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【読書ノート】SLEEP

睡眠不足の先に待ち受けていることもかなり厄介だ。免疫系の衰え、糖尿、ガン、肥満、鬱、もの忘れの増加など、数えればいくらでも出てくる。自分が抱えている病気や外見上の悩みの一因にもなっているというのに、そのことに気づいている人はほとんどいない。

SLEEP/ショーン・スティーブンソン(著)

こんにちは、けいごです。

充実した人生を送る上で「健康を意識すること」は重要ですよね。介護予防とか認知症予防とも、個人的には20~30代から考えるべきかと考えています。
そしてその健康を実現する上で、「睡眠」はとても重要です。本記事では、健康生活を送る上で重要な「睡眠の方法」を教えてくれる本を紹介します。

「良い睡眠をとりたいけど、何から始めればいいか分からない」「理論的に良質な睡眠をとる方法を理解した」という方は是非読んでみてください!


睡眠が重要な理由

睡眠が大事なのはなんとなくわかるものの、大事な理由を説明できる方は少ないのではないでしょうか? 本書では、睡眠が重要な理由について、以下のように説明してます。

・睡眠不足は判断力の低下を招く
・アルツハイマー病の進行を早める

睡眠不足になると、頭頂葉と前頭前皮質の機能が低下します。これは、脳科学的に証明されていることです。一晩寝なかった場合、脳内のエネルギー物質が判断や意思決定、注意力を司っている部分に行き届く割合が12~14%減ります。
つまり、ミスや間違った判断が増える可能性が高くなるということです。

また、寝不足が続くと、脳のリンパ系と呼ばれる、「グリンパティック系」が機能しなくなります。つまり、脳内の老廃物が処理されずにとどまってしまうため、アルツハイマーの進行が促進されてしまいます。

このように、睡眠不足には主に脳内に大きな代償を与えます。パフォーマンス向上や認知症予防においても、睡眠の重要性が高いです。

睡眠において大事なこと

本書では、睡眠において一番大事なこととして、「自然なリズム」を作ることと書いています。
では、自然なリズムを作るにはどうすればよいのでしょうか? それに必要なことを以下にまとめます。

・日中に自然光を浴びる
・寝る前の電子機器を避ける
・カフェイン摂取は午前中だけにする
・体温を保つ
・寝る時間を意識する
・腸内環境を整える

それぞれ、まとめていきます。

日中に自然光を浴びる

良い眠りには、自然光(太陽光)を浴びることが大事です。これは、人体が一定のリズムに従ってホルモンなどを分泌しているからです。

眠りについては以下の脳内物質が大きく関連しています。

「セロトニン」と「メラトニン」

ザックリ説明すると、セロトニンは「外部の光に反応して分泌される脳内物質」、メラトニンは「寝る時間に近くなるとセロトニンから変化する物質」です。つまり、日中に浴びたセロトニンの量が、メラトニンの発生量を決めるということです。

では、それら脳内物質を正常に分泌できるようにするためには何が必要かというと、「自然光を朝6時から8時30分の間に、30分間浴びること」です。

寝る前の電子機器を避ける

上の「自然光を浴びる」で説明したように、夜の光は睡眠を阻害する要因になります。それは、人工光でも一緒です。
出来るだけ照明も暗くしてメラトニンの発生を促す必要があります。
※因みに私は19時以降は、部屋の明かりを「ワークランプのライト」と「キャンドル」だけにしています。眠くなるのでお勧めです。

また、スマホやパソコンは、ドーパミンという脳内物質を発生させる要因にもなり得ます。ドーパミンは、好奇心や興奮をすると発生する脳内物質で、睡眠を阻害します。

具体的は、「寝る1時間半前の電子機器弄りを避ける必要がある」ということです。

カフェイン摂取は午前中だけにする

皆さんご存じの通り、カフェインは眠気を吹き飛ばしてくれます。しかしこのカフェイン、取り方を間違えると睡眠不足を招きます。その理由として、以下の物質が深く関わっています。

「アデノシン」と「コルチゾール」

アデノシンはカフェインと同じ脳内物質です。アデノシンの作用として、一定量を超えると眠りに入りやすくなる物質です。しかしこのアデノシンはカフェインとよく似ていて、カフェインがアデノシンの働きを阻害することがあります。
つまり、カフェインを摂りすぎると、眠りに入りにくくなってしまうということです。

また、カフェインと摂ると「コルチゾール」という脳内物質が発生します。これは、別名ストレスホルモンと呼ばれていて睡眠を阻害する作用があります。

そして更にカフェインを摂取してその量が半減するまでには、5~8時間かかり、人によって個人差はあるものの量を減らすには時間がかかります。

以上を加味して、「カフェイン摂取は午後2時以降は摂取しない」ことが重要です。

体温を保つ

本書での調査結果では、不眠症になる人ほど寝る前の体温が比較的高いという結果が出ました。
寝る前の体温が高くなる要因は、ストレスホルモンが分泌されていることです。脅威を認識した身体がそれに対抗しようと、ストレスが身体を刺激するため、体温の上昇を招きます。

読者の方々でも、暑すぎて寝れない、寒すぎて寝れない、という経験がある方も多いのではないでしょうか?

では何度にするのが良いかというと「適切な室温は睡眠に適切な室温は15.5度~20度」と低い温度がよいそうです。

寝る時間を意識する

睡眠に必要なホルモンが分泌されるタイミングは、身体レベルで決まっていることがわかっており、そのリズムを整えるために、ホルモンが本来分泌されるべき時間に眠るようにすれば、良質な睡眠が得られるようになります。

そのためにはやはり、深夜の仕事は避ける必要があります。それは脳のグリコーゲンが不足することだけでなく、2型糖尿病などの病気も引き起こす可能性があるからです。
それでも深夜の仕事をするなら、本書に書いてあることを少しでも取り入れて、「自然なリズムを作る」ことが重要です。

睡眠に適した時間は、「ホルモンの分泌や疲労の回復の効果が高まるといわれている午後10時から午前2時の間」です。

腸内環境を整える

最近の研究により、腸の周りには脳内と同じ神経伝達物質が30種類存在することが明らかになっています。
その一つにセロトニンがあります。実際にセロトニンの95%が消化管に存在します。そのセロトニンは、睡眠に深く関わっていると説明しました。また、腸には脳の400倍以上のメラトニンが存在します。

つまり、腸内環境を整えることは、脳機能を正常に動作するために重要だということです。腸内環境を整える上で必要な食事は以下です。※本書ではこれ以外にも書ききれないくらい紹介されています。

・セレニウム:疫力を高める⇒ナッツ、牛肉、鶏肉
・ビタミンC:深い眠りを促す⇒葉野菜
・トリプトファン:セロトニンの材料を作る⇒ターキー、鶏肉、タマゴ
・カリウム:深い眠りを促す⇒葉野菜
・カルシウム:睡眠リズムを整える⇒イワシ、海藻、ゴマ
・ビタミンD:日中の眠気防止⇒マグロ、サケ、メカジキ
・オメガ3脂肪酸:快眠をもたらす⇒クルミ、サケ
・メラトニン:熟睡のサポート⇒パイナップル、トマト、バナナ

一言まとめ(これだけ見て)

以上、睡眠をテーマにした本書ですが、この本は「健康な体を作るために必要な行動を教えてくれる本」でした。健康について考えるうえでやはり、「睡眠」を意識することは重要ということです。

そんな本書を一言でまとめると、以下のようになります。

良質な睡眠には、身体にとって「自然なリズム」を作ることが重要だが、それを実現するためには「朝6時~8時半に30分間自然光を浴びる」ことから始める

本書では、個々で紹介した内容以外にも、様々な睡眠ノウハウが載っています。健康な体を作りたい方は、是非本書を手に取って元気に毎日を過ごしましょう!

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