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写真・短編小説・詩

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様々な内容にチャレンジしてみたいと思います😄皆様の人生において、何かのきっかけになりますように😊
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2022年6月の記事一覧

線香花火

線香花火

線香花火は儚いと
婆やはいつも言うけれど
私はそうは思わない
小さいながらもパチパチと
四方八方火を放ち
落ちる間際は火の玉作り
見事綺麗に地に落ちる
どこが儚い花火だと
婆やに聞いてみるけれど
婆やはにこにこ笑うだけ
儚い意味がわからんと
姉さんけらけら笑いおる
どうしたらわかるかと
婆やに聞いてみるけれど
婆やはにこにこ笑うだけ
子供が知らんでいいものと
姉さんけらけら笑いおる

わからない

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ただそれだけで

ただそれだけで

綺麗に咲いていたお花

見たらしおれておりました

儚い命と思っていたら

あなたが私を見てくれて

綺麗と思うてくれました

ただそれだけで十分ですと

お花は私に言いました

翌朝気になり見てみると

朝日の当たる庭先で

静かに枯れておりました

タンポポ

タンポポ

アスファルトに咲くお花

うだるような暑さにも
踏まれそうな危険にも
めげずに花を咲かせてる

道ゆく人には目の保養
灰色の道には彩りを
なんて立派なお花だと
思って見たら鼓草

ここで生きると決めている

風に揺れては爽やかに
黄色いお顔が笑ってる

自由

自由

空を自由に飛ぶ鳥よ

海を自由に飛ぶ鳥よ

忘れてはいけないよ

陸があっての自由だよ

忘れてはいけないよ

心があっての自由だよ

鈴音

鈴音

私が鈴を鳴らしても
あなたの心に届かない

あなたが鈴を鳴らしても
私の心に届かない

鳴る鈴音がきれいでも
ふたりの心に届かない

心に届く鈴の音は
どういう音だったろか
錆びた鈴を眺めては
思い出せない私です

蛍

暗闇でほのかに光る蛍達
暗闇で蛍に群がる私達

自由に闇飛ぶ蛍達
闇ですくむ私達

闇では所詮
人は蛍に及ばない
蛍の魅力に及ばない

命短くも蛍のように
闇を自由に飛びたいな
ほのかに光って飛びたいな

忘れないでいてほしい

忘れないでいてほしい

忘れない

あなたがしてくれたこと

どんな姿になったとしても

あなたが私にしてくれたこと

決して 絶対 忘れない

お願い

どんな姿になったとしても

私が忘れていないことを

忘れないでいてほしい

お願い

もうすぐ忘れてしまいそうだから

心鏡

心鏡

朝日が楽しく見えるのは

楽しい心でいるからよ

夕日がさみしく見えるのは

さみしい心でいるからよ

見えるものが同じでも

心によって

見える景色は違うのよ

残量

残量

11:55 時計が止まった

電池が全てを出しきって
見事お役目終えました
人に尽くした一生は
突然幕を閉じました

人も電池と同じよう
蓄えられた人力を
次から次に使ってる
私が全てを出しきって
お役目終えるその時は
あの時計と同じよう
突然やってくるのかな

人力残量大切に
生きていこうと思います

カビた饅頭

カビた饅頭

どこまでやるべきか

ひとりつぶやく昼下がり

見てた地蔵がこう言った

饅頭にカビがはえるまで
カビがはえてはもう食えぬ
ごまかし食っても腹壊し
ろくなことになりませぬ

カビは何だと聞いてみる

カビは「飽き」と思し召せ

私の持ってる夢饅頭
カビははえていないかと
よく見てみるとあちこちに
カビがはえておりました

真実

真実

これは真実

否定しても
批判しても
拒否しても

やりきれないね

悲しいね
寂しいね
虚しいね

でも これが真実

しばらくは目を閉じていよう
涙はあふれるだろうけど

間違え

間違え

道を間違えたから

座る席を間違えたから

取るものを間違えたから

言うことを間違えたから

間違えたから 今の私がある

今が決して悪くないのなら

それら間違えは

間違えじゃなかったのかもしれない

輝ける場所

輝ける場所

晴れた夜はお外出て
暗いお空で星集め
ポケットいっぱい詰め込んで
帰って出してはみるけれど
あんなにキラキラしてたのに
まるでただの石っころ
いつもいつも石っころ
お家の明かりを消したとて
キラキラ光ることはない

暗いお空にあればこそ
星はキラキラ光るもの
その場所にあってこそ
輝けるものもあるんだよ

お空に返せばまた光る
婆やに言われて返したら
キラキラ光だしました

夕日

夕日

夕日が全てを包んでく

畑も山も お家も花も

みかんの色で包んでく

なんて優しい色だろう

なんて温かい色だろう

なにを拒むこともなく

只々柔らか包んでく

泣きべそ顔もそのまんま

みかんの色に包まれる

どしたらみかんの色出せる

強くなけりゃだめだろか

泣きべそじゃだめだろか

夕日のようになれるかな

夕日のようになりたいな