Cherry

綺麗だなと思う時、写真を何気に撮ったりしています。心や気持ちに染みる景色や言葉を大切に…

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綺麗だなと思う時、写真を何気に撮ったりしています。心や気持ちに染みる景色や言葉を大切にしたいです。 中3から現在まで書いている2種類の日記が趣味というか、習慣です📖 小説やエッセイも読んで頂けたら幸いです💗

記事一覧

パーカーを着た少女【イラスト】

Cherry
3年前
56

ある街での出来事⑨【小説】

年が明けてからは、予想していたとおり彼に会える日はほとんどなかった。 ドーナツショップに行くと、たまに友人が、 「昨日、河野さんお店に来てたよ。」 と、教えてく…

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3年前
43

ある街での出来事⑧【小説】

大晦日。 もう夜の19時を過ぎていた。 私は自宅で紅白歌合戦を観ながら、腕時計の時刻と電話を気にしながら、そわそわと落ち着かなかった。 黒いバッグの中には、車の中…

Cherry
3年前
42

ある街での出来事⑦【小説】

秋が深まり、日が落ちていくのがもうずいぶんと早くなっていた。 あれから彼とは何度かバイトが一緒になることがあったけれど、親しく話をすることはなかった。 他の大学…

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3年前
29

ある街での出来事⑥【小説】

夏休みが終わり、学校の授業が始まった。 私はセールスでお店のカウンターに立っていた。 あの夏休みの最後の日以来、彼には会っていない。 けれども、どこの学校も試験の…

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3年前
35

ある街での出来事⑤【小説】

翌日私は、バイト先のスケジュールの書き間違いのせいで、ドーナツショップとコンビニの両方のシフトがだぶっていた。 私は彼が一人旅にそろそろ出発してしまうことを考え…

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3年前
32

ある街での出来事④【小説】

帰りは高速を使わず、公道をゆっくり走って帰ることになった。 熊本県を出てしばらく経った頃、もう雨はすっかり上がって雲は広がっているが、太陽が西のまだ少し高い所に…

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3年前
35

ある街での出来事③【小説】

日が昇った。 暦の上で今日は、「大暑」とあった。 まさに早朝から、太陽の日射しがギラギラ射さるほど暑い。 昨夜寝るギリギリ前まで、まだあまり持っていない服のアイテ…

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3年前
24

ある街での出来事②【小説】

久しぶりに、遅い時間にバイトが入っていた。 そして今日最後まで一緒にセールスをする女性は、山口さん。 この人も私よりひとつ年上で、明るくて華やかで社交的な人だ。 …

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3年前
11

ある街での出来事①【小説】

短大生になった私はアルバイトを探していた。 高校は私立の女子高で、けっこう校則が厳しかったので、アルバイトをすることは禁じられていた。 髪型も一定の規則があって…

Cherry
3年前
20

レースのような波【写真】

Cherry
3年前
20

階段でおかえりと呟く猫【写真】

Cherry
3年前
15

夏への階段【写真】

Cherry
3年前
14

素敵な宝物との出会いと再会【エッセイ】

先日あるCDのアルバムをネットで購入した。 かれこれ何十年も前から大好きな男性アーティストで、蛎崎弘さんという人がいる。 数枚しかCDをリリースされていないアーティス…

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3年前
13

最後は食堂で【短編小説】

突然、会社のお昼休みの食堂の入口に、あなたの姿が見えた。 またここで会えるなんて。 私の心は弾んでしまった。 私はある夏、2ヶ月契約のアルバイトで地方のテレビ局で…

Cherry
3年前
7

私が二十歳になった日【短編小説】

偶然その日は私の誕生日だった。 それも二十歳の誕生日だった。 早起きをして、お弁当を作って同じアルバイトの仲間達と野球大会に出かけたのだった。 二十歳を迎える心…

Cherry
3年前
6
ある街での出来事⑨【小説】

ある街での出来事⑨【小説】

年が明けてからは、予想していたとおり彼に会える日はほとんどなかった。
ドーナツショップに行くと、たまに友人が、

「昨日、河野さんお店に来てたよ。」

と、教えてくれるぐらいだった。
それでもこのバイトを離れてしまえば、彼とのつながりは何も無くなってしまう。
寂しさを抱えたまま続けていた。

気にかけていた佐伯さんは、就職が決まったということで最近バイトを辞めたと聞いた。
でも彼とはどういうふうに

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ある街での出来事⑧【小説】

ある街での出来事⑧【小説】

大晦日。
もう夜の19時を過ぎていた。
私は自宅で紅白歌合戦を観ながら、腕時計の時刻と電話を気にしながら、そわそわと落ち着かなかった。

黒いバッグの中には、車の中でみんなに分けてあげようと思っているキャンディーの箱が入っている。
それと、彼の誕生日にプレゼントしたレコードを録音したカセットテープが入っている。
これを車内で流したら、彼はどんな顔をするだろうか。

でも、やっぱり無理だったのかもし

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ある街での出来事⑦【小説】

ある街での出来事⑦【小説】

秋が深まり、日が落ちていくのがもうずいぶんと早くなっていた。

あれから彼とは何度かバイトが一緒になることがあったけれど、親しく話をすることはなかった。
他の大学の学園祭などが始まり、私は学校の友人と出かけて行ったりした。

もう確実に少しずつだが、彼のことは遠去かっていくようだった。
それに、私は彼のここのバイトの世界しか知らない。
彼の日常のほんの一握りの顔しか知らない。
そんなことを考えると

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ある街での出来事⑥【小説】

ある街での出来事⑥【小説】

夏休みが終わり、学校の授業が始まった。
私はセールスでお店のカウンターに立っていた。

あの夏休みの最後の日以来、彼には会っていない。
けれども、どこの学校も試験の時期に入り、久しく会っていない人が多かった。
私もたまたま今日シフトに入っていたくらいだ。

ふと、彼の姿が目の前に現れた。
彼は本当に不意にお店に現れる。
珍しく奥の休憩室に行かず、お店の席に座った。

後から何かを注文しにカウンター

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ある街での出来事⑤【小説】

ある街での出来事⑤【小説】

翌日私は、バイト先のスケジュールの書き間違いのせいで、ドーナツショップとコンビニの両方のシフトがだぶっていた。

私は彼が一人旅にそろそろ出発してしまうことを考えて、コンビニの方を断ることにした。
一昨日のドライブの日も外出先から急に断りの電話を入れてしまったので、かなり覚悟をしないといけないだろう。

しかし少しでも、彼と会える時間を大切にしたかった。
しばらく悩み考えた結果、思いきってコンビニ

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ある街での出来事④【小説】

ある街での出来事④【小説】

帰りは高速を使わず、公道をゆっくり走って帰ることになった。

熊本県を出てしばらく経った頃、もう雨はすっかり上がって雲は広がっているが、太陽が西のまだ少し高い所に位置していた。

「もう夕方なのに、まだ太陽が耀いていますよ。
やっぱり夏ですね。」

「ほんとだ、まだちょっと眩しいね。」

時間は18時近くになる。
私は、なぜ今日のドライブに誘ってくれたのか疑問を持っていた。
ほとんど話をしたことが

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ある街での出来事③【小説】

ある街での出来事③【小説】

日が昇った。
暦の上で今日は、「大暑」とあった。
まさに早朝から、太陽の日射しがギラギラ射さるほど暑い。

昨夜寝るギリギリ前まで、まだあまり持っていない服のアイテムの中から、それでも最強のコーディネートを考えた。
肩の上で結ぶデザインの、黒のノースリーブのトップスと、ベージュ地に黒のボタニカル柄で、所々紺色が散らばっているスカートに、白のサンダルと白のポシェットを合わせた。
出かける前に、精一杯

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ある街での出来事②【小説】

ある街での出来事②【小説】

久しぶりに、遅い時間にバイトが入っていた。
そして今日最後まで一緒にセールスをする女性は、山口さん。
この人も私よりひとつ年上で、明るくて華やかで社交的な人だ。
接客の合間にいろんな話をした。
つまらない私の話でも、山口さんは明るく笑って受けとめてくれる。

19時になる少し前に、ポーターの男性が来た。

「おはようございます。」

これはバイトで決められている、朝・昼・夜を問わない挨拶だ。
しか

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ある街での出来事①【小説】

ある街での出来事①【小説】

短大生になった私はアルバイトを探していた。
高校は私立の女子高で、けっこう校則が厳しかったので、アルバイトをすることは禁じられていた。

髪型も一定の規則があって、高校1年まではふたつ結びをして通学していた私は、ある時煩わしく思って肩の長さで切った。

けれど、それ以来なかなか長髪の許可をもらえず、とうとう残りの二年間は卒業するまで、絵に描いたようなおかっぱ頭で過ごすはめになってしまった。
卒業し

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素敵な宝物との出会いと再会【エッセイ】

素敵な宝物との出会いと再会【エッセイ】

先日あるCDのアルバムをネットで購入した。
かれこれ何十年も前から大好きな男性アーティストで、蛎崎弘さんという人がいる。
数枚しかCDをリリースされていないアーティストである。
今まで私のまわりで知っている人は誰一人いなかった。

知るきっかけは、アニメの『F』という再放送が夕方の平日に放送されていて、そのアニメがけっこう面白く、そのアーティストが歌っていたエンディング曲がすっかり気に入ってしまっ

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最後は食堂で【短編小説】

最後は食堂で【短編小説】

突然、会社のお昼休みの食堂の入口に、あなたの姿が見えた。
またここで会えるなんて。
私の心は弾んでしまった。

私はある夏、2ヶ月契約のアルバイトで地方のテレビ局で働いている。
一番暑い時期だ。

私は社会人になって間もないけれど、配属された放送部のアルバイトの人達は、大学生達がほとんどだった。
コマーシャルの画面上のチェックや、流すビデオテープの片付けなどが主な仕事の内容だった。

あなたはトレ

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私が二十歳になった日【短編小説】

私が二十歳になった日【短編小説】

偶然その日は私の誕生日だった。
それも二十歳の誕生日だった。

早起きをして、お弁当を作って同じアルバイトの仲間達と野球大会に出かけたのだった。

二十歳を迎える心境を考えるより、5人ぐらいは女性が集まることにはなっていたけれど、野球チームメンバー分のお弁当をうまく作れるのかという心配で、昨夜はなかなか眠れなかった。

勝ったチームには、ビール1ダースが贈呈されるらしい。
相手チームは違うお店の人

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