読書感想文 柚月裕子 臨床真理
デビュー作がこれだったのか
最近はまっている柚月裕子作品。孤狼の血のような悪徳警察小説でない作品では、事件の設定が理不尽かつ重厚で読み出しはヘビーに感じる。今回は知的障害者が関与するので、意思疎通ができるかという点がポイントになる。ここに発言の真偽が色に見えるという特殊能力を持ってきたのは、超能力という非現実のように見える行動も障害者と組み合わせることで常識を超えた存在という共通点を見いだすことが出来、読者に無意識のうちに無理なく受け入れられるように環境を整えている。本