是非、今後開催する僕のイベントにお越しください(笑) イベント情報等は必ずnoteで共有していきますので、フォローをしてお待ちいただければと思います。
📚「はじめに」を全文公開!!
はじめに
ガラクタなんて人に見せるものじゃないけれど、我楽多ならば。
好奇心に駆られて夢中で綴った物語ならば、怖いもの見たさでページをめくる人がいるはず。
そんな思いから、この短編集が生まれました。
僕の過去から寄せ集めた我楽多を、ひとつずつ丁寧に詰めていった宝箱のような本です。
短編集と紹介しましたが、小説、童話、詩、短歌、エッセイ……といった具合に、あらゆる種類の文芸作品が収録されているがため、総合文芸集とでもいうべきかもしれませんね。
ここには全部で二十の作品が収録されています。基本的にはどの作品から読んでいただいても、どんな順番で読んでいってもらっても構わないのですが、二十も作品があると、そして、様々な種類の文芸作品があると、どれから読み始めようか迷われるかもしれません。
そこで、著者自らそれぞれの作品の案内をしていくことにしました。
このページをめくれば、目次がございますが、その後に各作品の読みどころや魅力についてネタバレをせずに簡単に紹介していきます。もちろん前情報なしに作品を楽しみたいという方は、読み飛ばしていただいて構いません。目次で気になったタイトルの作品から読み進めてください。
「ミント」 青春詩小説
――いつもと変わらないはずの帰り道に、いつもと違う何かを感じる。
とある初夏の学校からの帰り道、男子中学生が違和感を覚えます。遠まわりをしたり、水たまりを踏みつけたり、何故か嫌いなはずのガムを噛んでいたり……思春期の日常のなかにある小さな非日常を描いた青春物語です。
「初めましての恋」 青春ミステリー小説
――いつか終わるって分かってるけど、それでも始めるの?
中学校の入学式の日、新入生の花岡恋が第二ボタンのない制服を着た男子生徒の謎に迫ります。初めましての場所で初めましての感情に揺れ動く中学生たちを描いた、桜色の青春ミステリー小説です。
「踏切」 青春小説
――あなた、痴漢しましたよね?
春の日、とある高校の生徒会長に痴漢の容疑がかけられました。本人は容疑を否定していますが、被害者の女子高生は引き下がることなく……。痴漢の現場に居合わせたふたりの高校生の男女が、「性」をみつめる青春小説です。
「夏の果の輪唱」 青春純愛小説
――突然、蝉の鳴き声が大きくなった気がした。
夏休みの終わり、高校生の「僕」は堕落した生活をしていました。畳の上で寝そべりながら思いをはせている相手は、今は近くにいない「すず」のこと......。夏の静けさに優しい音色が響く、青春純愛小説です。
「まくら発きみ行列車」 短歌
――まくら発きみ行列車今夜も発車
意外かもしれませんが、短歌をつくったのは今回が初めてです。まだ不勉強な部分はありますが、僕が良いと思う歌をいくつかつくることができました。僕が人生や世界をどうトリミングしたのか、のぞいてみてください。
「Life Goes On」 詩
――汚くていいから、生きていたい。
小学二年生の頃に書いた「パレード」「くもにのって」「ときのはじまり」、中身が一文字だけの「片思い」、人生の夜に頭のなかにあった言葉を思いつくままに書き殴った「Life Goes On」を収録。
「君はマスクを取らない」 うた
――言葉の花を最後に贈らせて
詩のような、歌詞のような、うた。失恋後の未練を描く「絶対」、変わりゆく時代のなかで自分のなかにある大切なものを守り続ける意義をうたった「君はマスクを取らない」など、五つのうたを収録しました。
「地球転がし」 ショートショート
――「ホシコロガシ」という宇宙虫がいました。
宇宙に浮かぶ無数の星を転がす「ホシコロガシ」が登場する「地球転がし」、突然鏡に映った女性から話しかけられる「しゃべる鏡」、月に住む時計修理屋の仕事を描く「よみがえる時計」など、一分で読めるショートショートを収録しました。
「さくら姫」 児童文学
――私の仕事は、未練の花びらを散らすこと。
さくら村の崖の上に生える世界一大きな桜の樹は、ひとりの女性サクラの仕事場でした。村に新しく引っ越しきた少年ケイが、さくら姫とのかかわりを通して、命と向き合っていく児童文学です。
「桃太郎」 児童文学
――これからもずっと一緒だ。生き合っていこう。
桃の里に生まれた桃太郎は、鬼ごっこのさなか森に迷いこみ、キコという少女と出逢います。しかし、キコの頭には二本の角が生えていて……。従来の勧善懲悪の物語ではなく、今の時代に求められる多様性と共生の「桃太郎」です。
「雨の島のコロナ」 児童文学
――命よりも大切なものはない。
雨の島に毎日雨が降るのは、青い龍のせいでした。弓つかいのフレアが負傷したことを機に、その娘のコロナが後を継ぐことになり、青い龍を倒しに向かいますが……。防災をテーマにした児童文学です。
「月になれないクラゲたち」 児童文学
――ボクも光りたいんだ。みんなに光を届けたいんだ。
クラゲのジェリーが海の向こうを目指して泳いでいると、ウミガメのケロニオが話しかけてきました。月になりたいジェリーの夢にひたむきな姿勢を描いた児童文学。
「Birthday」 青春純愛私小説
――俺と友人は同じ女子を好きになっていた
大好きな「彼女」の誕生日、「俺」はプレゼントと一緒に恋心を手渡すことに。しかし、「彼女」には別に好きな人がいて、恋が実ることはありませんでした。しかし、それから三年が経ち……。誕生日を舞台に、ありふれた中学生の初恋を描いた私小説です。
「僕が初めて、明日は学校に行きたくないと思った日。」 青春私小説
――青春の光と影を同時に味わった一日だった。
高校一年生の初夏、学校が大好きだった「僕」が初めて、明日は学校に行きたくないと思った日がありました。迷い苦しんだ果て、「僕」に神様が下した審判は……。友情と恋心とアイデンティティに揺らぐ青年を描いた青春私小説です。
「未来計画」 青春私小説
――今回の僕の作品は、この「まえがき」をもって終わりです。
高校二年のとき、所属していた文芸部の部誌に最後に寄稿したのは、「まえがき」しかない作品でした。僕の未来こそが本編の物語であるため、「まえがき」しか書けなかったのです。高校時代までの自分を振り返る青春私小説です。
「何もないから青い空」 ホームルームだより
――永遠に廻るものと思っていた高校生活が、気付けばカウントダウンを刻んでいる
毎年年度末になると学校が「校友」という冊子をつくり、そこにはクラスや部活動の紹介文が掲載されていたのですが、これは高校三年のときに僕が寄稿した、僕のクラスの紹介文です。受験勉強ばかりの日々だったけれど、最後の一年も僕の青春でした。
「人生で二度目に、明日は学校に行きたくないと思った日。」 青春私小説
――コロナによって新しい生活様式が謡われたように、新しい距離感の生活が始まるだけだ。
「明日は学校に生きたくないと思った日」シリーズ第二弾です(笑) 大学一年の秋ごろ、YouTubeの毎日投稿に疲弊していた「僕」が、「君」との付き合いをおやすみして、新しい日々へと踏み出す決意の物語です。
「美しき読点」 ブログエッセイ
――生きるとは、読点を打ち続けること。
大学三年の終わり頃、僕は「はちとご」に出逢いました。シェアハウスではありつつ、「住み開き」という活動をしているので、日々いろんな人がやってくる場所なんです。そんなはちとごが当時の物件からお引越ししたんです。これは、そのタイミングに書いたnoteの記事です。
「Merry Christmas And I Love You.」 エッセイ
――クリスマスを過ぎてもなお、びっくり箱のような展開が待っていた。
初めてのブックサンタ、食べきれないホールケーキ、ゼミのみんなと食べた年越しそば、「君」からの最後のプレゼント……。奇跡と愛と幸せの三色で彩られた、学生最後のクリスマスの出来事を綴ったエッセイです。
「大学」 手紙体自己啓発書
――大学生になる君へ
大学卒業を間近に控えた「僕」が、四年前の高校卒業前の自分に対して書く手紙です。愛に満ちた関係と向き合う「水」、真の学びを明らかにする「教育」、生きる目的を説く「黎明」、作家を再定義する「作家」など、大学四年間で得た十の知見を綴りました。
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