３月２０日（月）、第１６４７回 「矛盾」

「矛盾」

を抱えるということ、

それが、何か、

悪いことのように思える。

実は、

そのように思うことの方が、

健全ではない、

ということなのです。

世の中は、

諸行無常なわけですから、

例えば、

あるものが最善の形なのだ、

と信じていたとしても、

それは、

「最善」となった瞬間から、

「最善」ではなくなるのだ、

ということです。

わたくしたちがなした、

解釈や評価というものは、

ある時点での相対的なものに

過ぎず、

時の流れの中では、

どんどん陳腐化していく。

仏教には、

「執着しない」、

という教えがありますが、

「執着しない」

ということは、

誤解を恐れずに言うならば、

矛盾を抱えて生きていく、

ということ。

執着した「最善」に生きるの

ではなく、

執着しない「最適」に生きる、

ということなのです。

感謝、合掌
慈永