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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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記事一覧

ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (堤 未果)

ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (堤 未果)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 堤未果さんの著作は、かなり以前に「ルポ 貧困大国アメリカ」を読んだことがあります。

 本書は、通勤途上の書店でも平積みされていて、テーマも今日的で身近なものだったので気になっていました。
 予想どおり興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特にこれはといった部分を

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黒石 新宿鮫Ⅻ (大沢 在昌)

黒石 新宿鮫Ⅻ (大沢 在昌)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の大沢在昌さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 大沢さんの「新宿鮫シリーズ」は第一作目から読み続けています。
 最初の頃のインパクトは強烈でしたね。主人公の個性的なキャラクタに加え、脇で登場する人々が魅力的で大いに楽しめました。
 ただ、やはり本シリーズも例外では

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津和野殺人事件 (内田 康夫)

津和野殺人事件 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “浅見光彦シリーズ” の制覇にトライしてみようと思い始ました。

 この作品は

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枝雀らくごの舞台裏 (小佐田 定雄)

枝雀らくごの舞台裏 (小佐田 定雄)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に、同じ小佐田定雄さんによる「米朝らくごの舞台裏」を読んだのですが、さすがに落語作家だけあって噺の機微にも精通しているうえに、米朝師匠とも親しかった小佐田さんの解説はとても興味深いものがありました。

 ということで、今度は私の大好きな噺家さん「二代目桂枝雀」師匠をとりあげた著作を読んでみたということです。

 こちらの本でも、

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昭和史の人間学 (半藤 一利)

昭和史の人間学 (半藤 一利)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 会社の近くにある図書館の新着書の棚で目についた本です。

 著者の半藤一利さんは私の好きな作家のひとりで、今までも「戦争というもの」「日本のいちばん長い夏」 「昭和史をどう生きたか」等をはじめとして何冊か読んでいます。

 本書は、半藤さんの共著も含めれば100冊近い著作の中から “昭和史を彩る人物” を評したくだりを採録したもので、登場

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高峰譲吉文集 いかにして発明国民となるべきか (鈴木 淳(編))

高峰譲吉文集 いかにして発明国民となるべきか (鈴木 淳(編))

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 高峰譲吉氏は、嘉永7年(1854年)生まれで、明治~大正期に活躍した化学者、実業家です。タカジアスターゼ、アドレナリンを発見したことで有名ですね。

 本書は、その高峰氏が自らの半生を振り返りつつ、研究・起業等への情熱を綴った文集です。
 研究者として、実業家としてアグレッシブに活躍

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10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」 (森山 至貴)

10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」 (森山 至貴)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の森山至貴さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 そこでのやりとりを聴いて、最近のジェンダーや●●ハラスメントに関する社会的問題を考えるにあたっての基礎的な知識を改めて確認できそうだったので、早速読んでみたというわけです。

 本書で紹介されている “問題のある言葉

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デマ・陰謀論・カルト (物江 潤)

デマ・陰謀論・カルト (物江 潤)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の物江潤さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 最近のネット社会で流布している情報は間違いなく “玉石混交” ですが、その中には「いくら何でもそんなことはあり得ないでしょう」といった類の信じ難い内容のものも流通しています。
 本書は、物江さんによるそういった「妄説」

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破門 (黒川 博行)

破門 (黒川 博行)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 このところ気分転換に読んでいる娯楽系の小説は、シリーズ読破にチャレンジしている内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” に偏っているので、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。

 手始めに、これまた今まで意識的に避けていた「有名な文学賞」を受賞した作品から当たろうと考えて本作品を

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磯崎新の「都庁」― 戦後日本最大のコンペ (平松 剛)

磯崎新の「都庁」― 戦後日本最大のコンペ (平松 剛)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 知人のSNSで紹介されていたので気になった本です。

 磯崎新さんについては著名な建築家という程度しか知りませんが、昨年(2022年)暮に訃報が流れ、改めてその人となりの一端なりともたどってみようと思いました。

 本書は、現都庁建築時のコンペの場を舞台に、磯崎さんの魅力的な人物像と彼を取り巻く様々な人たちとの営みの様を描き出しています。

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超圧縮 地球生物全史 (ヘンリー・ジー)

超圧縮 地球生物全史 (ヘンリー・ジー)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 タイトルをひと目見て予約したのですが、長大な時間軸の中からどんなエピソードをピックアップするのかとても興味が湧きますね。

 紹介されている多彩なトピックや解説の中から、特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。

 科学的な推論の結果です。想像できる未来ですが、

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飛び立つ季節 :旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

飛び立つ季節 :旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 沢木耕太郎さんと言って思い浮かべる代表作は「深夜特急」ですが、本書は、日本国内の旅でのエピソードを綴ったエッセイです。肩ひじ張らずにページをめくってみようと読み始めました。

 沢木さんの “旅の原点” は、16歳の時の東北一周の一人旅とのこと。
 出発の地「上野駅のホーム」

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赤い雲伝説殺人事件 (内田 康夫)

赤い雲伝説殺人事件 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “浅見光彦シリーズ” の制覇にトライしてみようと思い始ました。
 最近、第一作

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人間ってなんだ (鴻上 尚史)

人間ってなんだ (鴻上 尚史)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いているピーター・バラカンさんのpodcastの番組に著者の鴻上尚史さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 20年以上にわたって鴻上さんが「週刊SPA!」に連載していたコラムから、これはという作品を選りすぐって書籍化したものとのこと。
 通底するテーマは「人間」です。

 執筆当時ならではのエピソードもあれば今で

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