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読書記録

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#毒親

少女葬 櫛木理宇2019年新潮社№839

少女葬 櫛木理宇2019年新潮社№839

十代の家出少年少女たちが
貧困ビジネスの喰いものとされていく。
あまりにも壮絶な物語。

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ネットの普及で家出が
安易になったのでしょうか。
簡単に稼げるよという
誘い文句が横行しているのでしょうか。
心を病む若者が増えているのでしょうか。
被害者から加害者へなる
パターンも少なからず。
負のループに陥り、犯罪を犯し、
逮捕され、罰することでは
何の

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同人AV女優 中村淳彦2024年祥伝社新書№819

同人AV女優 中村淳彦2024年祥伝社新書№819

「性」と「金」の地殻変動に迫るルポ衝撃の内容でした!
未知の世界。
私は知りませんでしたが
2022年AV新法というものが
成立したらしいです。
その恩恵を受けるのは大手だけ。

AV女優って稼げると思っていませんでしたか?
今はDMMが業界をほぼ独占しているので、
言い値で受けるしかない。
たったそれだけ!?という低い報酬。
(どこの業界もそうですが、
大手が中小を食いつぶしていきますね。
大手

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風に立つ柚月裕子2024年中央公論新社№752

風に立つ柚月裕子2024年中央公論新社№752

「補導委託」をご存じでしょうか?
問題を起こし家裁に送られてきた
少年を一定期間預かる制度。

盛岡で昔ながらの製法を守る
小さな南部鉄器の工房を営む
寡黙な親方が
突然、補導委託を始めると言い出した。

そこへやって来たのは
進学校に通っていた16歳の少年。

ラストはあり得ないくらい
綺麗にまとめすぎですが
二つの親子のわだかまり、
見えない壁が崩れていきました。

子どもの幸せを
誰よりも願

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ぼくは青くて透明で 窪美澄2024年文藝春秋№749

ぼくは青くて透明で 窪美澄2024年文藝春秋№749

高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。海

璃子
美佐子
録亮
人間臭い個性的な面々が
あちこちで頭を打ちながらも
前に進んでいく。

高校一年生の時に
海と忍は出会ってしまう。
幼いころから抱える違和感。
やっと出会えた二人💓
田舎では異質な目で見られる。
東京の大学へ進学しよう!
が、理想通りにはなかなかいかない。

海の実母は突然姿を消す。
継母、美佐子さんは
海が6歳の時に母親になる。

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母の支配から自由になりたい -「私」を取り戻すための10のステップ-グラハム子2023年佼成出版社№726

母の支配から自由になりたい -「私」を取り戻すための10のステップ-グラハム子2023年佼成出版社№726

著者の母親は40歳で出産。
一人っ子の著者を愛するあまり、
無自覚に支配していた。
進路、二重に整形、習い事、部活、就職、生き方。
人生のほとんどを母親が決めてきた。

学生時代に、もしかしてうちのお母さんはおかしいの?と
疑問がわくまでは、どこの家庭もそうだと思っていた。
大学進学で実家を出てからも、
母親からの見えない呪縛に苦しむ。
就職も、世間体が良く、
お母さんが喜んでくれそうな教職へ。

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。辻村深月2012年講談社№719

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。辻村深月2012年講談社№719

女性同士の、嫉妬、マウント、
羨望、意地、陰口など
表現が大げさすぎる感はあるけれど
ありありと見せつけられる小説です。
色んな角度から、立場から、
女性がたくさん関わってくる。

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誰が見ても、怖いくらい仲良し母娘。
その娘チエミが母を殺害、逃走。
それは何故?

私が今の通勤ルートになって8年。
毎朝すれ違う、母娘がいます。
娘さんはもう高校生で

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52ヘルツのクジラたち 町田そのこ2020年中央公論新社 №685

52ヘルツのクジラたち 町田そのこ2020年中央公論新社 №685

「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」

2021年本屋大賞1位作品。
辛い、読んでいて辛い物語でした。
結末で救われるので安心して読んでください。

52ヘルツのクジラの声は
どれだけ発してもほとんどのクジラには聞こえない。

発しているのに聞こえない声。
人間も同じ。
「苦しい!」「助けて!」が聞こえない。
隣に座った人が発しているかもしれないのに、
私の受信機は作動しない

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傲慢と善良 辻村深月2019年朝日新聞出版№674

傲慢と善良 辻村深月2019年朝日新聞出版№674

進学、就職、恋愛、友情、結婚、家族·····。
あらゆる選択をしてきたのは、
本当に「私自身」なのだろうか。

誰もが『傲慢さ』『善良さ』を持っていますよね。
それが、物語の中の人物によってあぶり出されていく。
小説で客観視することで、
自分を見つめることが出来る。
でないと、なかなか気づかないことですね(;^_^A

婚活で出会った婚約者の真実が突然失踪。
架は彼女の行方を探す中で、
彼女の過去

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母のお酒をやめさせたい 三森みさ2022年KADOKAWA№670

母のお酒をやめさせたい 三森みさ2022年KADOKAWA№670

お酒を飲んでいないお母さんは優しい。
だけど、お酒を飲んでいるお母さんと
一緒にいると、いつも苦しくなる

依存性の本人も、家族も苦しい。
それが子どもだと、依存症がいる家庭が
当たり前の世界なので、
おかしいと気づくことさえない。
この作品は子どもからの目線で
描かれているものが多い。
子どもたちの苦しみは表にでてこないから。
助けも支援も受けられないまま大人になる。
親の問題は子どもがどれだけ

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わたしたちに翼はいらない 寺地はるな2023年新潮社№668

わたしたちに翼はいらない 寺地はるな2023年新潮社№668

「生きる」ために必要な、
救済と再生をもたらすまでのサスペンス。

同じ地域に生まれ育ち、一見、普通の生活をしている3人。
複雑な心理描写が上手です。
どこにでもありそうな人間関係。
外側からではわからない、それぞれの秘めた事情。

いじめられた側は何年経っても忘れない。
「あいつを殺してから死のう。」
そう思ったところから始まる物語。

読んで頂きありがとうございます。
よろしければフォローお願

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宗教2世サバイバルガイド -ぼくたちが自分の人生を生きるためにできること-正木伸城2023年ダイヤモンド社№661

宗教2世サバイバルガイド -ぼくたちが自分の人生を生きるためにできること-正木伸城2023年ダイヤモンド社№661

「自立」とは「依存先を増やしていくこと」
人・本・旅を通じて様々な価値観に触れる。
そして自分が安心出来る居場所を増やしていく。

私が著者の正木伸城さんを見つけたのはTwitter。
「何この名前?100%学会員やん」
よく読むと、なんと正木さんの息子さん!
正木さんは創価学会の№2
誰もが知る大幹部の息子さんです。

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創価学園に中学・高校・大学

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絶叫 葉真中顕2014年光文社№652

絶叫 葉真中顕2014年光文社№652

陽子の人生が凄まじい。
彼女の安心できる居場所はなかったのか。
社会から見捨てられた人々の行く末は。

ある時、自宅で孤独死。
数か月後、多頭飼いの猫に喰われた姿で発見。
一体、彼女に何があったのか?
事件か事故か?
陽子の描写を第三者が語っていく。
その第三者の正体が物語を急展開させていく。

最後に明かされるトリック。
実際やっても発覚しなさそう💦

社会派ミステリー、
社会問題をこれでもか

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「神様」のいる家で育ちました -宗教2世な私たち-菊池真理子2022年文藝春秋№614

「神様」のいる家で育ちました -宗教2世な私たち-菊池真理子2022年文藝春秋№614

宗教2世として、生まれ育った子どもたち。
宗教ありきの生活が当たり前と思って育つ。
成長と共に、学校、社会と出ていく中で、
あれ?と思うことが多々出てくる。

本書は7人の宗教2世たちが育ってきた家庭を描く
ノンフィクションコミック。

同じく、宗教2世の私には
「わかる、わかる」が満載でした。
他宗教は邪教。
正しいのは自分たちだけ。
信じてない人は地獄に堕ちる。
素晴らしい教えで救ってあげよう

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母という呪縛 娘という牢獄 齊藤彩2022年講談社№612

母という呪縛 娘という牢獄 齊藤彩2022年講談社№612

「モンスターを倒した。これで一安心だ。」

2018年1月20日深夜3時42分。
これは31歳の娘が58歳の母を
殺害した後につぶやいたTwitterの一文。

頭、四肢は萌えるごみ。
胴体は捨てきれず、河川に破棄。
3月10日発見される。

あまりにも壮絶なルポでした。

教育熱心な母妙子。
娘あかりは
中高一貫校に合格。
その頃、父は家を出て別居。
二人きりの生活が始まる。
国立医学部を目指す

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