マガジンのカバー画像

なぜ悲劇は繰り返されるのか?

46
運営しているクリエイター

記事一覧

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第13章:社会が教えられること ③

 ただ、この決断にもこれまで関わってきた人たちの考え方が反映されているケースや自分で経験したことに対して自分が出した答えが反映されているケースなど子どもによって考え方の方向性や主軸となる意思表示は大きく異なっているし、この決断の背景を探るためには本人がどのような決断をしているのかを知る事が大切だと思う。

 今はこれらの基準が曖昧になってしまっており、なかなか共通基準を明示することは難しく、仮に共

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第13章:社会が教えられること ②

これらの“体験・経験”が子供たちの相互理解と他者尊重の精神を育む事に繋がると私は思っているが、今は多様な価値観を持っている家庭があり、そのような人に対する理解が進まないことや家族などの交流経験がないため、むやみに教えるのではなく、周囲と足並みを揃えさせないと子どもに辛い思いをさせてしまうのではという恐怖心や“自分が教えた事が間違っていないか?”という不安などが学ぶ機会を奪ってしまう懸念がある。

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第13章:社会が教えられること ①

今の社会において“ルール”という名の守らなくてはいけない決まり事がたくさんあり、そのルールが時に他責思考や責任転嫁など起きてはいけない方向に作用してしまうこともあり得るのだ。

 まず、幼少期におけるこれらの発生傾向を見てみたい。

 今は子供が生まれると1歳~2歳までは自分から人を責めることは皆無に等しい。

 しかし、3歳以降になると周囲の状況が理解出来るようになるだけではなく、自分で個別の価

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑧-1

特に、塾に通っている子の場合は学校の授業は塾で習っている事の復習になる事も多いため、新しい解法や発見が出来るため、そこまでストレスには感じないが、内容が簡単すぎてしまうと今度はもっと難しい問題をやりたくなり、参考書や市販のテキストなどの問題を解きたくなることもあるという。

 その背景には“受験のための生活習慣”が影響していると考えている。

 今は受験をする子供たちは1日のスケジュールを立てて生

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑧

例えば、12歳の壁は社会的には公共施設などの料金が区切られる最小値と最大値になっている場合が増えていき、大人と同じ扱いをされることもある。また、生活面では身長や体重など個々の身体の変化が顕著になり、体格差など個人の成長曲線に差が出てくる時期でもある。

 そうなると、起きやすいのが“責任の押し付け合い”だ。特にこの年齢になると上に立つことに対して積極的になる子とそうでない子が存在することになるため

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑦

私自身、小学生の頃から人間関係や上下関係に関してはかなり厳しい環境で育ったこともあり、外では厳格に守ったが、校内ではそういう事はあまりしなかった。

 その理由としていくつかあるが、第1に“上下関係を作っても大丈夫だと思える子がいなかった”ということだ。

 そもそも、小学校というのは6歳から12歳という幅広い年齢の子供たちが同じ校舎で学んでいること、縦割り班など集団で行動を共にすることが多いため

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑥

その背景にあるのが、“本人が生まれ育った環境”に加え“身近にある問題の深刻度”が挙げられる。

これらの共通項として“社会的に認められていない事を社会に認めさせるには他者に責任を転嫁し、そのネガティブなイメージを持って、自分たちの正当性を主張する”という自分たちの主張を通すために社会的他責思考を用いて、相手を攻撃し、自分の意見を押し通すためには手段を選ばないという見方が正しいと思う。

これは、こ

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑤

この状況を変えるためにも何が必要かを考えていく必要がある。

 まず1つが“個々の考え方を個別見解として分析し、個別見解の不足点を周囲からの意見と総合させ、総合見解とする教育”だ。

 この教育を導入したいと思った理由が“社会における多様性と相互理解促進のために必要な知識を蓄え、双方の責任の所在を探るのではなく、自分ができることを伸ばしていくことの大切さを学ぶ”というこれまでの教育とは異なった視点

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③-1

このように環境の変化が子供の心理を変えてしまうことや今まで経験したことがない事が起きることで子供によっては“○○さんなら反抗したり、言い負けたりしないな”という心理が芽生えることでいじめのきっかけに繋がっている場合もある。

 そして、現代においては子供たちの置かれている環境や交友関係などで将来の子供たちの価値観が決まってしまう事もある。

 特に、特定の事柄に対する価値観は幼少期から教えていかな

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③

 その結果、先生はカリキュラムに基づいて授業を進めているだけなのだが、親御さんから見ると“先生が子供をいじめているのではないか?”という子供を守りたいという親心から感じた視点も十分に考えられる。

 今は多様性を重視しているため、どのような状況になっても本人を尊重する事が増えているが、人によっては“そういう人がいるから私たちのイメージが変わってしまう”や“あなたのせいでクラス成績のイメージが悪くな

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ②

 ではなぜ、このように社会的価値観が大きく変化し始めているのか?

 その理由として、第1に親世代(20代から40代前後)の受けてきた教育や親から子に教えられた教養に基づいて、自分の子供たちに教えている事が考えられる。

 例えば、“学校でいじめを受けたときには必ず先生に言うこと”や“嫌な事をされたときは嫌といいなさい”など自分がされている事に対して自分が嫌だと思ったときは迷わずに先生などに相談す

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ①

現在の日本において最も難しいとされているのが“教育現場における有事対応の際の指導法”だ。

現在は教師など教える立場の人と、児童・生徒の立場が逆転していることもあり、仮に教師などの教える人の立場が上であったとしても、実情把握をする際には児童・生徒や保護者のほうの意見を重視される事も多いため、事実無根の可能性やえん罪などが増えていく可能性もある。

 これらの代表例として“学校”や“園”などの教育機

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑧

 そして、現在は以前のように“この年齢でこういうことが起こる可能性がある”という想定されている判断基準が外れることも多くなっているため、臨機応変な対応と柔軟な考え方が求められる事になるのだが、個人差を考慮しながらの指導になるため、なかなか子供たちが見ている部分と大人が見ている部分のズレが深刻化していってしまう可能性も想定しながら子供たちとコミュニケーションを取っていかないといけない。

 しかしな

もっとみる

なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑦

なぜ、人は自分で責任を負うのではなく、人に責任を押しつけるのだろうか?

 考えられる要因として第1に“連鎖的個別基準習得”が挙げられる。

 これは大人から子供が言葉や行動を教えてもらい、それを真似することで使えるようになるという“行動心理学”と同じ原理だが、違うのは親の価値観を最初に覚えることで知っていることと親以外の大人から新たに知る事がお互いに合わさって徐々に価値観を形成し、1つの答えを導

もっとみる