- 運営しているクリエイター
#エッセイ
あの日の焼きそばと「PV=C/(r-g)」
投資銀行の勤務時間は9時5時で、これは朝9時から朝5時の意味である。終電を見送りながら晩御飯を食べ、始発と競争する毎日だった。帰宅してシャワーを浴びたらスーツを着て、そのまま玄関で寝た。
僕がそんな世界に入ったのは、大学を2留したからだ。それでも受け入れてくれる会社を探していた。面接ではたまたま前日に観たニュースについて聞かれ、僕はまるでイタコのようにニュースキャスターの口ぶりを真似した。そのま
TOEIC915点をとって私が得たものは、点数じゃなかった
しばらく、これを書こうか書くまいか、迷っていた。
私はマウンティングのようなものが大嫌いだ。自分はこんなに出来るんだぞ、こんなに良いものを手に入れているんだぞ、というような、ネットでも現実の世界でもよくある、マウンティングが。だから、客観的に少しでも「マウンティング」のように受け止められかねないことはあまり書きたくなかったし、そうして優しい読者の方が遠のいてしまうことは、私にとってはとても悲しい
店のメニューにはない「タラコスパゲティ」を注文できる人になるまでの話。
有名な料理にはそれなりに、客にまつわるエピソードがあるものだ。
ポテトチップスは「ジャガイモをできるだけ薄く揚げろ!できるだけだ!」と言った客に、店が意地になってフォークでさせないほどの薄さで揚げて出したら逆に喜ばれてしまってできた、とか。
ラーメンの麺が残っていたので、店員がまかないとして、濃い汁でモリソバのように食べてたら、客が「それうまそうだ、俺にもくれ!」と言われ「つけ麺」が誕生した、
なんてことのない作業が
朝6時20分に目覚ましが鳴る。眠い身体に鞭を打ち起き上がり、ヨーグルトを食べてスーツに着替え、最寄駅を7時前に出発するJR中央線に乗る。満員電車にぎゅうぎゅう詰めにされながら約40分、ひたすら目を瞑って過ごし、新宿駅に着いたら改札南口に出る。
会社は新宿新都心と呼ばれるエリアにそびえたつ高層ビルのひとつに入っていて、新宿駅地下の西口から伸びる地下道につながった場所にある。その地下道を通った方が早
自分へのインタビュー
Q.「仕事を一言で表すと?」
わたしはときどき、自分にもインタビューする。
ライターという仕事柄、さまざまな人への取材を毎週しているのだけれど、自分がした質問に、聞いた自分は上手く答えられるだろうか?と、よく不安になる。
「次に目指すことはなんですか?」
「これまでの人生で、転機はありますか?」
「忘れられない経験は、ありますか?」
とても難しい質問だと思う。答えてもらうたびに、内