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ほぼ毎日エッセイ『わたしに翼』

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2024.03.09〜 タイトルは大好きな朝ドラ『虎に翼』をもじって。 書くことで、大きくて豊かな、どこまでもいける、「私だけの翼」が手に入りますように。
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#生活

「あと1時間」がほしい

「あと1時間」がほしい

もしも誰かが(誰だ)、私の願いをひとつだけ叶えてくれるとしたら。

毎日「あと1時間」がほしい。寝かしつけのあと、ベッドから這い出さなくても、家族の寝静まる早朝に起きださなくても、自動的に、私のためだけに現れる「あと1時間」だ。

その時間を使って、やりたいことがある。

何も気にせず、予定を整理することだ。タスクがどんどん溜まっていくので、どこに分散させるのか、どの予定を優先するのか。

忙しく

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引越し前夜

引越し前夜

いよいよ、明日は引越しである。ここから月末までに荷物を運びきったり、マンションに残ったものを捨てたりする作業は残っているけど。

それに、新しい家具が配送されるまでに時間がかかるので、よーいスタート!で新生活が始まるわけでもない。ちょっとぬるっとした始まりになりそう。

近隣の方にご挨拶するのも、少し緊張している。どんな人たちが住んでいるんだろうか。

今のマンションは結婚してからの思い出が詰まっ

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私に翼は生えているか

私に翼は生えているか

4月1日から始まったNHKの朝ドラ『虎に翼』がすばらしい。

物語は昭和初期。1929年とあるから、今から100年近く前の話だ。当時は女性の人権意識がものすごく低く、女性に選挙権すらない。結婚すれば妻の財産は夫のものになり、妻は夫の庇護下におかれ「無能力者」とされる。

さらに当時、「姦淫罪」は女性にのみ適用されていた。夫は結婚後浮気してもかまわないけれど、妻が不倫をすれば罪になる、ということだ。

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フリーランスという立場でみる『魔女の宅急便』

フリーランスという立場でみる『魔女の宅急便』

昨日はPMSと低気圧という最悪の状況が重なってしまい、1日のほとんどをベッドの上で過ごすことになった。起き上がったのは息子の世話をするときだけ。

そんな状態だったから、テレビのある部屋に布団を敷いて、息子と一緒に『魔女の宅急便』を視聴した。一気に観ると目によくないので、CMのたびに休憩しながら。息子はキキに夢中になり、私はキキの両親の気持ちになって泣いた(『となりのトトロ』でもずっと泣いてるし、

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私が心配性なワケ(Day.13)

私が心配性なワケ(Day.13)

保育園に着いた瞬間、ぐらっと地面が揺れた。幸い自転車を止めたあとだったので、そのまま前面座席に座る息子に覆い被さった。

園内からは「地震だ!」「みんな集まって!」と声がして、教室の真ん中にひとかたまりになった子どもたちの上に、先生たちが腕を組んで覆い被さっていた。

大きな揺れは一瞬だったが、心臓がばくばくした。園長先生に「(息子を)連れて帰ったほうがいいですか……?」と聞くと「園では普段どおり

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「恵みの雨」を降らせたい(Day.12)

「恵みの雨」を降らせたい(Day.12)

今、親子3人川の字に並んだ布団のなかで、この記事を書いている。

今日は朝から神社さんへ行き、家内安全のご祈祷をしてから用を済ませに。大事な用だったので、無事に終わって安心した。その帰り道、通り雨が降って、晴れた空に虹がかかっていたのも縁起がよくて、よい。

前祝いということで、夕飯には焼き肉を食べた。じゅうじゅうと美味しそうな音を聴きながら、ビールを片手に、ここ10年のことを語り合う。

最初は

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あらし(Day.11)

あらし(Day.11)

昨日、関東は強風に襲われ、私も散々な目にあった。あまりにいろんなことがありすぎて文章にする気力もないほどだが、そういえば毎年、春の嵐はいろんなところを引っかき回して去って行くよなあ……なんて気づく。

明日、人生のなかでもなかなかに重要なイベントを控えていて、今から胸がざわついている。今夜は昨日起こったハプニングの後始末と、明日へのどきどきですでにへろへろだ。

明日、ここでいい報告ができることを

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企画を出すコツ

企画を出すコツ

お付き合いのあるメディアでは「企画出し」を担当している。これが結構好きな作業で、競合を比較したり、時には自分のオリジナリティを発揮させたりして、わくわくしながら臨んでいる。

しかし、企画出しには結構体力が要る。納期があるからと原稿執筆を優先してしまうと、肝心の企画出しの頃には頭が回らなくなって、後手に回ってしまうことも少なくない。

そこで、企画出しをする日には、何をおいてもそれを優先することに

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春を待つ

春を待つ

春は1年のなかでいちばん好きな季節。いかんせん冬からの変わり目に弱く、毎年この時期は体調がすぐれない。

特に今日は、朝から不動産屋とのやりとりがあったりして、神経的にもだいぶやられてしまったみたいだ。こんな日はただただ寝るしかない。

夫は私と過ごして10年、慣れたもので臨機応変に対応してくれるので助かっている。ありがたい。息子も、私が横になっているとそれに合わせた遊びをしてくれる。ああ、ホント

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罪悪感などいらない

罪悪感などいらない

朝が大好きだ。多くの人がそうであるように、私もまた、朝から午前中にかけてがいちばん集中できるような気がする。

だから普段は、息子を保育園に送ってからお昼ご飯までが勝負。ちゃちゃっと家事を済ませ(家の中が散らかっていると集中できないので)、そこから一気に執筆モードになる。

だけど、たとえば週明けとか、家族でおでかけした次の日なんかはもう、ひとりになりたくてたまらない。だって休日は家族との時間をい

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歌をうたう

歌をうたう

うちの息子は歌うのが大好きで、しょっちゅう何か歌っている。

保育園で習った曲や「おかあさんといっしょ」で放送される曲、私が教えた曲など、2歳児の割に結構なレパートリーを持っているのではなかろうか。それらを自分で歌うのはもちろんのこと「ママ、〇〇のおうたうたって!」なんて言ってくる。

なかには私の知らない歌もあるから、息子からワンフレーズ教えてもらってYouTubeで検索し、なんとか歌えるように

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一時停止、種まき、仕事。

一時停止、種まき、仕事。

noteの連続投稿を始めてから5日が経った。

しばらくクライアントワークをお休みしていて、数日ぶりに原稿を書いたら、覚醒したレベルで筆が進む。なんだろう。細胞のひとつひとつが開かれているような気がする。いつもより敏感に「ことば」に反応できている感じなのだ。ビビりの私は、足元をすくわれないように気を付けている。

忙しいときには毎日何時間も執筆しているけど、お仕事として毎日文章を書くのと、こういっ

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妃の位も何にかはせむ

妃の位も何にかはせむ

「妃の位も何にかはせむ」。

この言葉は、日本の古典文学のひとつである『更級日記』(作者は菅原孝標女)のなかの有名な一文である。現代語に訳すと「お妃様の位(くらい)なんてどうでもいいほどサイコー!」といった感じだろうか。

『更級日記』は、作者である菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が少女だった頃、現在の千葉県市原市に一家で住んでいたところから始まる。現在からだいたい1000年くらい前に書か

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新しい旅に出る

新しい旅に出る

「叩き返して、『叩かれたら痛い』ってことをわからせないとあかんのとちゃう?!」

これは、息子が私を叩くのを見た母が言った言葉だ。いわゆる「目には目を 歯には歯を」理論で、子どもを躾けろということなのだろう。

息子も2歳をすぎて、大人が怒るようなことをわざとすることが増えてきた。言葉数が多いこともあってか、時々「2歳の子ってこんなに理解してるの?」と驚くような言動もある。

冒頭の母の言葉があっ

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