マガジンのカバー画像

蛸文(たこふみ)の読書記録

231
僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
運営しているクリエイター

#本

【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜アイデアは天才だけのものではない〜本当に30〜60分あれば読めてしまう薄くて短い本なのだが、「アイデアはどのように生まれるのか?」という疑問に対して、無駄なく簡潔に書かれている。

著者は名の知れた広告マンであり、主に広告のアイデアを生み出すためのプロセスとして書かれているのだが、その方法論はどんな分野にも当てはまるだろう。

まずそもそも「アイデア」とは何

もっとみる
【ダメな議論】相手にする必要のない議論を見分ける法

【ダメな議論】相手にする必要のない議論を見分ける法

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜議論に値しない言説をスルーするための指南書〜本書は、タイトルにある"ダメな議論"を上手に避けるための技術書である。
ダメな議論、とは「誤ったもの」「無用なもの」「有害なもの」を含む言説のことを指し、本書ではそれらを見抜く手法をポイントを絞って指南してくれる。

本書の著者はエコノミストであり、メディアで経済や社会について言及する時に、自分の処理能力を超える

もっとみる
【はじめての統計学】統計学の腕力を身につける

【はじめての統計学】統計学の腕力を身につける

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

さて、以前このnoteにおいて「統計検定2級合格を目指す」と宣言した。

本格的に統計学を勉強するためにまず手に取ったのが本書である。
これまで統計学関連の書籍はいろいろと読んできて、なんとなく理論は理解していたものの、実際に手を動かすことをしていなかった。

本書の著者はまずその点について「実際に平均や標準偏差や相関係数や回帰係数がらくらく計算できるように

もっとみる
【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜四色問題とは?〜本書は、「四色問題」が解かれるまでの、数学者たちの苦悩の歴史を通じた数学ドラマが描かれている。

まず、「四色問題」とは何か?
最大でも四色あればどんな地図でも隣り合う国々が違う色になるように塗り分けられるのか?という問題である。

一見簡単そうなこの問題に、多くの数学者が挑戦し、問題が解かれるまで124年の歳月を費やすこととなった。
数学の

もっとみる
【HERE ヒア】画期的な読書体験

【HERE ヒア】画期的な読書体験

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜新しい読書体験〜グラフィックノベル、というものを今回初めて読んでみたのだが、グラフィックノベルの中でも本作はかなり異質な作品であるようだ。

あるひとつの部屋を定点とし、様々な時代を行き来する本作。その部屋では様々な人が暮らし、様々な光景があった。ページを捲るたびに、時代が入れ替わり、また、ひとつのページの中に窓のようにいくつもの時代が同時に表示されて、時

もっとみる
【統計でウソをつく法】ここがヘンだよ、この数字

【統計でウソをつく法】ここがヘンだよ、この数字

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜数字はウソをつく〜世の中にはやたらと人の話よりも数字を信用する「数字信奉者」「データ信奉者」がいる。
自分の職場にもやたらと「まずは数字を出せ!」と言って人の話を聞かない人(というか、僕の以前の上司)がいるが、そう言う人に限って「どういう数字が必要なのか」をわかっていないし、数字があればそれをそのまま何も考えずに受け入れてしまう。

数字は「数学の世界」で

もっとみる
【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜資源・入門〜著者によると資源についての知識は、我が国の9割以上の若者は中学生レベルにとどまっている、とのこと。

たしかに、僕自身、資源について何か語ろうとするならば、学生時代に習ったような事柄を思い出すこととなるだろう。大人になってから、資源というものに対して、わかったようなふりをしている自覚はある。

本書は、水、エネルギー、はたまた鉱物まで、資源に関する

もっとみる
【入門!論理学】細かいところに手を伸ばす論理学

【入門!論理学】細かいところに手を伸ばす論理学

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜論理学とは何をやっているのか?〜タイトルの通り、本書は論理学の入門書である。とはいえ、他の論理学の本のように記号を使うような記述は無い。
著者もまえがきに書いているように、論理学の本としてはかなり変わっている類の本で、記号を使わず日常的な言葉と関連付けながら可能な限り記号論理学の世界を言語化することに注力した一冊である。

なので、僕のような数学アタマの人間に

もっとみる
【高校数学でわかる統計学】入門から初・中級者へ

【高校数学でわかる統計学】入門から初・中級者へ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜ある程度の数学力が必要となる一冊〜統計学を勉強しようと始めてから、いわゆる入門書ばかり読んで少し飽き飽きしていた時に、骨のある一冊に出会うことが出来た。

「高校数学でわかる」シリーズは今回初めて手に取ったが、難易度はやや高い。
「高校数学でわかる」というのは、「高校数学レベル」というわけではなく「高校数学は理解している前提のレベル」である。言うなれば大学初

もっとみる
【複素数とはなにか】仮想の数、究極の数

【複素数とはなにか】仮想の数、究極の数

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜仮想の数〜高校時代に数学をやっている上で、1番の衝撃だったのが虚数という存在である。
出会うまでは、負の数の平方根は存在しない、と習っていたのに、突如として負の平方根を表す数字が現れたのだ。

虚数とは$${i}$$で表され、二乗すると$${-1}$$となる数である。
$${i^2 = -1}$$
そして、複素数とは実数の部分(実部)と虚数の部分(虚部)の足

もっとみる
【夜雨の声】こころの中に自然がある

【夜雨の声】こころの中に自然がある

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜読むほどに味わい深くなる岡潔さんの言葉〜「数学する身体」をきっかけに知った岡潔という日本を代表する数学者。「数学する人生」「春宵十話」「人間の建設」などを読んできたが、どれを読んでも興味深い。
岡潔さんの文章は平易な言葉だが、理解が出来ない点が多い。しかし、何か自分の内面に新しい空間を生み出すような快感がある。
おそらく、この感覚が岡潔さんの言う「頭で理解す

もっとみる
【景気を読みとく数学入門】経済学と数学をバランス良く

【景気を読みとく数学入門】経済学と数学をバランス良く

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜経済を題材にした数学本〜本書は数学入門と銘打っていながら、その実態は経済学の本とも言える。
長い不況はなぜ起こるのか?バブルはなぜ起きるのか?そういった経済の疑問を数式を駆使して一般向けに解説している一冊である。なかなか面白いアプローチで非常に楽しんで読めた。

数式を駆使する、と言っても難しい公式や数学理論が出てくるわけではなく、使われる数式は平易なものば

もっとみる
【自分でできる子に育つほめ方叱り方】たまに子育て本を読んでリセットする

【自分でできる子に育つほめ方叱り方】たまに子育て本を読んでリセットする

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜モンテッソーリ教育論簡約版〜子育てをしている人なら一度は聞いたことがある「モンテッソーリ教育」。

「子どもを大人の都合でコントロールしようとしない」
「子どもはプロセス中心で叱る・ほめること」
「子どもを1人の人間として意識すること」

モンテッソーリ教育を簡単に書くと上記のようなことだと思うのだが、本書はその内容をコンパクトにまとめた一冊だと言える。

もっとみる
【21世紀の資本】資本主義が正常であると格差は拡大する

【21世紀の資本】資本主義が正常であると格差は拡大する

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜まずは読み終えたことが嬉しい〜無事に読み終えられた!!

とりあえず読み終えた最初の感想はそれである(笑)

本書は半年で50万部を超えた今世紀最大のベストセラー経済書と言われており、おそらく本のタイトルだけでも知っている人は多いだろう。
ところが、700ページにもなる大書で、噂によると、購入した人の9割が最後まで読み切れていないそうだ。
本書の主題や結論

もっとみる