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素敵な宝物との出会いと再会【エッセイ】

先日あるCDのアルバムをネットで購入した。
かれこれ何十年も前から大好きな男性アーティストで、蛎崎弘さんという人がいる。
数枚しかCDをリリースされていないアーティストである。
今まで私のまわりで知っている人は誰一人いなかった。

知るきっかけは、アニメの『F』という再放送が夕方の平日に放送されていて、そのアニメがけっこう面白く、そのアーティストが歌っていたエンディング曲がすっかり気に入ってしまったのだった。
ちなみにYouTubeのコメントはけっこうホットである。
当時、このエンディング曲が入っていた全5曲のミニアルバムが発売されていることを知ってすぐに購入した。
ついでにアニメのサウンドトラックも購入した。
時々カラオケ店で、この曲とミニアルバムの最後の曲が入っていることがあり、驚きながらも嬉しくて迷わず歌ってしまう。

今回たまたま蛎崎弘さんの知らない曲が、ある別のアニメの『サイレントメビウス』というイメージCDに収録されているのを知り、早速購入してみた。
ちなみに、こちらも同時期の何十年も前の作品なので中古しか手に入らない。
10曲収められている中の2曲目だった。
私は彼の数少ない、知らなかった楽曲をこんなにも時を経てしまったけれど、知ることができてそれだけで満足だった。

だけれど、そのまま最後まで聴いていると、他の楽曲も心地よい気持ちになった。
私はこのアニメを全く存じ上げておらず、収録曲を歌う女性の方達はこのアニメの役を演じた声優の方々だった。
失礼ながら、全員の名前もお顔もわからなかったけれど、どの曲も声も素敵で何度も聴く度にやはり気になってきて調べた。

私は幼少からアニメは好きなほうで、弟がいたのでヒーロー物や戦闘物やあらゆるジャンルを観ていたほうだと思う。
それでもやはり、自分が観たいと思うチャンネル争いは絶えなかった。
主人公の少女が魔法物の作品などに魅了されていた私は、見逃さずに観ていたけれど、今になっていろんな作品を観ていて良かったと思う。
オレンジ色のミニワンピースの魔女っ子と、銀河の超ロングヘアーの黒衣装のヒロインは、フィギュアを昨年入手した。
数センチの大きさだけれど、3Dとのご対面は感慨深いものがあった。
テーブルの上に飾って毎日視界に入る。

日本のアニメがジャンルを問わず、創造性豊かな世界観やテーマが各作品に溢れ、世界に注目されるほどのクオリティの高さを誇るまでとは成人するまで気付かなかったことだけれど、幸せな環境にあったことだと感謝したい。
世界の文学作品のアニメも、子供なりに分かり易く視野や感性を大きくしてくれた。
ただ大人になるにつれ、なかなかアニメを観る時間が十分に持てなくなり、好きな漫画家が掲載される少女漫画雑誌だけは欠かさず毎月購入して読んでいた。

このアルバムで私が最も好きになった声優の方は、本多知恵子さんという。
残念ながらまだお若いのに病気で逝去されていた。
大きな作品の少女役も演じていたことがわかり、私もテレビでその声を耳にしていた。
さらに詳しく調べたところ、当時好きだったグラス・バレーというバンドのヴォーカルの出口雅之さんと二人でラジオのパーソナリティーも毎週されていたことがわかった。
たった3ヶ月だったようだけど、きっと私はこのラジオ番組も聴いていた。
ヤキモチを焼きながら。
数少ない資料の写真を拝見すると、ルックスも可愛いくて、声も独特な甘くて透き通るような美声で、その声から生まれる歌にすっかり魅了されてしまった。

余談だけれど、大好きなD-Projectという三人のバンドは、2019年に30周年ライヴを開き、3枚しかリリースされなかったアルバムは昨年から全曲サブスクで聴けるようになった。
そして大好きな女性アーティストの児島未散さんは、1985年にデビューして1998年アメリカへ語学留学などの後、2016年から再活動された。
リリースされたオリジナルアルバムの8枚のうち、1stと2ndの2枚のアルバムがサブスクで全曲聴けるようになった。
素敵なインスタとツイッター投稿もほぼ毎日あるし、インスタライブ・無観客ライブもある。

以前はあまり旅行に興味がなかったけれど、あるアーティストのファンクラブに入会して、ファン限定ライヴに当選して初めて東京や大阪に行った。
東京の最初の旅行は友人が付き合ってくれたが、2回目は初めての一人旅になった。
期待感と不安感だらけだったけれど、参加者は一人ずつツーショットでの記念撮影もあり、忘れられない思い出になった。
今は出来る限り、いろいろな所に行けたらいいなと考えている。

好きなもの、ことが、また心を揺らす素敵な宝物や出来事に思いがけず導いてくれることがある。
だからこそ今も、そばにあるそれらの大切なものをずっと大切にしながら、繋げてくれる新しい出会い、再会を心待ちにしたい。
惹き込まれる、その出会いはすごく時間がかかったり、なかなか頻繁には出会えないとは思うけれど。
本当に好きなものは、時間の経過は関係ないだろう。
少しずつ色褪せていくように思えても、それらは静かに輝きを増していく。
忙しさにかまけて忘れることもあるけれど、価値があるかどうかは自分の心が決めるから、一度大好きになったものは大事にしてほしい。
久しぶりに手にしたとしても、旧友のようにあなたに寄り添って包み込んでくれるだろうから。
そして、懐かしい自分に会ったような感覚を覚える。








※児島未散さんがなんと、2021年春に再活動第一弾のオリジナルアルバムをリリースされました。
懐かしい4曲をセルフカバーされての全10曲収録です。
よかったら、聴いてみて下さい♪

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