柚月裕子

書評|凶犬の眼

何事にも良しあしがある。その考えがふと頭に浮かぶ場面が最近は多い。なるべく大局的に物事を把握し、本質を捉えたいと思う。そのためには、さまざまな視点に立つことが必要であり、長期的に見ればバランスを見出すことが重要になる。僕が高校生の頃から思っていることだ。この後の文中では作品の核心や結末が示唆されているため、気になる読者は読むのを避けてもらいたい。

 柚月裕子の『凶犬の眼』は一言で言えば「バランス

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書評|孤狼の血

警察小説に以前から魅了されている。横山秀夫の『64』『第三の時効』、今野敏の『隠蔽捜査』シリーズなどがそれに当たる。犯罪を追う非日常性やそこに内包される謎解きの要素はもちろんのこと、ベールに隠された警察組織の内部を垣間見られること、極端に上意下達のマッチョな環境の下に描かれた人間模様も興味深い。今まで言葉にしたことはなかったが振り返ると、そのような考えに行き着く。柚月裕子の『孤狼の血』も同様だ。こ

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読書メモ「検事の本懐」

「人間性に年齢は関係ない。その人間が持つ懐(ふところ)の深さは、生きてきた時間の長さではなく、その中で培われた価値観や倫理観によるものだと思う。
若くても懐が深く底が見えないやつもいれば、歳をくっていても底が透けて見えるやつもいる。」

著者:柚月 裕子

検事・佐方貞人シリーズ

ストーリーのおもしろさはもちろん、ハッとさせられるセリフが多くある作品が好きです。

嬉しいです!

合理的にあり得ない 上水流涼子の解明:柚月裕子:Let's 妄想キャスティング!

「合理的にあり得ない 上水流涼子の解明」(079/2020年)

こんな柚月も楽しいかも。多作品に比べれば、ライトでちょっとユーモアも入ってる、所謂トラブルシュータ―ものです。10年前だったら、映像化は篠原涼子で確定だったと思います。現在だと、誰だろう。色々あっての佐々木希とか、いかがでしょうか?

確率的にあり得ない、合理的にあり得ない、戦術的にあり得ない、心情的にあり得ない、心理的にあり得ない

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見ていただいて、感謝です
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フツーに面白い:読書録「合理的にあり得ない」

・合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
著者:柚月裕子
出版:講談社文庫

読むなら映画化された「孤狼の血」あたりがいいのかもしれませんが、なんかチョット重そうな感じがしたんでw、ここら辺から。
罠に嵌められて弁護士資格を剥奪された美人探偵と、東大&IQ140の天才助手が活躍する短篇集(5作)です。
期待通り、「軽く」読めましたw。

「探偵と助手」なんですけど、事件そのものは「推理で解決」という

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感謝!…です!
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映画「孤狼の血」感想

映画、孤狼の血を拝見しました!

原作は柚月裕子さんの小説。監督は『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』で知られる白石和彌(しらいし かずや)さんです。

ストーリーはある事件をきっかけにやくざの組み同士の抗争に発展しそうになり、それを担当する警察官が止めることに奮闘するお話です。(ザックリ)笑

仁義なき戦いの最新版みたいでした。(私は仁義なき戦いをあまり見たことがありませんが。。。)笑

昭和の時代

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ありがとうございます。
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2020/05/最近読んだ本などについて(その4)

おはよう。

5月は当社比で割と本を読んだのだけれど、大作漫画が2作含まれていて頭の中が整理し切れないでいる。

感想を書き出すと割とスッキリ理解出来るので、早めに書けたらなぁと思いながらも今回はそれ以外の感想を書いてしまった。

・内田樹/サル化する世界(文藝春秋)
よく文藝春秋のネット記事で内田先生の記事が流れてきて、物凄く丁寧な言葉で怒る人だなぁと思っていて、憂う印象が強い人とか、当たり散ら

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え!スキだなんて!ありがとうございます!!
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読書メモ 「あしたの君へ」柚月裕子

【1.概要】

 家庭調査官補である望月大地が、家庭裁判所での実務修習で出会う人々との物語を描いた全5話からなる短編小説集。

心がほっこり ⭐️⭐️⭐️⭐️
読み易さ   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
オススメ   ⭐️⭐️⭐️

【2.詳細】

 家庭調査官には、離婚や相続問題を取り扱う家事事件担当と少年犯罪を取り扱う少年事件担当に役割ごとに分けられる。大地は担当となった事件で家庭調査官補として少

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2020/04/最近読んだ本について

本を読んだり映画を観ると、再現という域に到底及ばない、一要素を引っ張ってきた設定の夢をみることがよくある。
最近、少しだけ哲学関連の本を読んだ夜に、自己啓発セミナーの設営のバイトに行ったら、バイト代から参加費を引いた分を支給されて「公演を見て行くように」と言われ腑に落ちない気持ちのままセミナーを観覧するという夢をみた。
人どころか自分に言っても仕方のない事なのだけれど、中途半端に引用するのをやめて

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え!スキだなんて!ありがとうございます!!
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狂犬の眼:柚月裕子:遂に始まるのか…

「狂犬の眼」(049/2020年)

いやね、やっぱ、ヤクザには憧れてしまうわけですよ。もちろん、「必要悪」なんかじゃなくて「悪」ってことは理解していますよ。でも、なんでしょう、映画「ゴッドファーザー」然り、このシリーズ然り、圧倒的に惹かれてしまいます。

冷静に分析すると、ヤクザの中の格差がそういう気持ちにさせるのかもしれません。「人間のクズの10,000乗」みたいな反吐が出るような奴がいる一方

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見ていただいて、感謝です