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あなたに伝えたいことを、これからも

頭と右手の意思疎通ができずにいる。

取り留めのない思考が、まるで濃霧にのまれているかのように「書き記す」行為を遮断して行く手を阻む。

私にとって「感じること」は、すなわち生きること、だった。

だったはずなのに、ちょっとした不調がキッカケで鈍る感受性相手に、今はただ一抹の「やりきれなさ」と「無」しか抱けずにいる。

──寂しいやら、悔しいやら。



あなたに伝えたいことは山ほどあって、それなのに伝えられないことにも、やっぱり理由があって。

技量不足、なんて言えたら格好良いのかもしれないけれど、結局のところ原因は私の「ズルさ」にあるんだと思う。

基本、私は「心が動いた瞬間」にしか筆を取れない。

感情や祈りをのせて書くことが私なりの美学だったから。そうでないときに書く文章は、きまって薄っぺらいことしか記せていない。

「こんなんウソじゃん」と自分で思ったものは、自ずと読み手側にも伝わってしまう。

これが、しばらくの間長い文章(エッセイ)が書けずにいた理由。

何も感じられないまま、感じる心が鈍ったまま「仕事道具」と呼んでいるネタ帳を開いても、本当のことは何も書けなかった。



実のところ、こうした生々しい文章は書いてはいけない、とずっと思っていた。

この思いが屈強すぎて、言葉を、エッセイを紡げない日々が長らく続いてしまっていたのだ。

「誰かを傷つけてはいけない」と注意を払うことは大前提として大切なこと。

だが、だからといってこの世界は綺麗で美しい文章もとい、感情だけが占めている訳では決してない。

自分の感じることにウソをつかず、沢山の「伝えたいこと」を少しづつあなたに伝えていけたらいい。

手にした筆がたとえ重く、書き辛く、文字を運ぶスピードすらも遅かったとしても、私はこれからも持ち続けよう。

あなたに想いを届けるために。




▷Inspired by……

「書き続けてね」と言ってくれる方がいた。それもひとりじゃなくって、何人も。

書くことを辞めようと思ったことはないけれど、思うように書けない日々が続いて苦しくて。

このエッセイだって完全ではないけれど、あの日、あなたたちから貰った素晴らしい宝のような言葉にささやかなお礼をしたくて嘘偽りない本心をエッセイに綴りました。

今度会ったときに感想聞かせてね。


2024-05-12 中山かず葉





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