記事一覧
【映画】「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」感想・レビュー・解説
さて、相変わらず僕は、よく知らない人物のドキュメンタリー映画を見に行くのだが、今回はジョン・ガリアーノ。本作を観る前(正確には「本作の予告を観る前」)の時点で僕は、「ジョン・ガリアーノ」という響きを耳にしたことはあったと思うけど、それが「ファッションデザイナー」とは結びついていなかったと思う。本作で扱われる、彼がキャリアをすべて捨てることになった出来事についても知らなかった。
そんなわけで僕は、
【映画】「侍タイムスリッパー」感想・レビュー・解説
いやー、これはなかなか面白い映画だったなぁ!自主制作映画とは、驚きだ。
さて、本作『侍タイムスリッパー』のことを知ったのはたぶん、一昨日ぐらいだと思う。先週の金曜日ぐらいから全国で拡大公開されたことを伝える記事の見出しだけ見たのだ。そこには「カメ止めの奇跡再来」と書かれていた。「カメ止め」とはもちろん映画『カメラを止めるな!』のことだ。そして本作『侍タイムスリッパー』も『カメラを止めるな!』と同
【映画】「ぼくのお日さま」感想・レビュー・解説
なるほどなぁ、そんな話なのか。ちょっとビックリした。この作品については、映画館で何度も観たが、こんな感じの物語だとは想像できなかった。
とても良かったなと思う。
本作はとにかく、フィギュアスケートというモチーフがとても良い。作中ある人物が、「フィギュアスケートは女のスポーツ」と口にするのだが、確かに大雑把にはそんな印象があるだろう。また、これはフィギュアスケートのコーチ・荒川のキャラクター造形
【映画】「チャイコフスキーの妻」感想・レビュー・解説
天才作曲家チャイコフスキーの妻は、「世紀の悪妻」と評されているそうだ。本作の予告を観るまで、そもそもその事実を知らなかった。そして本作は、そんな妻アントニーナの視点で結婚生活を描く物語である。
ただ、先に書いておくと、本作は「実話」というわけではなさそうだ。映画の最後に、「実際にはアントニーナは、夫と別居して以来、40年間夫と会うことはなく、1917年に精神病院で亡くなった」と字幕で表記されるか
【映画】「僕はイエス様が嫌い」感想・レビュー・解説
宗教(一神教)と妖怪は似ていると思う。
民俗学に詳しいわけではないので的外れかもしれないが、「妖怪」というのは基本的に、「当時の知識では説明できない出来事に理屈を付けるため」に生み出されたはずだ。例えば「木霊」という妖怪。樹木に宿るとされる精霊だそうだが、「やまびこ(山で大きな声を出すと反射して聞こえる現象)」は、この「木霊」が起こしている現象だとされている。現在の知識では「やまびこ」はまた違う
【映画】「掟」感想・レビュー・解説
さて、いつものことだが、僕は石丸伸二には全然興味がない。というかむしろ、「嫌いなタイプの人間だなぁ」と感じていた。そして個人的に、「どうして石丸伸二は支持されているんだろう?」ということを知る一端になるかもしれないと思ってこの映画を観てみることにした。
僕はとにかくネットをほとんど見ないので、僕が知っている「石丸伸二」は、「テレビで取り上げられた姿」だけである。恐らくこんな風に書くと、彼を支持す
【映画】「ボストン1947」感想・レビュー・解説
いやー、これはメチャクチャ面白かったなぁ。いやもちろん、日本人である僕が「面白かった!」と書くのは憚られる部分もあるのだが。
本作の物語(というか実話)が生まれたのは、日本のせいだからだ。
物語は1946年に始まる。8月、国民の英雄ソン・ギジョンの名を冠したマラソン大会がソウルで開かれたのだ。ソン・ギジョンがベルリンオリンピックのマラソンで金メダルを獲得してから10周年を記念する大会だった。
【映画】「劇場版 アナウンサーたちの戦争」感想・レビュー・解説
まったくノーマークの作品で、映画の存在さえ知らなかったが、なかなか面白かった。「劇場版」というタイトルをあまり気にしていなかったが、どうやら元々はNHKのテレビ放送だったようだ。それが映画版として再編集されたということだろう。「役者がかなり豪華なのに、どうしてこの映画の存在を知らなかったんだろう」と思ったのだけど、そういうことならなんとなく理解できる。
東日本大震災の時だったと思うが、こんなエピ
【映画】「ラストマイル」感想・レビュー・解説
なかなか面白い映画だった。ちなみに僕は『アンナチュラル』も『MIU404』も観ていない。いや、「観ていない」と書くと嘘になるか。年末年始に、人気ドラマを一気に放送したりする時間があるが、それでどちらの作品も何話かだけ観た記憶がある。だから、設定とか雰囲気とかはなんとなく知っているけど、詳しいことは分からない。そんな人間が観た感想である。
まずは内容の紹介から。
11/24、ブラックフライデーの