マッシ|エッセイスト・ライター

文筆家。書籍「イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ」|OCEANSやweb L…

マッシ|エッセイスト・ライター

文筆家。書籍「イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ」|OCEANSやweb LEON等連載中|新潮社「ヤマザキマリ『貧乏ピッツァ』書評」|日本食文化の面白さと魅力から日常エッセイまで執筆と取材受付中|お仕事はmassirenraku@gmail.comまで

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記事一覧

「分からない」と言える環境が成長の証拠

「ごめんなさい、もう一度教えてもらえますか」と言った経験は数えきれないほどある。 人は、「いつでも、どこでも、正直に話すのが成長と成功の近道である」ことを忘れが…

ナンはインドで日常食じゃない?!

「インド料理と言えばナン!」というイメージが強いよね?でも実は、インドではナンが日常的に食べられているわけではないことを知っていた?今回は、そんなナンの意外な一…

2024年8月の「マッシ月報」より

8月も終わったというより、2024年は残りわずか。 日本全国を回ったり執筆したりして毎日が忙しいと言いながら、コンビニのパトロールやスイーツ巡りもしっかり続けていて…

金沢で出会った恐竜と30㌔の氷の真夏日

金沢で恐竜と出会った。意外なところに隠れていた。 近江町市場の夏といえば、長さ60センチ、重さ約30キロの氷の柱だ。この氷のおかげで、遠くから冷えた空気を感じられる…

変わりゆく世界で、変わらないもの

世界中の問題を解決できない理由はなんだろう?将来は今よりずっと先にあるから自分に関係ないと思ってしまう現代社会。 その答えは人間同士に挟まれている言葉。全ての解…

東京都に隠れている地中海への冒険。新島村とシチリア島の奇跡の出会い!

シチリア島。地中海の青い空の下、古代ローマの遺跡が点在して、豊かな自然と歴史が織りなすイタリア南部の島。そして、新島村。伊豆諸島に属する島で、東京からわずか1時…

バズりがすべてだった頃の僕に言いたい大切なこと

あの頃の僕は、バカだった! ずっとバズっていた時期があった。通知が止まらなくて投稿の数字を見るたびにテンションが爆上げしていたと同時に、ドーパミンも分泌された結…

イタリア人が日本料理以外に目を向けた結果、インド料理に魅せられた話

イタリア人は、食事に対して非常に強いこだわりを持っていて、味や質、調理法に対して厳しい基準がある。そんなイタリア人が慣れない日本を旅行すれば、必ず一度は日本料理…

シンガポール料理を楽しんでいた僕は、食べ残しとシェフの悲しみに挟まれた

気になっていたシンガポール料理店に、この前の夜やっと行くことができた。シンプルだけど十分に悩まされるという、非常に魅力的な料理の数々。僕はこのように、注文のハー…

きのことたけのこの国民的な論争に巻き込まれた元イタリア人

きのこが嫌いなわけではないけど、どうしても食べたい気持ちにもならない。子どもの頃は食卓にきのこが出てくると、一気に食卓は戦場へと変わっていた。 いつ食べられるよ…

エスプレッソの文句が多すぎるイタリア人に疲れてきた

僕は本当にイタリア人なのか、疑問に思う。イタリアでの生活ができなくなった気がする。 日本に来てからどんなことがあってもチャレンジして、失敗しても勉強の気持ちを忘…

ミシュランガイドに掲載された大人気店に密着

個性あるスパイスから生まれる、一期一会の一皿から物語が始まる。 金沢の食と食文化の魅力は、寿司や海鮮丼などの魚料理にしかない、わけではない。実はカレーの文化も盛…

日本の生パスタと意外な組み合わせのアレンジが美味すぎた

食材の旨みをまっすぐに伝える極上のパスタ。 僕の発信や記事を読んでくれていた、まるごと野菜の生パスタ「畑の贈り物」担当者が、声をかけてくれた。お互いの熱量が重な…

僕が自分をプロの通訳者と言えない理由

通訳者は言葉を訳す仕事ではないというのは、現実。 日伊逐次通訳者として15年間以上この業界で生きてきた中で、僕は自分のことを「プロの通訳者だ」と思ったことが一度も…

庭師だった父に謝りたい僕

生まれて40回目の夏が来ようとしているが、最高に楽しめたのは22回だけだ。父ともっと2人の時間を楽しめばよかった。人生における最強のサポーターは父だった。 未だに父…

仕事で「期待」「我慢」「思い込み」をするな!

新社会人になりたての頃、いろんなことに期待する。数年が経って自由に動けるようになると、自信が出ると同時に我慢する部分も現れてくる。そして、時間が経てば経つほど、…

「分からない」と言える環境が成長の証拠

「分からない」と言える環境が成長の証拠

「ごめんなさい、もう一度教えてもらえますか」と言った経験は数えきれないほどある。

人は、「いつでも、どこでも、正直に話すのが成長と成功の近道である」ことを忘れがちだ。
失敗は成長の種になり、経験を重なると成功のゴールになるのではなく、成功のスタートになる。自分の環境を意識するだけで、ここまで辿り着ける意外なパワーが現れる。

理解できないことを理解しているように見せかけることは、大人になってから

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ナンはインドで日常食じゃない?!

ナンはインドで日常食じゃない?!

「インド料理と言えばナン!」というイメージが強いよね?でも実は、インドではナンが日常的に食べられているわけではないことを知っていた?今回は、そんなナンの意外な一面と、日本とインドのナンの違いについて深掘りしていきたい。ナンを巡る考察の旅、もし時間があればガイドの僕と一緒に行かない?

さて、僕が日本に来て1番驚いたのは、イタリア料理店の多さではなく、ナンの人気ぶり。インド料理店で食べられるのは当た

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2024年8月の「マッシ月報」より

2024年8月の「マッシ月報」より

8月も終わったというより、2024年は残りわずか。

日本全国を回ったり執筆したりして毎日が忙しいと言いながら、コンビニのパトロールやスイーツ巡りもしっかり続けていて、8月の蒸し暑さの中何とか生き残れた。夏の暑さがまだまだ続きそうだけど、すでに秋のスイーツがたくさん出ている。不思議なことに、汗をかきながら秋を口にして同時に夏と秋の季節を楽しめるのだ。

今月はどんな活動をしたのか、何を書いて何が公

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金沢で出会った恐竜と30㌔の氷の真夏日

金沢で出会った恐竜と30㌔の氷の真夏日

金沢で恐竜と出会った。意外なところに隠れていた。

近江町市場の夏といえば、長さ60センチ、重さ約30キロの氷の柱だ。この氷のおかげで、遠くから冷えた空気を感じられるだけではなく、季節を超えて冬の恋しさまで現れる。このデカい氷は「冷たい」と分かっていても試しに触りたくなる。不思議な魔法をかけられたように離れられなくなる。

ある夜、近江町を歩いていると、突如現れたのは、氷の柱だと思いきや、

え?

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変わりゆく世界で、変わらないもの

変わりゆく世界で、変わらないもの

世界中の問題を解決できない理由はなんだろう?将来は今よりずっと先にあるから自分に関係ないと思ってしまう現代社会。

その答えは人間同士に挟まれている言葉。全ての解決は現実の言葉にあるものの、その言葉を掴んでいるか探しているかは自分次第。見つかったとしても、出すのが難しい原因がたくさんある。個人経験だと、出さなかった理由は

・恥ずかしくて外へオープンするのが不安
・現実から生まれる言葉から逃げてい

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東京都に隠れている地中海への冒険。新島村とシチリア島の奇跡の出会い!

東京都に隠れている地中海への冒険。新島村とシチリア島の奇跡の出会い!

シチリア島。地中海の青い空の下、古代ローマの遺跡が点在して、豊かな自然と歴史が織りなすイタリア南部の島。そして、新島村。伊豆諸島に属する島で、東京からわずか1時間半の距離にある、どこか懐かしい日本の風景が広がる島。

白い砂浜をしばらく歩くと、空と海の地平線がわからなくなる新島村。目を閉じて爽やかな風を受けて自然の一部になる。飴のような可愛い形とサイズの船が見えて、乗組員はどこに向かっているのだろ

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バズりがすべてだった頃の僕に言いたい大切なこと

バズりがすべてだった頃の僕に言いたい大切なこと

あの頃の僕は、バカだった!

ずっとバズっていた時期があった。通知が止まらなくて投稿の数字を見るたびにテンションが爆上げしていたと同時に、ドーパミンも分泌された結果、もっと欲しくなる。要するに、万バズに自分の脳が完全にやられたと、冷静に考えている今日の頃。

バズればバズるほど、なぜ数字以外の存在を考えなくなるのか不思議でたまらない。自分のことより、数字。ここから、人生で何を優先すればいいのか、力

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イタリア人が日本料理以外に目を向けた結果、インド料理に魅せられた話

イタリア人が日本料理以外に目を向けた結果、インド料理に魅せられた話

イタリア人は、食事に対して非常に強いこだわりを持っていて、味や質、調理法に対して厳しい基準がある。そんなイタリア人が慣れない日本を旅行すれば、必ず一度は日本料理に疲れてしまう。イタリア人の頭の中には、「食べたことがない=苦手」の方程式が存在する。だから、多くの苦手な食べ物の中から食事を選ぶのは大変で、日本語が分からないだけでなく、英語も苦手な人となれば、勘違いして全く食べられないものを注文してしま

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シンガポール料理を楽しんでいた僕は、食べ残しとシェフの悲しみに挟まれた

シンガポール料理を楽しんでいた僕は、食べ残しとシェフの悲しみに挟まれた

気になっていたシンガポール料理店に、この前の夜やっと行くことができた。シンプルだけど十分に悩まされるという、非常に魅力的な料理の数々。僕はこのように、注文のハードルの高いお店が好きで、食べたことない料理の自信が伝わってくる。

狭い入り口から入店し、レジの前に立ってメニューを何度も読み返していたら、丸見えの小さな厨房が目に入った。止まらずにずっと作り続けているオーナーさんの動きと美味しそうな音に、

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きのことたけのこの国民的な論争に巻き込まれた元イタリア人

きのことたけのこの国民的な論争に巻き込まれた元イタリア人

きのこが嫌いなわけではないけど、どうしても食べたい気持ちにもならない。子どもの頃は食卓にきのこが出てくると、一気に食卓は戦場へと変わっていた。
いつ食べられるようになったのかは本人もはっきりと覚えていないけど、今では苦手意識なく、苦労せず、文句なしで普通に口に運んで、体へのエネルギーにするために食べている。

味は何だろう。グミのような食感で、未だにうまく説明できないほど不思議な味だ。子どもの頃、

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エスプレッソの文句が多すぎるイタリア人に疲れてきた

エスプレッソの文句が多すぎるイタリア人に疲れてきた

僕は本当にイタリア人なのか、疑問に思う。イタリアでの生活ができなくなった気がする。

日本に来てからどんなことがあってもチャレンジして、失敗しても勉強の気持ちを忘れず、成長していく毎日。文句を言う暇なんてなくて、元気に生きているだけでいいことだらけだと思っている僕は、間違っているのか。この考え方は僕だけなのか。

今日は晴れている日に雷が落ちたような出来事あった。

朝は金沢市内にある大好きなカフ

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ミシュランガイドに掲載された大人気店に密着

ミシュランガイドに掲載された大人気店に密着

個性あるスパイスから生まれる、一期一会の一皿から物語が始まる。

金沢の食と食文化の魅力は、寿司や海鮮丼などの魚料理にしかない、わけではない。実はカレーの文化も盛んなのをご存じだろうか。有名なのは濃厚なルーが特徴の金沢カレーだが、今回は僕が金沢カレーと同じくらい好きなとあるインドカレー店の話をしようと思う。取材をしに行った内容を初公開だ。

ミシュランガイド北陸2021に掲載された、金沢の大人気イ

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日本の生パスタと意外な組み合わせのアレンジが美味すぎた

日本の生パスタと意外な組み合わせのアレンジが美味すぎた

食材の旨みをまっすぐに伝える極上のパスタ。

僕の発信や記事を読んでくれていた、まるごと野菜の生パスタ「畑の贈り物」担当者が、声をかけてくれた。お互いの熱量が重なり、一緒に取り組みをさせてもらえることになった。

パスタの国であるイタリアを超える、日本発祥のパスタを味わえる日が来るなんて。しかも、日本人ならではの思いやりから始まる食事の喜びが詰まっている。この喜びはまさに、種のような存在だ。

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僕が自分をプロの通訳者と言えない理由

僕が自分をプロの通訳者と言えない理由

通訳者は言葉を訳す仕事ではないというのは、現実。

日伊逐次通訳者として15年間以上この業界で生きてきた中で、僕は自分のことを「プロの通訳者だ」と思ったことが一度もない。通訳者の僕は、いつからプロとして活動が始まったか、現在も答えられないかもしれない。

日本で活動している外国人の僕は、日本語を少し話しただけで「日本語がお上手ですね」という決まり文句を言われることが少なくはない。この通訳業界に関係

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庭師だった父に謝りたい僕

庭師だった父に謝りたい僕

生まれて40回目の夏が来ようとしているが、最高に楽しめたのは22回だけだ。父ともっと2人の時間を楽しめばよかった。人生における最強のサポーターは父だった。

未だに父が支えてくれている理由は、2人での会話が数秒前にあったように鮮明に思い出せるから。毎日のエネルギーになっている。
やりたいことがあれば、行動する。失敗したとしても自分で選んだ道だから、どんな失敗だとしても苦しんだとしても、成功の元にな

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仕事で「期待」「我慢」「思い込み」をするな!

仕事で「期待」「我慢」「思い込み」をするな!

新社会人になりたての頃、いろんなことに期待する。数年が経って自由に動けるようになると、自信が出ると同時に我慢する部分も現れてくる。そして、時間が経てば経つほど、プロになればなるほど、自分の知識が大正解で強い環境にいる=強い自分だと思い込んでしまう。現実が客観視できなくなってしまうのだ。自分の知識を疑わず、外からの知識を受け入れられない。

たった3つのことを頭に入れて意識すれば、仕事だけではなく人

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