長江貴士

これまで4000冊近くの本を読んできました。 「文庫X」とか「帯1グランプリ」とかやり…

長江貴士

これまで4000冊近くの本を読んできました。 「文庫X」とか「帯1グランプリ」とかやりました。 『書店員X』(中央公論新社)とか『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんて マジ絶望』(秀和システム)とか著作があります。 なるべく、フラフラと適当に緩やかに生きていきたいです。

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    • 【映画】「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」感想・レビュー・解説

      これは面白い物語だったなぁ。もちろん「フィクション」だろうが、ただ、「月面着陸が失敗した時に備えて、フェイクの映像を用意しておく」というのは、本当に行われててもおかしくないなと思う。いや、アメリカという国なら、それぐらいのことはやるだろう。となれば、「証明は出来ないが、描かれていることには事実も含まれているのではないか」と考えることも可能だろう。 さらに、昔から「月面着陸の映像は本物なのか?」という疑惑は存在する。まあ僕は、そういう話は信じていない。本作中には「フェイク映像

      • 「特集:<友情>の現在」(現代思想Vol.52-9)を読んで友達とか友情とかなんやかんやについて色々考えた

        友人から、現代思想の「<友情>の現在」の特集号の写真と共に、「めっちゃおもしろい……刺さりまくり」とLINEが来た。というわけで久々に「文字を読んで感想を書く」ということをしてみる。 そもそも、友人からそんなLINEが届くことが僕にとってはとても良い状態だ。というのも、明らかにこのメッセージは、「僕にも刺さるはず」という意味を含んでいるからである。本書に書かれているようなことを、その友人とはよく話しているので、「たぶん刺さるから読んでみてもいいかも」みたいな意味で連絡をくれ

        • 【映画】「メイ・ディセンバー ゆれる真実」感想・レビュー・解説

          なかなか奇妙な設定の物語だった。「実話を基にした映画」で、こんな構成の物語は、あまり見たことがないような気がする。 というわけでまずは、「本作で取り上げられている事件」と「本作の構成」について触れておこう。 本作で取り上げられるのは、一般的に「メイ・ディセンバー事件」と呼ばれている出来事である。1997年に発覚したもので、「前年に、36歳の女性教師が、12歳の少年と不倫関係に陥った」というものだ。女性はこの「情事」によって懲役7年の実刑判決を受けた。アメリカの法律のことは

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        • 【映画】「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」感想・レビュー・解説

        • 「特集:<友情>の現在」(現代思想Vol.52-9)を読んで友達とか友情とかなんやかんやについて色々考えた

        • 【映画】「メイ・ディセンバー ゆれる真実」感想・レビュー・解説

          【映画】「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」感想・レビュー・解説

          いや、良い話だった。良い話だったなぁと思う。でも、なんでだろうなぁ、あんまりぐっとこなかった。良い話なんだけどなぁ。 さて、相変わらず僕は、内容を知らずに映画を観に行っているので、冒頭からしばらくの間「何を描こうとしているのか」が全然分からなかった。本作は、「イタリアの潜水艦が、敵対するイギリスの物資を運んでいたベルギーの輸送船の乗組員を救った」という実話を基にした物語なのだが、その話が展開されるのは、物語の中盤ぐらいからである。冒頭からしばらくは、コマンダンテ・カッペリー

          【映画】「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」感想・レビュー・解説

          【映画】「アイアム・ア・コメディアン」感想・レビュー・解説

          良い映画だったなぁ。僕は特に、村本大輔のことを好きでも嫌いでもなく、彼がライブの中で口にしていた表現を使えば、「目が合っていなかった」という感じだが、本作を観て僕は、彼と目が合った気がする。まあ、直接会ったことはないが。 本作は、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔に密着したドキュメンタリー映画である。本作では彼を、「テレビから消えた男」と評しているのだが、まずはその辺りの事実関係から触れていこう。 本作には、吉本興業のマネージャーが登場し、「ウーマンラッシュ

          【映画】「アイアム・ア・コメディアン」感想・レビュー・解説

          【映画】「リッチランド」感想・レビュー・解説

          うーん、という感じの映画だったなぁ。と書くと誤解されそうな気がするので、まずはその辺りの話から。 本作で描かれているのは「リッチランド」というアメリカのある街である。ここは、「ハンフォード・サイト」と呼ばれる場所の近くにあり、ハンフォード・サイトで働く者たちが居住する街として作られた。たった一晩で2万5000人が住む街が出来た、みたいな紹介がされていたと思う。 ではハンフォード・サイトでは何が行われていたのか。それが、プルトニウムの生産である。長崎に落とされた通称「ファッ

          【映画】「リッチランド」感想・レビュー・解説

          【映画】「温泉シャーク」感想・レビュー・解説

          いやー、ホント、クソ酷オモシロ映画だった!(褒めてます) ホント、これは「人に勧められる酷い映画」だなぁ(褒めてます)。制作側が完全に、「酷いねこれ!」って言われるの待ちみたいな感じで映画を作ってると思うんで、こういう言い方は全然アリだと思う。さらに、何を言っているか分からないだろうが、途中から『シン・ゴジラ』みたいな展開になる。そしてそれを、超低予算だろうクオリティで映像化してくので、そういう無茶苦茶さ込みでなかなか面白かったなと思う。 ただ、ストーリーは割とちゃんと作っ

          【映画】「温泉シャーク」感想・レビュー・解説

          【映画】「フェラーリ」感想・レビュー・解説

          なかなか面白い作品だったが、思っている感じの作品とは少し違った。なんとなく、「レースに全精力を掛ける人間の狂気」みたいな、『フォード vs フェラーリ』や『グランツーリスモ』みたいな感じだと思ってたのだけど、そうではなく、どちらかと言えば「家族の物語」だった。「だからつまらなかった」ということはないのだが、自分の中でそこまでグッと上がってくる感じはなかったなぁ。 エンツォ・フェラーリが置かれた状況についても、「まあ、お前のせいだろ」みたいな感じにどうしても思えてしまうから、

          【映画】「フェラーリ」感想・レビュー・解説

          【映画】「THE MOON」感想・レビュー・解説

          韓国映画のこういうド級のエンタメって、やっぱり面白いよなぁ。本作も、まあ面白かった。「エンタメを観て気分を上げて感動したい!」みたいな人には最高の映画だろう。ホント、良く出来てるなぁ。 ちょっと前に観た韓国映画『非常宣言』も同じだったのだけど、本作『THE MOON』も、とにかく「いやいや、そこからどうにかするのはもう無理でしょ?」みたいなことに何度もなる。『非常宣言』は、冒頭から「飛行機内で未知のウイルスによるテロが発生する」という「マジ無理な状況」だったが、本作の場合も

          【映画】「THE MOON」感想・レビュー・解説

          【映画】「ルックバック」感想・レビュー・解説

          観るまで思い出さなかった。そういえば、本作『ルックバック』の原作マンガが発表された時に物議を醸したことを。いや、それも僕は、特段詳しくは知らない。そもそも、原作マンガを読んでいないし、その時のニュースを自分がどう感じたのかも覚えていない。 というわけで僕は、映画の話だけをする。 つもりなのだが、やはり少しだけ。個人的には、「原作マンガが発表された時に批判が出たこと」に、少し違和感を覚えてしまう。「実在の事件を想起させる設定」を取り込んだからこその批判なわけだが、例えば「そ

          【映画】「ルックバック」感想・レビュー・解説

          【映画】「退屈な日々にさようならを」「街の上で」「サッドティー」を観に行ってきました(今泉力哉監督オールナイト上映『退屈な日々に街の上で』)感想・レビュー・解説

          上映が始まる直前になっても、僕の前の席が空いていたので、もしかしたらここに今泉力哉が座るのか? と思った。というのも、少し前に観た「情熱大陸」で同じようなシーンがあったからだ。オールナイト上映の際に、客席の端っこに座っていた今泉力哉がそのまま登壇するというシーンだ。そして予想通り、今泉力哉が僕の前の席に座ったので驚いた。 というわけで、テアトル新宿で行われた「odessa Midnight Movies」の第19弾、「今泉力哉監督オールナイト上映『退屈な日々に街の上で』」を

          【映画】「退屈な日々にさようならを」「街の上で」「サッドティー」を観に行ってきました(今泉力哉監督オールナイト上映『退屈な日々に街の上で』)感想・レビュー・解説

          【映画】「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」感想・レビュー・解説

          観る前から、良い話だろうということはもちろん分かっていたけど、やっぱり良い話だった。これは観て良かったなぁ。アンソニー・ホプキンス(この人、ハンニバル・レクター博士なんだよな)の演技に、ちょっと圧倒されたなぁ。メチャクチャ良かった。思わず涙させられてしまった。 さて、作品の内容に触れる前にまず、「1988年にイギリスで大いに話題になったこの実話が、どうして2024年に映画化されたのか」について触れておこうと思う。公式HPに書かれているのだが、本作はなんと15年前から企画がス

          【映画】「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」感想・レビュー・解説

          【映画】「朽ちないサクラ」感想・レビュー・解説

          いやー、やっぱり杉咲花が最高だなぁ。特段ファンというわけでもないつもりなんだけど、最近どうも、杉咲花が映画に出ていると「観よう!」という気分になってしまう。少し前に観た映画『52ヘルツのクジラたち』もそうだったが、本作もやはり「杉咲花を観に行った」という感じである。 ただ、本作では、安田顕も素晴らしかったなぁ。冒頭からなんとも言えない雰囲気を出しているのだけど、彼の演技あって成立した物語という感じもする。 地味と言えば地味な物語ではあるのだが、役者の演技にも支えられ、実に

          【映画】「朽ちないサクラ」感想・レビュー・解説

          【映画】「フィリップ」感想・レビュー・解説

          なかなか凄い恋愛を描く物語だった。普通ではまずあり得ない状況だが、「戦争」という異常な状態だったことで成立したと言えるだろう。これが実話であるということにも驚かされる。 というわけで、まずは本作の「実話」という部分に触れておこうと思う。 本作には原作となった小説がある。ポーランド作家レオポルド・ティルマンドが書いた『Filip』(恐らく未邦訳)である。1961年に出版されたのだが、その時点でポーランド当局の検閲が入っており、大幅に削除されたそうだ。そしてその後、すぐに発行

          【映画】「フィリップ」感想・レビュー・解説

          【映画】「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」感想・レビュー・解説

          「♪オラは死んじまっただ~」の人なのか! みたいなことさえ知らずにこの映画を観る人間はそういないだろう。彼が自殺したことも知らなかったし(だから途中まで、どうして加藤和彦は出てこないんだろう、と思っていた)、作中に過去映像なのか一回だけ加藤和彦が出てきた気がするのだが、彼のことを知らないので「気がする」みたいなことしか言えない(他の出演者は、初出の時に名前と肩書きが表示されたのに、その人物だけ出なかったから、それで、恐らく加藤和彦なんだろうと判断した)。それに、結局最後まで観

          【映画】「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」感想・レビュー・解説