【映画】「ナチ刑法175条」感想・レビュー・解説
僕が「刑法175条」という法律の存在を知ったのは、少し前に観た映画『大いなる自由』でのことだった。驚いた。ドイツでは長らく「男性の同性愛」が刑事犯罪だったからだ。1871年、ナチスによって制定されたこの法律は、幾度かの改訂を繰り返しながら、なんと1994年まで存在したそうだ。映画『大いなる自由』は、そのような時代を生きた男の辛い人生を描き出す物語である。
『大いなる自由』の描写で驚かされたのは、主人公の男性が「強制収容所にいたことがある」と語っていたことだ。僕はそれまで強制