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【読書感想】子供の「心の病」は親の苦しみを受け継いだ

こんにちは、Yukiです。

また、読書感想の投稿を再開していきたいと思います。
ゆるくお付き合いいただけると嬉しいです。

今回取り上げるのは、高橋和巳(著)『子は親を救うために「心の病」になる』です。

行きつけの本屋さんでたまたま見つけ、タイトルに惹かれて購入いたしました。

僕はこのタイトルを見て、「どういうことだろうか?」と疑問に思いました。そこで今回は、タイトルの「心の病」について簡単にまとめたいと思います。

簡単に言えば、成長を通じて子供は親が抱える「心の矛盾」を学習し、自分の苦しみを分かって欲しいけれど、親は理解できないため、最後の手段として「心の病」で苦しみを訴えかけます。

親子関係と心の発達

著者の高橋さんによれば、僕たちには、2つの機能があるといいます。
1つは、生まれたときから備わっている「生命システム」で、食べる、寝る、泣くetc....といったことを指します。

もう1つは、「心理システム」といい、人との付き合い方、人生観や倫理観といった生きていく上で必要になるであろう機能です。これは生命システムとは違い、生まれてから学んでいきます。

心理システムを作り上げる際には、母親の影響が決定的な役割を果たします。なぜなら、生まれてから最初に出会い、数年間を密接に過ごすのは、母親だからです。

この母親とのやりとりを通じて、子供は心理システムを構築していきます。

最初は言葉を話すことができないので、お腹がすいて泣く、そうするとミルクがもらえる。これが一番最初のメッセージのやりとりです。

このやりとりを出発点として、社会で生きていくためのルールを学んでいきます。この時期に母親から教えてもらったことは、その子の一生を方向づける、と高橋さんは言います。

さて、このように母親から様々なことを吸収していきますが、子供はだいたい2、3歳のころに大きな心の発達を経験します。それが第一反抗期です。

簡単に言えば、それまで素直に従ってきたのに、言うことなすことに逆らうようになります。なぜこうなるのか。

それは、「人はいつも、より大きな自由を手に入れようとするからだ」と指摘します。

それまでは、母親になんらかの形で助けてもらえなければ移動できなかった子供が、そのくらいの年齢になると、自由に動き回れるようになります。

そうすると、母親に手を引かれるままだけでなく、違う方向にも行ってみたくなります。つまり、自分でできることをやってみたくなるのであり、それが自由です。

この反抗を繰り返して、「反抗の自由」を獲得します。自分でも歩けるし一緒に歩くこともできる、この両方を確認することで、第一反抗期は終わります。

これから、約10年間は親の生き方を必死に真似ていきます。すべて親が基準だからです。

しかし親も人間ですから、気持ちの偏りや悪い心、ウソをつく、といった「心の矛盾」を抱えています。そして子供は、この矛盾さえもコピーします。

この「心の矛盾」が大きくなければたいしたことはありません。しかし、これが大きいと、のちのち親と同じ苦しみを抱えて生きることになります。

これが思春期に一気にあふれ出ます。子供は自分が抱えている苦しみを親に分かって欲しいと願い、訴えます。しかし親は、子供の苦しみを理解することができません。なぜなら、親は何十年と続けてきた自分の生き方を当然視しており、疑問をもっていないため、子供が何を訴えているのか分からないからです。

子供にしてみたら、自分の苦しみを分かってもらえず挫折する。それを繰り返し、加えてどこに怒りをぶつけたらいいのか分からない。

そして、最後の手段として「心の病」に訴えかける。このようなプロセスがあるとのことです。

読んだ感想

いかがでしょうか。子供の苦しみは親の苦しみでもあるわけですね。

「心の病」の発生するメカニズムが、このようになっているとは思ってもいませんでした。

子供だけというわけではなく、親子関係から生み出されたというのは驚きです。

それくらい、子供というのは親をよく見て、敏感に感じ取っているのかもしれません。

もしかしたら、将来子を持つ親になるかも知れないので、とても参考になりました。

終りに

今回は「心の病」に注目して、まとめてみました。

本書では、様々な事例をもとに、「心の病」がどのように発生し、どのように解決に向かうのかも紹介されています。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


ゆるく、自分のペースで更新を続けていきますので、応援していただけると嬉しいです。


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