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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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2023年5月の記事一覧

水木しげる ゲゲゲの大放談 (水木 しげる)

水木しげる ゲゲゲの大放談 (水木 しげる)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 いつも行く図書館に、昨年(注:2015年)にお亡くなりになった水木しげるさんを偲ぶ書棚がありました。その中で気になった本。ちょっと前に初期の漫画「墓場の鬼太郎」は何冊か読んでみたのですが、これは、水木さん所縁の方々との対談集です。

 最初に登場する対談相手は “ゲゲゲの女房” 武良布枝さん、水木しげるさんの奥様です。

 その奥様が語る水

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昭和の教科書とこんなに違う 驚きの日本史講座 (河合 敦)

昭和の教科書とこんなに違う 驚きの日本史講座 (河合 敦)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 「富本銭」って何?、数年前(注:当時)の娘たちの受験期に初めて目に入ったのですが・・・、私が中高生のころ、日本最古の貨幣といえば疑いもなく「和同開珎」でした。

 本書では、近年の日本史研究によって明らかにされた過去の教科書の記述を覆す数々の史実が紹介されています。
 近年の研究成果といっても、それは、X線写真や放射性炭素年代測定といった科

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どんぐり (オノ・ヨーコ)

どんぐり (オノ・ヨーコ)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 いつも行っている図書館の新着書の棚で目についたので手に取ってみました。
 だいぶ前に「グレープフルーツ・ジュース」は読んでいるので、オノ・ヨーコさんの詩集は2冊目になります。

 見開きで、左に短い「詩」、右に点描の「絵」という構成。
 心に残ったフレーズを2・3、書き留めておきます。

 「想像する」「考える」といった自分の頭の中にイメー

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臨済録 (入矢 義高)

臨済録 (入矢 義高)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 中国唐の禅僧で臨済宗の開祖臨済義玄の言行を弟子慧然が記したものです。
 “語録”の中でも一定の評価を受けているものということで手に取ってみました。

 “語録”といっても「仏の教え」をベースにしたものですから、私のように最低限の仏教・禅宗の基礎的な素養すらない人間が読んでもやはり全く理解できませんでしたね。

 たとえば、“棒と喝のどちらが

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呼吸で心を整える (倉橋 竜哉)

呼吸で心を整える (倉橋 竜哉)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 もう一冊、レビュープラス(当時)というブックレビューサイトから献本していただいたので読んでみました。

 この本も、こういうきっかけでもないと手に取ることはなかったでしょう。自分の興味・関心から言えば守備範囲外のジャンルですから。

 さて、このHow To本で著者が紹介する「呼吸法」は以下の5種類。

 この中では、“前向きな「ため息」”

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もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか? Vol.1 (ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所)

もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか? Vol.1 (ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 レビュープラス(当時)というブックレビューサイトから献本していただいたので読んでみたものです。

 「あなたが●●の責任者ならばどうするか?」という質問形式で、実存組織の課題解決を考えるケーストレーニング本です。
 本書で取り上げられているのは、8つの組織です。
「The Coca-Cola Company」「ローソン」「NTT」「UBER

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新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (北野 武)

新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (北野 武)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 話題の本ですね。
 著者はあの北野武氏ですから、いろいろな意味で大いに期待しつつ手にとってみました。でも、かなり予想していたものとは違っていましたね。

 テーマは “道徳”。
 まずは、昨今の小学校での「道徳教育」が俎板に載せられます。

 道徳の授業が、こういった人としての行為を「理屈」や「損得勘定」で教えられるようになると、教える側に

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99.996%はスルー 進化と脳の情報学 (竹内 薫 / 丸山 篤史)

99.996%はスルー 進化と脳の情報学 (竹内 薫 / 丸山 篤史)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 久しぶりの「脳」をテーマにした本であり、また、久しぶりの竹内薫氏の著作です。それらしい興味を惹くタイトルでもあります。

 そのタイトルにある「スルー」ですが、著者はその定義を以下のように規定します。

 つまり「スルー」というのは “情報に対する態度” なので、その態度は情報の重要性や必要性によっていくつかの段階(レベル)が生じます。
 

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丘の上の綺羅星 (嘉門 達夫)

丘の上の綺羅星 (嘉門 達夫)

(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)

 通勤の行き帰りで聞いているPodcastの番組で取り上げられていたので興味を持った本です。
 著者は、シンガーソングライターの嘉門達夫さん。ラジオ番組「ヤングタウン(ヤンタン))」が舞台だと聞くと読まないわけにはいきません。

 MBS毎日放送の「ヤングタウン」は、TBSの「パックインミュージック」、文化放送の「セイ!ヤング」と並んで、私の

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この方法で生きのびよ!― 沈む船から脱出できる5つのルール (鈴木 博毅)

この方法で生きのびよ!― 沈む船から脱出できる5つのルール (鈴木 博毅)

(注:本稿は、2015年に初投稿したものの再録です)

 レビュープラス(当時)というブックレビューサイトから献本していただいたので読んでみました。

 社会の変化に対応して企業として生き残るための方法を説いた内容ですから、そのテーマはビジネス書としては山ほど語られているものです。

 まず、著者は、パラダイムシフトの原因を、航行している船に向かってくる「5つの恐ろしい氷山」に例えています。

 

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科学者は戦争で何をしたか (益川 敏英)

科学者は戦争で何をしたか (益川 敏英)

(注:本稿は、2015年に初投稿したものの再録です)

 著者の益川敏英氏は、2008年ノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者です。
 受賞時のインタビューに対するコメントを聞いたときからちょっと気になっていた方でしたが、この著作も大変興味いものです。

 取り上げているテーマの流れで極めて政治的なイシューにも言及していますが、そこには「科学者」であると同時に「市民(人)」としての立場からの氏の考

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運は創るもの-私の履歴書 (似鳥 昭雄)

運は創るもの-私の履歴書 (似鳥 昭雄)

(注:本稿は、2015年に初投稿したものの再録です)

 以前から気になっていた「ニトリ」社長似鳥昭雄氏の「私の履歴書」が出版されたということで早速手に取ってみました。

 いきなりですが、前書きで紹介された「奥様のことば」がとても印象的です。

 本書を読み進めると、まさにこの言葉どおりなのです。
 似鳥氏の幼いころの暮らしぶりや若き日の仕事ぶりは型破りでかなりセンセーショナルです。この刺激的な

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河合隼雄自伝:未来への記憶 (河合 隼雄)

河合隼雄自伝:未来への記憶 (河合 隼雄)

(注:本稿は、2015年に初投稿したものの再録です)

 いつも行っている図書館の返却棚で目についたので手に取ってみました。

 文字どおり、日本を代表する心理学者河合隼雄氏の自伝です。

 本書では、丹波篠山での幼年時代から壮年期臨床心理学でその地歩を築くまでの河合氏の半生が、語り言葉そのままの軽やかな筆致で綴られています。
 そこで紹介されている数々のエピソードは、過度な装飾もなく、そのままの

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インターネット的 (糸井 重里)

インターネット的 (糸井 重里)

(注:本稿は、2015年に初投稿したものの再録です)

 図書館の返却棚で目に止まったので手に取った本です。

 著者は、あの糸井重里氏、元の著作は2001年の出版、もう10年(注:今(2023年)からだと20年)以上前のものです。
 2001年といえばインターネットの急拡大からそのバブルが弾けようとしていた時期ですが、その頃、糸井氏は「インターネットの世界」をどう捉えていたのか、その後をどう見通

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