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論語とともに見る社会

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とらまる×論語普及会 論語普及会会員のとらまるが論語にふれた記事と、普及会の記事をまとめて収録しています。
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#人生観

成功者のバイブル…論語を愛し、活用した偉人達

成功者のバイブル…論語を愛し、活用した偉人達

新一万円札の顔となった「近代日本経済の父」渋沢栄一も論語を愛した一人です。
彼が著した『論語と算盤』は非常に有名です。

彼は論語でいう「君子」を「紳士」ととらえ直し、
自らの生き方と当時の日本を成長させるうえでのバイブルとしていました。

論語から生き方、人と社会の導き方を学び、
己を支える拠り所とし、
明治維新後の日本経済と、
500もの企業の発展に尽力しました。

現京セラ㈱の設立者・稲盛和

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人と社会のみちしるべ…論語とは

人と社会のみちしるべ…論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。

論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。

ですが実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、
それぞれが生き方、政治や国

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人不己知...人が自分を認めてくれないのを気にすることはない。

人不己知...人が自分を認めてくれないのを気にすることはない。

子(し)曰(のたま)わく、人の己を知らざるを患(うれ)えず、其の不能を患(うれ)うるなり。
(憲問第十四、仮名論語二百十七頁)

先師(孔子)が言われた。
「人が自分を認めてくれないのを気にすることはない。
 自分にそれだけの能力がないのを気にすることだ」

昨年、荊妻に難しい病気が見つかり、
手術までの一ヶ月は本人より私の方が沈んだ。

普段は朝からクラシック音楽を聴いている。
作曲家はシベリウ

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忠恕一貫...まごころ(忠)からなるおもいやり(恕)

忠恕一貫...まごころ(忠)からなるおもいやり(恕)

子曰(のたま)わく、參(しん)や、
吾が道は一(いつ)以(もっ)て之(これ)を貫く。
曽子(そうし)曰わく、唯(い)。
子(し)出ず。門人問うて曰わく、何の謂(いい)ぞや。
曽子曰わく、夫子(ふうし)の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ。
(里仁第四、仮名論語四三頁)
先師(孔子)が言われた。
「参(曾子の名)よ、私の道は一つの原理で貫いている」
曾子が「はい」と歯切れよく答えられた。
先師は満足げに出

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百物生焉...「天は何を言うだろうか」

百物生焉...「天は何を言うだろうか」

子曰(のたま)わく、天何をか言うや、四時行われ百物生ず、天何をか言うや。
(陽貨第十七、仮名論語二七三頁)
先師(孔子)が言われた。
「天は何を言うだろうか。春夏秋冬の四季はめぐっているし、万物は自ら生長しているではないか。天は何を言うだろうか。」

歳を重ねると、天の運行の律動(リズム)に近くなるように感じる。

太陽が昇ろうとすると目が覚め
沈もうとするとお腹が空き
満ちると眠くなる。

若き

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未知生死...「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

未知生死...「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

曰わく、敢(あえ)て死を問う。曰(のたま)わく、未だ生を知らず、焉(いずく)んぞ死を知らん。
(先進第十一、仮名論語一四六・一四七頁)
子路(孔子の弟子)が「死とはなんでしょうか」と問うた。
先師は言われた。「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

孔子の弟子、子路に限らず、死について問いたいと思うのは、古今東西誰も皆同じである。

人はどこから来てどこへ行くのか。
聖人賢人のみならず、

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教育とは“人格教育”でもある

教育とは“人格教育”でもある

元々日本の”教育”というものは、苦手なことを少なくし、
人格を磨くことを美点としていました。

これは日本が中国から文化や思想を取り入れていく中で根付いてきたものです。

私達日本人の根っこには人格や行動を磨くといった感性があるのです。

だから日本の学校には”道徳の時間”があるのです。

海外では日本ほど道徳的教育に取り組んでいません。
例えば、ヨーロッパ圏の国では、学校はあくまで知識や学問を教

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頑張ることが今日明日の生き方を変えていく

頑張ることが今日明日の生き方を変えていく

これは論語に出てくる私の好きな章句の一つです。

私はこの言葉を通して、力の限り努力する・頑張る意識を持ち続けることの大切さを改めて感じます。

現代人、特に若者・働き世代はこの心意気が足らないのを
私は残念に思います。

私は”頑張る”という言葉が好きです。
頑張ることは生きることだからです。
頑張っているから生きていることを実感できるのです。

頑張れば頑張っただけ、成果や自分の実力、将来がそ

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