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歌、物語、街に人──。あらゆるモノゴトから受けた感動(Inspired)を、”中山かず葉”の視点で紡いだ作品集。”あなた”の視点が1mmでも柔らかくあたたかい方に変わることを祈っ…
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#エッセイ

【エッセイの書き方に悩むあなたへ】│これもあれも、どれも私なりのエッセイ。

【エッセイの書き方に悩むあなたへ】│これもあれも、どれも私なりのエッセイ。

随筆を、ポストした。
文末には「#エッセイ」のタグもつけて。



note更新のお知らせ以外に、兼ねてから苦手意識がある「考え感じていることの自己開示」の練習をするためにもXを利用している。

それらに加え、最近は詩や短歌を書いたり作ったデザインを添付したりと「作品を発表する場」として選ぶことも多い。

この部分をふくらませたら後々エッセイにできるかも、という下心もなくはない。

それでも、私

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"I saw the moon"

"I saw the moon"

月を、見ていた。

煌々と輝き満ちている。
今回は二度目の山羊座満月だという。

「月が綺麗だよ」という友の声に合わせ、数人で夜空を見上げてそんな話を昨日もしていた。

他者から見て小さかろうが、粗末だろうが、こうした穏やかで大切な時間を私は「幸福」と呼ぶ。

それなのに今日はどこか物悲しい。

「寂しい」という感情が全身を埋めつくしているみたいだ。

それもきっと満月のせいなんだと思う。

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あなたに伝えたいことを、これからも

あなたに伝えたいことを、これからも

頭と右手の意思疎通ができずにいる。

取り留めのない思考が、まるで濃霧にのまれているかのように「書き記す」行為を遮断して行く手を阻む。

私にとって「感じること」は、すなわち生きること、だった。

だったはずなのに、ちょっとした不調がキッカケで鈍る感受性相手に、今はただ一抹の「やりきれなさ」と「無」しか抱けずにいる。

──寂しいやら、悔しいやら。



あなたに伝えたいことは山ほどあって、それ

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【プロフィール】自己紹介が苦手な私のセルフポートレイト

【プロフィール】自己紹介が苦手な私のセルフポートレイト

「自己紹介が苦手です」が私の常套句になったのは、一体いつからだろう。

学生時代から現在にいたるまで、
いざ自分のことを話そうとするとモゴモゴと口ごもって相手にうまく伝えられない。

それは文面に置き換えても同じで、
メモ帳にはスラスラと構成を作れるものの、いざエディタを開くとピタリと手が止まってしまうのが常だった。

それでも、ひとは書き手の”生き方”や”人となり”を知りたいものだと思うから。

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【202310(14)+X】 ”おとな”の居場所

【202310(14)+X】 ”おとな”の居場所

そう、マスターは言っていた。

話の脈略をたどると、それは友人に向けて放たれた文言だったのだけれど、そのフレーズはじんわり、ぽつーんと、たしかに私の胸にも光をともしてくれたのだった。

たったひと晩のできごとが、
今でも忘れられない。



▼ 1軒目
「おっす~!」

1年弱会っていないことがまるでウソみたいに、親友との再会はいつもどうりの軽やかな挨拶ではじまった。

進学・就職のために若くし

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今、この瞬間も”人生”だ──『今日の人生』益田ミリ

今、この瞬間も”人生”だ──『今日の人生』益田ミリ

ぼぉっとした状態で本を選ぶとき、やっぱり知っている名前の方に自然と視線が向かう。

益田ミリさんの『今日の人生』という本を手に取って、そんなことを考えていた。

それもまた、私の今日の人生。



普段、何気なく過ごしている私たちは気にも留めていないけれど、”私”が過ごした時間は私だけのものだ。

なーんのこっちゃ、と思う気持ちも分かる。

だって、私もこの本を読むまでは本気でなーんのこっちゃ、

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「あなたのように」が私をつよくする─鷺沢萠『眼鏡越しの空』

「あなたのように」が私をつよくする─鷺沢萠『眼鏡越しの空』

「あぁッ!」

図書館で『ビューティフル・ネーム』という小説を見つけたとき、もっといえば『眼鏡越しの空』という文字が目に入ったときに、つい小さく叫んでしまった。

大好きな歌と作家が一堂に会した瞬間、私は主人公である奈蘭と同様に「運命」を感じずにはいられなかったのだ。



初めて『眼鏡越しの空』を聴いたのは、14歳の頃だった。『ドォーモ』という九州の深夜番組で当時のエンディング曲に使用されてい

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シティーとローカルを繋ぐ3分間のラブストーリー

シティーとローカルを繋ぐ3分間のラブストーリー

魅力的な楽曲を初めて聴いた衝撃は、恋に落ちた瞬間とどこか似ている。

『丸ノ内サディスティック』『ラブ・スコール』『水の星へ愛をこめて』『Flashdance…What A Feeling』『All the Young Dudes』『Take Five』……。

そう、見ての通り私は惚れっぽい。

素敵な殿方とデートを重ねるよりも、気に入った曲をリピートして聴く回数の方がはるかに多い。音楽とは常に

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誕生日には、私なりの花束を

誕生日には、私なりの花束を

「この人に出逢えてよかった」

心底そう思える人と生涯でどれくらい出逢えるのだろうか。時々、そんなことを考える。

私、といえば、「あの時、この人と出逢えて本当に良かった」と全身で感じられる方々と巡り合えた経験が多い方だと思う。

恩師や友人ら実際に会える面々はもちろん、大好きな作家さんや役者さん、はたまた楽曲や作品など形を超えて「出逢えて良かった」対象に常々心充たされている。

そして、私はこう

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心の中に、ダイアモンドを。

心の中に、ダイアモンドを。

「かっこいい」という単語を、これまで
どれくらい口にしてきただろうか。

それは時に「かっけぇ!」「格好いい」
「うわー!何じゃこれー!」といった姿に
カタチを変えて、幾度となく使用してきた。
数える方が難しいんじゃないかとさえ思う。

私はこの「かっこいい」という言葉が口から
発せられる少し前の、魂が震える瞬間
というものがたまらなく好きです。

目が釘付けになる、という表現がありますが
心を、

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好きなものは好きと。

好きなものは好きと。

たとえば、強烈に何かを好きになったとき。

「あ、これ好き」「これいいじゃん!」
と、感覚的に言葉が降ってきたり、

「これの○○で△△なところが好き」
理論的に好きな部分を発見したり。

100人いれば100通りの答えがあるはずだし、
「この好き!を誰かに伝えたい欲」なるもの
が湧くのも、自然なことのように思います。

SNSやブログを通して「推しへの愛」を綴る
ファンの投稿を目にする機会もグッ

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live on

live on

数字というものが、
どうやら私は苦手らしい。

数学はおろか算数の時点で苦手というより
大嫌いのレベルに達していたけれど、
四則演算とかそういう類の数字ではなくて
「何かに付属する数字」というものに、
強烈な苦手意識を抱き続けている。

特に「年齢」はそれを顕著に表していて、
誰かが何気なく使った言葉に敏感に心が
反応してしまう。

──といっても、巷でよく使われる
「私もう○○歳だから……」とい

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