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読書感想

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#エッセイ

【読書感想】どんな本をいかに読むべきか?~小泉信三『読書論』~

【読書感想】どんな本をいかに読むべきか?~小泉信三『読書論』~

読書をテーマとした本は多い。その中でも、僕が読書論の古典だと考えている本が3冊ある。

ショウペンハウエルの『読書について 他二篇 改版』とM.J.アドラー・C.V.ドーレン『本を読む本』は有名どころであろう。前者が読書という行為を論じているのに対し、後者は読書の技術を説いている。

そして3冊目が今回取り上げる小泉信三の『読書論』である。

本書では、どんな本を読むべきか、いかに読むべきかという

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【読書感想】感染症という視点から文学と哲学を読み解く

【読書感想】感染症という視点から文学と哲学を読み解く

こんにちは、Yukiです。

今回は、福嶋亮大さんの『感染症としての文学と哲学』をご紹介します。

このような状況になってから感染症というテーマに興味を抱いていたところ、丁度合致するような本が出ました。そして期待通り、いやそれ以上に本書は面白かったです。

全部を紹介することはできないので、いくつかに絞って面白かったポイントを紹介したいと思います。

本の内容と感想まず、本書は感染症が文学と哲学に

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【読書感想】アメリカの音楽業界の激動を描いたノンフィクション

【読書感想】アメリカの音楽業界の激動を描いたノンフィクション

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、スティーブン・ウィットの『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』です。

本の内容ここ20年で音楽を取り巻く環境は、劇的に変化しました。一昔前なら、音楽を聴きたい場合CDを購入して再生する必要がありました。ところが今では、わざわざCDを手に入れなくとも、ネットで購入すればダウンロードしてすぐに聴くことができます。他にも、定額制のスト

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先生から「社会科学を学ぶなら必読です!」と言われた日に急いで買った本

先生から「社会科学を学ぶなら必読です!」と言われた日に急いで買った本

本との出会い
僕は大学で主に社会科学を学んできました。社会科学というのは、

のことで、代表的な学問分野は政治学、政策科学、経営学、法学、経済学、社会学です。

僕はこれらの中でも、政治学、経済学を中心に学んできました。(それらに加えて法学、統計学、歴史学、美術史、科学技術論、異文化コミュニケーション論、教育学など面白そうなものも手当たり次第勉強しました。)

前置きが長くなってしまいましたが、あ

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【読書感想】「働く」を問い直したい人へ送る本

【読書感想】「働く」を問い直したい人へ送る本

こんにちは、Yukiです。

今回は、中島義道(著)『働くことがイヤな人のための本』を取り上げようと思います。

仕事に関する本はたくさんありますが、本書はそれらとは大きくことなります。どこが違うのかについては後ほどに譲るとして、ここでは違うに留めたいと思います。

内容まず、本書には年齢も性別も個人を取り巻く状況も全く異なる、A、B、C、Dという4人の人物が登場します。彼らと中島さんの対話を通じ

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【読書感想】天才すぎて「人間のフリをした悪魔」と呼ばれた男の生涯

【読書感想】天才すぎて「人間のフリをした悪魔」と呼ばれた男の生涯

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、高橋昌一郎(著)『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』です。

本題に入る前に「ジョン・フォン・ノイマン」という人物をご存じでしょうか?彼は一言で言えば、超天才なのですが、それとは裏腹に日本ではあまり聞きなじみのない名前かもしれません。

かくいう僕も、この本を読むまで、彼の存在は知りませんでした。

しかし、彼は日本と関係の深い人物でも

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【読書感想】読書は必ずしなければならないものか?

【読書感想】読書は必ずしなければならないものか?

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、齋藤孝(著)『読書力』です。

齋藤先生はこれまで、数々の本を出版され、読書に触れたものも多いです。
そのため、齋藤先生の本を一度は読んだことがあるのではないかと思います。

今回はその中でも、今から約20年前に出版されたこちらの本を取り上げたいと思います。

齋藤先生の読書に対する考え方が非常に明確に表れています。
今回は、「読書力とは何か?」「

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【読書感想】『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』

【読書感想】『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、漆原直行(著)『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』です。

なかなか刺激的なタイトルで思わず二度見してしまいます。

著者の主張を一言でまとめると、タイトルになるわけですが、さすがに呆気ないので、少し中身を見てみましょう。

本の内容本書は、ビジネス書を読者からの視点だけではなく、出版社の視点からそれぞれ分析していきます。

今回は出版社の

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【読書感想】被害者なら何をしても許されるのか?

【読書感想】被害者なら何をしても許されるのか?

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、貫井徳郎(著)『悪の芽』です。

久しぶりに小説を紹介してみたいと思います。この小説はミステリー小説に位置づけられるようですが、それよりも読んで考えさせられることが多かったです。

それも簡単には結論が出ない、とても難しい問いでした。
ぜひこの本を読んだ際は、この本が投げかけてくる問いに向き合ってみてください。

本の紹介小説なので、内容紹介はあら

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【読書感想】迷い、苦しみ、壁に直面する度に読み返したい本

【読書感想】迷い、苦しみ、壁に直面する度に読み返したい本

こんにちは、Yukiです。

今回ご紹介する本は、森岡毅(著)『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』です。

ちょくちょく、「この本は良いよ!」といった評価を耳にしていたので、ずっと気になっていた本でした。

今回、タイミングが合ったので読んでみました。
口コミの通り、読んで良かったです!

この本からは、キャリアをどう考えたら良いのか、壁に

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【読書感想】子供の「心の病」は親の苦しみを受け継いだ

【読書感想】子供の「心の病」は親の苦しみを受け継いだ

こんにちは、Yukiです。

また、読書感想の投稿を再開していきたいと思います。
ゆるくお付き合いいただけると嬉しいです。

今回取り上げるのは、高橋和巳(著)『子は親を救うために「心の病」になる』です。

行きつけの本屋さんでたまたま見つけ、タイトルに惹かれて購入いたしました。

僕はこのタイトルを見て、「どういうことだろうか?」と疑問に思いました。そこで今回は、タイトルの「心の病」について簡単

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【読書感想】目からうろこ!ストレスに悩むあなたに読んで欲しい1冊

【読書感想】目からうろこ!ストレスに悩むあなたに読んで欲しい1冊

こんにちは、Yukiです!

ここ最近バタバタしており、なかなか投稿できずにいました。今日からまたゆるく更新を再開していきたいと思います!

今回ご紹介する本は、ケリー・マクゴニガル(著)『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』です。

僕はこの本を読んで、驚きの連続でした。ここ最近読んだ本の中で、一番ワクワクしたと思います。

今回はこの本を見ていきます!

本の紹介
この本は、「ストレス

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【読書感想】この本をきっかけに、科学リテラシーを身につけてみませんか?

【読書感想】この本をきっかけに、科学リテラシーを身につけてみませんか?

こんにちは、Yukiです!

今回ご紹介する本は、戸田山和久(著)『「科学的思考」のレッスン 学校では教えてくれないサイエンス』です。

先日、『科学技術と上手に付き合うための本4選!科学リテラシーを高めよう!』という記事を投稿しました。

その記事のPV数が過去最高でした。このことから、科学と上手に付き合う方法が分からないから知りたい、と思っているのではないかと考えました。

今回は、その記事で

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【読書感想】語彙力を高めれば自分の世界も豊かになるし、周りからも一目置かれる存在になる

【読書感想】語彙力を高めれば自分の世界も豊かになるし、周りからも一目置かれる存在になる

こんにちは、Yukiです!

遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます!
昨年はnoteを通じて、普段出会えないような人と関わることができました。

今年も宜しくお願いします!

さて新年一発目のnoteとして紹介する本は、斎藤孝(著)『語彙力こそが教養である』です。

最近は新書を貪るように読んでいます。その中でも斎藤さんの本は読みやすい印象です。

今までも何冊か斎藤さんの本を読ん

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