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確定申告&持続化給付金駆け込み申請のはなし

1月末、今年度の支払調書がそろった。さあ、これで確定申告をやらない理由はひとつもなくなったぞ、と思う。フリーのライター・編集者になってから20年近く、自分で白色申告をしている。

支払調書は、皆様ご存じのとおり、会社ごとに「あなたへの支払いは今年度いくらあって、そのうち源泉徴収としていくら納税しましたよ」と報告してくださる紙だ(定義不正確)。

ここ10年くらい、支払調書はたいてい5枚(つまり取引先が5社。っていうと大手さんみたいだが)。5枚分の「支払額」をとりあえず足してみて、「思ったよりまあまあかせいでたな」と思ったり、「ああ、こんだけか…」と思ったりする。

調べたら、支払調書って企業側に出す法的義務はなく、取引先が確定申告しやすいように好意で出してくれてるものなんだそうだ。どおりで、5社のうち1社は、数年前から「調書」というハンコを押した文書ではなく、ふつうのコピー用紙に支払額と源泉徴収額をプリントしたものを送ってくるようになった。それでも十分ありがたい。

それから、必要経費の計算。

確定申告の最初の指南役は、数字も書類もすべて超苦手だった亡き母で、ものすごくどんぶり勘定だった。「とにかく仕事に関係ある領収書を取っといて、『だいたい』経費の裏付けがわかるようにしとけばいいのよ」といい、たとえば通信費は多い月も少ない月もあるけど、だいたい平均月1万円とすればそれを12倍すりゃいい、といっていた。昔はそのくらいゆるくてよかったみたい。その話を知人の税理士さんに話したら怒られた(当たり前か)。「年収200万代(私もそのクラス)でも、税務調査が入って大変だったカメラマンさんを知ってるわよ!」と。はい、その方は知人に依頼するまでは、申告自体をしてなかったんじゃないですかね。違うかな…。

さて、今の必要経費の出し方は、まあ真面目に領収書を取っといて、申告直前に時系列順に分け、「消耗品費」とか「荷造運賃」とか「図書新聞費」とか、勘定科目ごとに分けて足す、というあまり代わり映えのしないやり方。2014年からは白色申告でも帳簿付が義務づけられているそうで、本当は家計簿ソフトとかを使ってこまめに記録すべきなのだろうが、ソフト買うのお金かかるし、そもそもパソコン全般苦手だし、さほど複雑じゃないので結局一気にやってしまってます。おそらく、夏休み中の日記を最終日に全部書いてる子どもみたいな感じだと思う。すみません、全然人にはオススメできません。

ある程度まとまった金額になるのは、事務所として借りてるアパートの家賃(プライベートでも使っているので、「家事按分」で2分の1計上)。あとは通信費とか、バレエ・ダンス関係の仕事と関連のあるレッスン代の一部くらいか。資料代も図書館を利用することが多いので、ライターとしては少ない方だと思う。でも、2020年はコロナで図書館が閉まっていた時期が長かったから、わりと買ってるなあ。

例年、税務署にもってくとちらっと見て「はーい」と受け取ってくれているので、税務署的にはたぶんギリギリ問題ないと思われる。(税理士さんに相談すれば、節税はもっとできるのかもしれないが。)ここ数年は確定申告書のフォーマットをダウンロードし、打ち込んで(フォーマットにエクセルが入ってるので手書きより楽)、印刷して郵送している。e-TAXにする手続きがめんどくさくて。還付金が入ると、ちょっとウレシイ。

さて、2020年度はかなり収入減になっているはずだ、と覚悟はしていた。というのも、例年、収入の6割くらいになるウェブ記事の仕事をいただいていたA社さんから、4月以降あまり仕事がこなくなったからだ。それまではずっと良い関係でお仕事をしていたのだけれど、コロナの関係もあり、媒体そのものの予算が削られたのではないかと思う。

しかし、単価が安いけれど、好きな分野であるB社さんの仕事がそれなりにあったため、A社さんにあえて「もっと仕事ないですか?」と営業したりはしなかった。今年は貯金を少しへらしつつ、趣味と実益を兼ねた仕事を多めにする年ってことでいいや、と考えたからだ。アラフィフになって、新しい分野の勉強を始めたり資格を取ったり、という人も周囲に多いので。(あ、A社さんの仕事も面白いことは多くて、好きでなかったわけでは全然ないです、念のため。)コロナのせい、というより、自分で選んだ収入減、みたいな気持ちもあったため、持続化給付金の申請もやっていなかった。

が、支払調書で実際に数字を見ると、ちと頭がガーンとなった。
実質、4月以降ほとんど仕事をしていないA社さんと、コンスタントにかなり頑張って仕事したつもりのB社さんの支払い金額がほぼ同じなのである…単価が違うのだからわかってたことなんだけど、ああ、これではいくらなんでもつらいなあ…。
と思ったら、友人が1月31日までに申し出れば、2月16日まで持続化給付金申請を受け付けてくれる!と教えてくれたので、今駆け込みで申請手続きやってます。先週納税証明書を役所で取ってきたので、去年の確定申告書の控えと合わせて出せば完了! と思ったら、本人確認書類が足りないことに気づいた。私はマイナンバーカードも運転免許証も持ってないのだけれど、パスポートがあるからこれでいいと勝手に思ってた…パスポートは単独ではダメで住民票の写しが必要なのね。ああ、役所で一緒に取ってくればよかった、バカバカバカ!!

とはいえ、持続化給付金の手続き自体は、比較的簡単だったと思う。売上が「2019年度の1か月分平均と比べて50%以下」の月を自分で決めて、その月の売上を12倍したものを2020年度の事業収入とみなす、という考え方だからだ。(あってるかな?)

2019年の事業収入ーこの12倍した金額=給付金

算出方法はだいたいこんな感じ。12倍、というのは、昔母がやっていた申告みたいな、どんぶり的な考え方だ。

今回はできる限り申請をしやすくし、給付金がすみやかに行き渡るよう、どんぶりでよい制度にしてくれたのだと思う。

近年、確定申告をはじめ、申請書類のたぐいがたいていどんぶりではダメで細かく明細を出す方向にいっているのは、不正を防ぐためだろう。今回はどんぶりでいいかわりに、虚偽申請はしないという「誓約」にチェックを入れることになっていた。

うん。ここだけの話、私のような零細事業の場合、確定申告を「消耗品費はだいたい月1万円、通信費は多い月と少ない月の間を取って2万2千円、これらを12倍」とかいう昔のどんぶり法でやったとしても、税金や還付金にさほど差は出ないと思う。でも、経費水増しなど、不正をしようと思えばできてしまうから、ダメなんだろうなあ。だから、明細、記録をすべて取っておくべしというのが役所仕事の基本なのだ。(いやしかしなんか国の公記録をごっそり捨てちゃう事件が相次いだよね、あり得ない話だわ…)。
そんなことを考えながら、レシートや領収書を見ていると、「この喫茶店で仕事したっけな」なんて記憶がよみがえることもある。申告、面倒くさいけど、面白いこともなきにしもあらず。

と、いうことでまず明日は住民票の控え取りに行って、持続化給付金申請して、それからやろうっと確定申告。あ、10万円の特別給付金は申告しなくていいけど、持続化給付金のほうはおりたら申告しなきゃいけないのね。来年、忘れないようにしなきゃ!

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