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【安曇野から発信する潤一博士の目】35~長野県西部地震(その1)〈M6.8の直下地震〉

 1984年9月14日に、長野県西部地震が発生しました。御岳火山東麓を震源とするM6.8の直下型地震で、(写真①②③④⑤)王滝村では震度6強と推定されています。被害は、御岳山を含め王滝村に集中し、死者行方不明者28人に達しました。
私は、学生と地積調査のため、王滝村に滞在で、この地震に遭遇しました。(写真⑥)
 この30年後、2014年9月27日に発生した御岳火山の噴火は、記憶に新しいところです。噴火で大勢の人が犠牲になった八丁ダルミという屋根の立入禁止が、つい最近、解除になりましたが、噴火の危険がなくなったわけではありません。(写真⑦⑧)
 さて、噴火のほかにも、木曽御岳とその山麓は、火山なるが故の特有な自然災害が多発してきました。地震や大雨による山体崩壊や斜面崩壊、それに伴う土石流の発生などです。火山やその山麓は、地積がもろく、崩れやすいことが多いのです。

写真①、王滝村中心部の松越での河岸段丘の崩壊(1984.9.15)
写真②、松越の崩壊、13名の犠牲者(1984.9.15)
写真③、松越の墓地の様子、墓石の倒壊条態から震度6強が推定された(1984.9.18)
写真④、松越での霊神碑の倒壊状態(1984.9.18)
写真⑤、松越の崩壊地(図ー2)の県道跡に仮橋が出来る1985年
写真⑥、地震前日(1984年9月13日)。御岳火山、山中での地積調査風景
写真⑦、御岳山剣ヶ峰(右)と王滝頂上(左)中央の屋根が八丁ダルミ、田ノ原より2015年5月26日
写真⑧、八丁ダルミと地獄谷からの噴煙(1979年噴火から6年目)。1985年9月左上方は王滝頂上

    (地質学者・理学博士 酒井 潤一)


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