坂口香野

ライター・編集者。チャコット・ワールドレポート https://www.chacott…

坂口香野

ライター・編集者。チャコット・ワールドレポート https://www.chacott-jp.com/news/worldreport/ に、稽古場レポートやダンサーインタビューなどの記事を時々書かせていただいています。酒飲み。

マガジン

  • ベテランフリーたちはどう生きるか。これまで・これからの働き方

    • 3本

    世代的には「ベテラン」だけれど、大御所どころじゃない。世の中の進化のスピードが速すぎて、生き残れるのかな……と少し不安も感じつつ、それでも「仕事」と「好き」が結びついている広告、編集業界のフリーランスたちが、この先の働き方について考えます。コロナ禍のさなか、2020年秋に始まったマガジン「アラフィフ女子ゆるフリーランス女子部」シリーズ。3周年の今号でいったん区切り、最終回となります!

  • ベテランフリーがそっと教える!「オトナの言い方、伝え方」

    • 2本

    オファーの断り、お支払いのリマインドetc.フリーランスなら避けて通れぬ、ストレートに伝えづらいアレとかコレ。私たちはこう伝えてるよ!

  • 秋の夜長をレッツエンジョイ❗️アラフィフゆるフリーマガジン

    • 5本

    秋の夜長、どう過ごす?ぐっすり寝て夏の疲れを癒すか、眠れぬ夜を楽しんじゃうか。ちょっぴり寝つきが悪くなってくるお年頃のベテランフリーたちがご紹介。目指せ「夜充」!

  • 「見えないもの」との、付き合い方byアラフィフゆるフリー部

    • 5本

    スピリチュアルなお話とか、もっと不思議でディープなあれこれ。アラフィフともなると、身近で見聞きすることも一度や二度ではなく。「まやかしか、本当か?」「信じる?信じない?」なんて二項対立じゃない受け止めも、あっていい。目に見えないあれこれとの程よいお付き合い、みんなで考えてみました。

  • アラフィフゆるフリーの「してあげること、してもらうこと」

    • 5本

    弱ったり、ほころびたり、今まで通りじゃなくなってくる、周囲も自分も。それがアラフィフというお年頃。仕事も家事も抱えつつ、どこまでなら、してあげる?どこから、「助けて」と頼むのか?みんなで考察。あなたは、どう決めてますか?

記事一覧

水曜だけはよく眠れるようになった話

正直なところ、寝る前のアレコレが面倒でしかたない。 たった一人前の皿洗いがめんどくさい。 お風呂をいれるのもめんどくさいし(特に前日に張りっぱなしのお湯を抜いて風…

坂口香野
1年前
7

「うす暗いところ」をつくっておくと、「お化け」がすみついてくれる

今回のマガジン「アラフィフゆるフリー女子」のテーマは「目に見えないものとのつきあい方」。スピアレルギーや見える人のことや数少ない体験、織り交ぜて考えてみました。…

坂口香野
1年前
9

「してあげる/してもらう」と風の話

 アラフィフの親世代の男性には「家のことはなんにもしない」人が多いけれど、父は家事をよくする方で、私はいとこたちからよく「うらやましい」と言われた。  たしかに…

坂口香野
1年前
10

土と根っこと「これから」の話

先日、53歳になった。いつの間にか「中年」の奥のほうへ来ていて、老人と呼ばれる日も間近い。でも、中身は30代・40代、いや小学生時代ともさほどは変わっていない気がする…

坂口香野
2年前
11

「Mとの遭遇」とピンチの脳内

 12月~1月は、個人的にも興味あるお仕事をいくつもいただいて、嬉しかったけれど終わる気がせず、ずっとジタバタしていた。本当はすべてが1月半ばには終わっているはずだ…

坂口香野
2年前
12

渋いおやつの話

蒸しパンがたのしい最近、蒸しパンをよくつくる。 仕事でかんたんなスイーツのレシピを調べていたのがきっかけだが、中でも蒸しパンは拍子抜けするくらいかんたんだった。…

坂口香野
2年前
43

熱愛映画、大嫌いな映画。

今回のマガジンのテーマは「私をつくった3本の映画」、「心に刺さりすぎて自分の一部になってしまった映画」なのですが。結局4本+二度と見たくない映画1本、になってし…

坂口香野
2年前
13

ギアとブレーキ、ジャンプと着地

7月末、たまたまテレビをつけたら、オリンピックのスケートボード「ストリート」決勝戦で、ちょうど16歳の中山楓奈(ふうな)選手がすべっているところだった。おおう、り…

坂口香野
2年前
9

人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/後編

前回に続き、アラフィフ女子の人間関係について、広告プランナーのはんぺん丸と、ライターの坂口香野がゆるっと語り合っております。「断捨離」がテーマでしたが、結果的に…

坂口香野
2年前
7

人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/前編

『アラフィフゆるフリー女子部』、今回のテーマは断捨離あれこれ。年を重ねるにつれ何かと複雑化しがちで散らかりがちな身辺の環境、仕事や人間関係……。中でも「人間関係…

坂口香野
2年前
10

イスラエル・ガルバン「春の祭典」、音楽そのものが踊るということ

ダンスについて文章を書くとき、どう書いていいかわからない、書くことに意味があるのか、といつも考えてしまいます。劇場での体験にすべてがあり、一人ひとりが体で受け止…

坂口香野
2年前
6

バレエとチャンバラ

ちょうど一年前、最初の緊急事態宣言が解除になったころ、中尾充宏先生の「バレエ入門基礎」というクラスに通い始めた。 平日の朝10時半から。スタジオは隅田川を隔てて築…

坂口香野
2年前
6

リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/後編

実施日:2021年4月5日 前編に続き、フリーランス女子4名が在宅ワークについてたっぷり語ります。家族との在宅ワークで困ったときは? リアルに会ってこそ伝わるエネルギ…

坂口香野
3年前
33

リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/前編

実施日:2021年4月5日 ベテランだけど、特にビッグネームじゃない。好きな仕事を続けていたら、いつの間にかアラフィフに。そんなゆるフリーランス女子4名が在宅ワークに…

坂口香野
3年前
19

確定申告&持続化給付金駆け込み申請のはなし

1月末、今年度の支払調書がそろった。さあ、これで確定申告をやらない理由はひとつもなくなったぞ、と思う。フリーのライター・編集者になってから20年近く、自分で白色申…

坂口香野
3年前
11

2020年における50代フリーランス女子の タイムループ現象と野鳥と縄文土器と巡りくる春の話

2020年を振り返ろうとしたら、あまり仕事の話になりませんでした。むりやりまとめるなら「アラフィフにありがちな時間の話」です。 今はどこ? ここはいつ?去年の元日の…

坂口香野
3年前
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水曜だけはよく眠れるようになった話

水曜だけはよく眠れるようになった話

正直なところ、寝る前のアレコレが面倒でしかたない。
たった一人前の皿洗いがめんどくさい。
お風呂をいれるのもめんどくさいし(特に前日に張りっぱなしのお湯を抜いて風呂桶を洗うところが)、髪洗ったら乾かすのがめんどくさい。
歯磨きもめんどくさい。年取ると糸ようじとか歯間ブラシとかいろいろ使わなくちゃならないし。
布団敷くのもめんどくさい。

いま、「お前、一回死ぬか?」思ったかたも多いのではないだろう

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「うす暗いところ」をつくっておくと、「お化け」がすみついてくれる

「うす暗いところ」をつくっておくと、「お化け」がすみついてくれる

今回のマガジン「アラフィフゆるフリー女子」のテーマは「目に見えないものとのつきあい方」。スピアレルギーや見える人のことや数少ない体験、織り交ぜて考えてみました。

スピアレルギーの主張

 いわゆる「スピリチュアル」なものに拒否反応を示す人は多い。長年の男友達であるT氏も、一昨年亡くなった父もそうだった。「占いって予言なの? 予言でなく、単に進む方向に迷って誰かに背中を押してもらいたいだけなら、な

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「してあげる/してもらう」と風の話

「してあげる/してもらう」と風の話

 アラフィフの親世代の男性には「家のことはなんにもしない」人が多いけれど、父は家事をよくする方で、私はいとこたちからよく「うらやましい」と言われた。
 たしかにほかのおじたちはほとんど家事をしなかった。父は五人きょうだいの三番目だったが、物心ついたときからひたすら実用的に役立つことを期待されて育ったらしい。家にいるときは掃除や買い物、庭仕事や日曜大工みたいなことをちゃかちゃかやるのが習い性になって

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土と根っこと「これから」の話

土と根っこと「これから」の話

先日、53歳になった。いつの間にか「中年」の奥のほうへ来ていて、老人と呼ばれる日も間近い。でも、中身は30代・40代、いや小学生時代ともさほどは変わっていない気がする。よしながふみの名作『昨日何食べた?』のシロさん(50代弁護士)のせりふで「子供がいないと35歳くらいからずっと精神年齢が止まっちまってるんだな しかももう孫がいてもおかしくない年になっていたとはねえ」というのがあったが、本当にそうだ

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「Mとの遭遇」とピンチの脳内

「Mとの遭遇」とピンチの脳内

 12月~1月は、個人的にも興味あるお仕事をいくつもいただいて、嬉しかったけれど終わる気がせず、ずっとジタバタしていた。本当はすべてが1月半ばには終わっているはずだったのだが、締め切りを延ばしていただいたり、結果的に延びたものもあったり、なんだかんだあってようやく片づいたのが2月頭。やっと借金を完済した感じで気がつけば立春、日差しが春になっていた。
 そうしたら何だかもう体に力が入らない。久々に参

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渋いおやつの話

渋いおやつの話

蒸しパンがたのしい最近、蒸しパンをよくつくる。
仕事でかんたんなスイーツのレシピを調べていたのがきっかけだが、中でも蒸しパンは拍子抜けするくらいかんたんだった。つくり始めてから30分ちょっとでふかふかの蒸したてができるから、パンのかわりに朝ご飯に食べたりする。うちはせいろがないんだけれど、鍋にうらごし器を入れるとおあつらえむきの蒸し器になる。まあ、鍋に水を1~2センチ張って、沸騰したところに直接型

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熱愛映画、大嫌いな映画。

熱愛映画、大嫌いな映画。

今回のマガジンのテーマは「私をつくった3本の映画」、「心に刺さりすぎて自分の一部になってしまった映画」なのですが。結局4本+二度と見たくない映画1本、になってしまいました。

「ルパン三世 カリオストロの城」初めて映画館でみたのは「東映まんがまつり」の「長靴をはいた猫」で、作画監督に宮崎駿の名前がある。中学生のとき初めて子どもだけで映画館に行って見たのは「風の谷のナウシカ」。「となりのトトロ」も「

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ギアとブレーキ、ジャンプと着地

ギアとブレーキ、ジャンプと着地

7月末、たまたまテレビをつけたら、オリンピックのスケートボード「ストリート」決勝戦で、ちょうど16歳の中山楓奈(ふうな)選手がすべっているところだった。おおう、りりしい。なんてきれいな子なんだ!!とまず目を奪われて、それからストリートという競技にびっくりした。そんな手すりの上をすべるのおやめなさい、危ないわよ!! なんて近所のおばちゃんみたいに声をかけたくなった。次に13歳の西矢椛(もみじ)選手が

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人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/後編

人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/後編

前回に続き、アラフィフ女子の人間関係について、広告プランナーのはんぺん丸と、ライターの坂口香野がゆるっと語り合っております。「断捨離」がテーマでしたが、結果的に「つながること」についての話も盛り上がりました。

はんぺん丸:H CMプランナー、コピーライター。夫と都内在住。 

坂口香野 :S ライター。東京都調布市で一人暮らし。

「うつりたい人」と仕事したいS 前回、はんぺん丸さんは脳内に苦手

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人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/前編

人間関係ってシンプル化できる? アラフィフ女子の断捨離対談/前編

『アラフィフゆるフリー女子部』、今回のテーマは断捨離あれこれ。年を重ねるにつれ何かと複雑化しがちで散らかりがちな身辺の環境、仕事や人間関係……。中でも「人間関係」を中心に、広告プランナーのはんぺん丸と、ライターの坂口香野がゆるっと語り合いました。

はんぺん丸:H CMプランナー、コピーライター。夫と都内在住。 

坂口香野 :S ライター。東京都調布市で一人暮らし。

理性じゃなくて「ときめき」

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イスラエル・ガルバン「春の祭典」、音楽そのものが踊るということ

イスラエル・ガルバン「春の祭典」、音楽そのものが踊るということ

ダンスについて文章を書くとき、どう書いていいかわからない、書くことに意味があるのか、といつも考えてしまいます。劇場での体験にすべてがあり、一人ひとりが体で受け止めるものだから。

ガルバンのこの公演では、特にそう思いました。仕事じゃなかったらレビューなんて書かなかったと思います。すごすぎて体が動かず、拍手すらする気にならなかったし、公演後は「書かずにはいられない」熱量を感じさせる、濃密な、しかも千

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バレエとチャンバラ

バレエとチャンバラ

ちょうど一年前、最初の緊急事態宣言が解除になったころ、中尾充宏先生の「バレエ入門基礎」というクラスに通い始めた。
平日の朝10時半から。スタジオは隅田川を隔てて築地の対岸にあり、窓からは運河が見える。隣の駅はもんじゃで有名な月島である。家からは1時間ちょっとかかるのだけれど、都営線にずっと乗っていれば、都心の人混みを歩かなくてもいつの間にか着く。超高層マンションも建設中で新しい建物が多い一方で、路

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リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/後編

リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/後編

実施日:2021年4月5日

前編に続き、フリーランス女子4名が在宅ワークについてたっぷり語ります。家族との在宅ワークで困ったときは? リアルに会ってこそ伝わるエネルギー、画面越しで伝えることは可能か? 

ゆるく、しかしさらにまじめに熱く語っております。

はんぺん丸:H CMプランナー、コピーライター。夫と都内在住。 

osame  :O ストックイラストレーター。夫と娘と大阪で三人暮らし。

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リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/前編

リモートワーク座談会! アラフィフフリーランス女子が「おうちで働く」についていっぱい語り合う/前編

実施日:2021年4月5日

ベテランだけど、特にビッグネームじゃない。好きな仕事を続けていたら、いつの間にかアラフィフに。そんなゆるフリーランス女子4名が在宅ワークについて、リモートでたっぷり語り合いました。

クリエイティブ会議や取材はやっぱり「生」がいい?  家族と一緒に在宅ワークになったときはどうする? リモートで「ライブ感」を得るには?

ゆるいようでまじめな話。リモートあるあるたっぷり

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確定申告&持続化給付金駆け込み申請のはなし

確定申告&持続化給付金駆け込み申請のはなし

1月末、今年度の支払調書がそろった。さあ、これで確定申告をやらない理由はひとつもなくなったぞ、と思う。フリーのライター・編集者になってから20年近く、自分で白色申告をしている。

支払調書は、皆様ご存じのとおり、会社ごとに「あなたへの支払いは今年度いくらあって、そのうち源泉徴収としていくら納税しましたよ」と報告してくださる紙だ(定義不正確)。

ここ10年くらい、支払調書はたいてい5枚(つまり取引

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2020年における50代フリーランス女子の
タイムループ現象と野鳥と縄文土器と巡りくる春の話

2020年における50代フリーランス女子の タイムループ現象と野鳥と縄文土器と巡りくる春の話

2020年を振り返ろうとしたら、あまり仕事の話になりませんでした。むりやりまとめるなら「アラフィフにありがちな時間の話」です。

今はどこ? ここはいつ?去年の元日の日記を見ると、「甥っ子、坊主めくりで大勝」と書いてある。

毎年、正月は世田谷区にある実家で親と弟の家族と一緒に過ごしていた。2015年に母が亡くなって以来、父とじいちゃん猫のずしおう丸という男所帯だったのだが、2019年10月に猫が

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