絵本美術館&コテージ 森のおうち

北アルプスの麓・安曇野の森の中に佇む、絵本美術館を中心にした複合施設です。館内は展示室…

絵本美術館&コテージ 森のおうち

北アルプスの麓・安曇野の森の中に佇む、絵本美術館を中心にした複合施設です。館内は展示室の他に、図書室、カフェ、ショップ、館外に図書室の絵本などを部屋に持ち込めるコテージを併設。美術館貸し切りの結婚式も。絵本のある日々を発信します。http://morinoouchi.com/

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    【サイン本】いせひでこ新作『ピアノ』

    いせひでこの新作絵本『ピアノ』は『チエロの木』(偕成社)の姉妹絵本です。 「音楽がもたらす喜びを描いた、あたたかなファンタジー」(帯より) いせひでこのサイン入り、オリジナルポストカードプレゼント! 数量限定です!
    1,760円
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    【サイン本】豊福まきこ『わすれもの』

    豊福まきこのシリーズ1作目。 公園のベンチにすわる羊のぬいぐるみ 「捨てられたら迎えはこないけど、わすれものは迎えがくるんだ」 信じるって大切だと思わせてくれる、優しい絵本。
    1,540円
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    【サイン本】豊福まきこ『おどりたいの』

    豊福まきこのシリーズ2作目。 白いチュチュを着た女の子たちを見た、白いうさぎ 「わたしも おどりたい…!」 勇気をだせば願いはかなうのです♪
    1,540円
    森のおうち

記事一覧

【画家・絵本作家の声】江口みつおきさん~原画展によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。 安曇野でも急速に草花が咲き始め、心浮き立つようになりました。 2024年最初の企画展期間も、あとわずかとなってきました。 当館は開…

【安曇野から発信する潤一博士の目】44~合宿~

 山深い御岳火山とその山麓での地質調査は、日帰りでは難しく宿泊することになります。一番お世話になったのが、王滝営林署の双葉寮でした(写真①②)。卒業研究や修士研究…

【画家・絵本作家の声】豊福まきこさん『おくりもの』絵本原画展によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。 暖冬とはいえ、もともと寒さの厳しい安曇野では、春を待ち遠しく思う気持ちもひとしおです。 そんな季節に、ぜひ、心がぽかぽか温ま…

【安曇野から発信する潤一博士の目】43~焚(たき)火~

 ある年の9月下旬、2人の学生が北アルプスで行方不明になった。ヘリコプターによる捜索でも発見されず、山では初雪も降り、捜索最終日を迎えた。この日幸運にもヘリコプタ…

【安曇野から発信する潤一博士の目】42~山で迷い子にならないために

 山で、迷い子にならない、その秘訣はただ一つ、「いま、地形図上のどの地点に居るか、常に確認できていること」です。  地質調査においては、貴重なデータ(地形、地質…

【安曇野から発信する潤一博士の目】41~地質調査は沢あるきから~

 宮澤賢治の「楠ノ木大学士の野宿」という作品で、楠ノ木大学士が、蛋白石を探して、葛丸川をさかのぼって行く場面が出てきます。何げない話ですが、この沢あるきが地質調…

【画家・絵本作家の声】小林敏也さんインタビュー~「森からきこえる宮沢賢治 絵本原画展」によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。 2023年の企画展第4弾は、森のおうちが、その精神世界を指針としている宮沢賢治の絵本原画展です。 今回のnoteは、現在開催中の賢治展…

【安曇野から発信する潤一博士の目】40~海抜2180m,御岳山 田の原湿原~

 御岳火山東斜面で、王滝村からの林道終点に、田の原湿原があります。海抜2180m~2190mに、湿原が広がっています。湿原には、木道が設けられ、散策しながら、植物や雄大な…

【安曇野から発信する潤一博士の目】39~木曽は広い!~

 国道19号やJR中央西線から見える木曽には、深い谷の底には、木曽川が流れ、川ぞいに人家が点在している、というような風景が続きます。そして背後の山々には、木曽ヒノキ…

【安曇野から発信する潤一博士の目】38~木曽川泥流、濃尾平野に達する~

 木曽川泥流(上流部は岩屑なだれ堆積物、下流部は泥流堆積物)は、5万年前に、御岳火山の摩利支天山ー剣ヶ峰間の山体が崩落して、巨大な岩屑なだれとして発生した(千葉…

【安曇野から発信する潤一博士の目】37~長野県西部地震(その3) 〈巨大土石流の発生〉

1984年9月14日の長野県西部地震によって、御岳火山南斜面が崩壊し、3600万m³の土石(10トンダンプ720万台分)が伝上川を流れ下りました。この土石流は伝上川→濁川と流…

【安曇野から発信する潤一博士の目】36~長野県西部地震(その2)〈御岳火山の山体崩壊〉

 1984年の長野県西部地震による大規模火山体崩壊を詳しく検討してみましょう。場所は、御岳火山の南斜面で(写真①②③)、標高2550m~2000mにけかての屋根(写真⑨)が、一気…

【安曇野から発信する潤一博士の目】35~長野県西部地震(その1)〈M6.8の直下地震〉

 1984年9月14日に、長野県西部地震が発生しました。御岳火山東麓を震源とするM6.8の直下型地震で、(写真①②③④⑤)王滝村では震度6強と推定されています。被害は、御岳山…

【学芸員日誌】「森よそだて・いせひでこ『木』のタブローと絵本原画展」のご紹介と見どころ

こんにちは、森のおうちの米山です。 安曇野でも、人里の雑草まで水気を失いパリパリと音を立てるほどの猛暑~残暑の中、この夏の「いせひでこ絵本原画展」にも多くの方に…

【安曇野から発信する潤一博士の目】34~地球温暖化ーどうする人間(その3)~

 最近、新聞・テレビなどは、地球の温暖化が加速している兆候をいくつも伝えています。  7月下旬のある日には、世界平均気温が、これまでの最高値を更新したとか、南極氷…

【安曇野から発信する潤一博士の目】33~落葉広葉樹の緑が広がりつつある森のおうち周辺~

 アカマツの林(写真1)がなくなり、すっかりさみしくなった森のおうち(写真2)ですが、日当たりが良くなって、落葉広葉樹が、目ざましく成長しています(写真3と4)。 …

【画家・絵本作家の声】江口みつおきさん~原画展によせて

【画家・絵本作家の声】江口みつおきさん~原画展によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。
安曇野でも急速に草花が咲き始め、心浮き立つようになりました。

2024年最初の企画展期間も、あとわずかとなってきました。
当館は開館30周年を迎えます。その記念すべき年の始めの企画展として1月26日(金)~4月8日(月)の期間は、「豊福まきこ『おくりもの』絵本原画展」、
「江口みつおき 詩画集『風の伝言』原画展」、「バーナデット・ワッツ所蔵絵本原画展」の3タイ

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【安曇野から発信する潤一博士の目】44~合宿~

【安曇野から発信する潤一博士の目】44~合宿~

 山深い御岳火山とその山麓での地質調査は、日帰りでは難しく宿泊することになります。一番お世話になったのが、王滝営林署の双葉寮でした(写真①②)。卒業研究や修士研究の学生は、年間延3ヶ月~4ヶ月くらいの調査日数をとりますので、食事の実費くらいで泊めて下さった双葉寮の樋口さんには、感謝、感謝でした。
 双葉寮のお風呂は総ヒノキ造りで洗い場も広く、一日中の山あるきでの疲れをいやしてくれました。また、19

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【画家・絵本作家の声】豊福まきこさん『おくりもの』絵本原画展によせて

【画家・絵本作家の声】豊福まきこさん『おくりもの』絵本原画展によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。
暖冬とはいえ、もともと寒さの厳しい安曇野では、春を待ち遠しく思う気持ちもひとしおです。

そんな季節に、ぜひ、心がぽかぽか温まって、春の足音を感じられるような絵本を多くの方に読んでいただきたい!
…と、いうことで
2024年1月26日(金)~4月8日(月)はの期間、表紙からきゅんとする一押し絵本『おくりもの』の原画展を開催中です。

今回のnoteでは、原画展に

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【安曇野から発信する潤一博士の目】43~焚(たき)火~

【安曇野から発信する潤一博士の目】43~焚(たき)火~

 ある年の9月下旬、2人の学生が北アルプスで行方不明になった。ヘリコプターによる捜索でも発見されず、山では初雪も降り、捜索最終日を迎えた。この日幸運にもヘリコプターに反応があり、発見・救助された。
 後日私は学生に質問した。“なぜタキ火をしなかったのか?”と。タキ火をしていれば、その煙でヘリからもすぐに発見されたはずだから…。学生の答えは“何回も火を起こそうと試みたが、木が湿っていて火が点かなかっ

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【安曇野から発信する潤一博士の目】42~山で迷い子にならないために

【安曇野から発信する潤一博士の目】42~山で迷い子にならないために

 山で、迷い子にならない、その秘訣はただ一つ、「いま、地形図上のどの地点に居るか、常に確認できていること」です。
 地質調査においては、貴重なデータ(地形、地質、化石、鉱物、断層など)も、地形図に正確に記録できなければ、その科学的価値は半減してしまいます。
 いま居る場所を確認するためには、まわりの地形と地形図をくらべること、その際、クリノメーター(磁石)による方位の確認と高度計による海抜高度の確

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【安曇野から発信する潤一博士の目】41~地質調査は沢あるきから~

【安曇野から発信する潤一博士の目】41~地質調査は沢あるきから~

 宮澤賢治の「楠ノ木大学士の野宿」という作品で、楠ノ木大学士が、蛋白石を探して、葛丸川をさかのぼって行く場面が出てきます。何げない話ですが、この沢あるきが地質調査の基本だということを、賢治さんは、よく知っていました。
 私たちが取り組んだ御岳火山の地質調査も、沢あるき(沢をさかのぼる)が基本でした。沢は、地層の露出が良く、しかも、風化していない新鮮な岩石が多いからです。また、沢は、まわりの地形を見

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【画家・絵本作家の声】小林敏也さんインタビュー~「森からきこえる宮沢賢治 絵本原画展」によせて

【画家・絵本作家の声】小林敏也さんインタビュー~「森からきこえる宮沢賢治 絵本原画展」によせて

こんにちは、森のおうちの米山です。
2023年の企画展第4弾は、森のおうちが、その精神世界を指針としている宮沢賢治の絵本原画展です。

今回のnoteは、現在開催中の賢治展についてと、3作品の原画を展示中の画家・小林敏也さんへの作品についてのインタビューをお伝えします。

<企画展のタイトルのこと> 「雨ニモマケズ」や『銀河鉄道の夜』などでよく知られる宮沢賢治が生前に出版したのは、1冊の童話集と1

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【安曇野から発信する潤一博士の目】40~海抜2180m,御岳山 田の原湿原~

【安曇野から発信する潤一博士の目】40~海抜2180m,御岳山 田の原湿原~

 御岳火山東斜面で、王滝村からの林道終点に、田の原湿原があります。海抜2180m~2190mに、湿原が広がっています。湿原には、木道が設けられ、散策しながら、植物や雄大な風景をたのしめます。湿原には、樹高数mの樹木が侵入し始めており、湿原としては、最終段階に入っているようです。樹木は、針葉樹が多く、亜高山性のオオシラビソ、シラベ、コメツガ、トウヒなどと、高山性のハイマツなどです。落葉広葉樹のナナカ

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【安曇野から発信する潤一博士の目】39~木曽は広い!~

【安曇野から発信する潤一博士の目】39~木曽は広い!~

 国道19号やJR中央西線から見える木曽には、深い谷の底には、木曽川が流れ、川ぞいに人家が点在している、というような風景が続きます。そして背後の山々には、木曽ヒノキの林が広がり、昔から林業が盛んであった。これが、多くの人びとの“木曽観”ではなかったかと思います。
 さて、写真①は、中央アルプスの木曽駒ヶ岳付近からみた木曽の全景です。御岳火山の南側に、高さがほぼそろった山地が広がっています。②は、中

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【安曇野から発信する潤一博士の目】38~木曽川泥流、濃尾平野に達する~

【安曇野から発信する潤一博士の目】38~木曽川泥流、濃尾平野に達する~

 木曽川泥流(上流部は岩屑なだれ堆積物、下流部は泥流堆積物)は、5万年前に、御岳火山の摩利支天山ー剣ヶ峰間の山体が崩落して、巨大な岩屑なだれとして発生した(千葉 恵美、1996,MS)。

 木曽川泥流は、御岳火山東麓の西野川から王滝川、木曽川と流れ、濃尾平野にまで達した(総延長100㎞、写真⑦)。この堆積物は、西野川、王滝川では岩屑なだれ堆積物の岩相(写真①、②)を示すが、木曽川ぞいでは、次第に

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【安曇野から発信する潤一博士の目】37~長野県西部地震(その3) 〈巨大土石流の発生〉

【安曇野から発信する潤一博士の目】37~長野県西部地震(その3) 〈巨大土石流の発生〉

1984年9月14日の長野県西部地震によって、御岳火山南斜面が崩壊し、3600万m³の土石(10トンダンプ720万台分)が伝上川を流れ下りました。この土石流は伝上川→濁川と流れ下り、8㎞先の王滝川との合流点に7分で到達しました(時速70㎞)。
 この流下メカニズムについて、二つの説が出されました。土石流説と粉体流説です。濁川に残る流れ山は、乾燥した火山噴出物からなり、大きな溶岩の塊も含まれてい

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【安曇野から発信する潤一博士の目】36~長野県西部地震(その2)〈御岳火山の山体崩壊〉

【安曇野から発信する潤一博士の目】36~長野県西部地震(その2)〈御岳火山の山体崩壊〉

 1984年の長野県西部地震による大規模火山体崩壊を詳しく検討してみましょう。場所は、御岳火山の南斜面で(写真①②③)、標高2550m~2000mにけかての屋根(写真⑨)が、一気に滑り落ちて、大きな谷地形(写真④)が出現しました。崩壊土石は、3600万m³(10トンダンプ720万台分)で、土石流となり、谷にそって、約8㎞を7分で流れ下りました(土石流の詳細は、次の㊲で)。
 この山体崩壊は
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【安曇野から発信する潤一博士の目】35~長野県西部地震(その1)〈M6.8の直下地震〉

【安曇野から発信する潤一博士の目】35~長野県西部地震(その1)〈M6.8の直下地震〉

 1984年9月14日に、長野県西部地震が発生しました。御岳火山東麓を震源とするM6.8の直下型地震で、(写真①②③④⑤)王滝村では震度6強と推定されています。被害は、御岳山を含め王滝村に集中し、死者行方不明者28人に達しました。
私は、学生と地積調査のため、王滝村に滞在で、この地震に遭遇しました。(写真⑥)
 この30年後、2014年9月27日に発生した御岳火山の噴火は、記憶に新しいところです。

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【学芸員日誌】「森よそだて・いせひでこ『木』のタブローと絵本原画展」のご紹介と見どころ

【学芸員日誌】「森よそだて・いせひでこ『木』のタブローと絵本原画展」のご紹介と見どころ

こんにちは、森のおうちの米山です。
安曇野でも、人里の雑草まで水気を失いパリパリと音を立てるほどの猛暑~残暑の中、この夏の「いせひでこ絵本原画展」にも多くの方に足をお運び、ありがとうございます。

10月2日(月)までの夏の企画展も後半となりました。
現在、2023年の年間企画展テーマ「森よ!」の第3弾として、「森よそだて・いせひでこ『木』のタブローと絵本原画展」を開催中です。

今回は、この展示

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【安曇野から発信する潤一博士の目】34~地球温暖化ーどうする人間(その3)~

【安曇野から発信する潤一博士の目】34~地球温暖化ーどうする人間(その3)~

 最近、新聞・テレビなどは、地球の温暖化が加速している兆候をいくつも伝えています。
 7月下旬のある日には、世界平均気温が、これまでの最高値を更新したとか、南極氷床やグリーンランド氷床の融解速度が大きくなっているとか、メキシコ湾岸流(赤道域の熱を北極域へ運び、温和な気候形成に役立っている)の流速が弱まっており、地球エアコンと呼ばれる深層海流の大循環が停止するかも知れない、とか、などなど…。これに追

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【安曇野から発信する潤一博士の目】33~落葉広葉樹の緑が広がりつつある森のおうち周辺~

【安曇野から発信する潤一博士の目】33~落葉広葉樹の緑が広がりつつある森のおうち周辺~

 アカマツの林(写真1)がなくなり、すっかりさみしくなった森のおうち(写真2)ですが、日当たりが良くなって、落葉広葉樹が、目ざましく成長しています(写真3と4)。
 その落葉広葉樹ですが、目立って多いのがエゴノキとウリハダカエデです。そのほか、コナラ、カスミザクラ、ウワミズザクラ、ホウノキ、ハウチワカエデ、ヤマモミジ、ウリカエデ、コミネカエデ、オニグルミ、ヤシヤブシ、リヨウブ、クリなど多彩です。

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