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2021年1月の記事一覧

蘇る!ボッティチェッリのリズム

蘇る!ボッティチェッリのリズム

2019年秋・ルーヴル美術館。大作に囲まれて溺れそうになった展示室を抜けて 通路に出たと思った瞬間、突然ふわ〜っと柔らかな風を感じました。
その場に立ち止まってみると、冒頭の作品がありました。

ところどころ剥げ落ちている古めかしい壁画なのに、軽やかで華やか。
滑らかな輪郭で描かれた女性たちが纏う美しい色彩のドレスや髪の毛は、空気をはらんで優しくなびいています。見ていると漆喰までも柔らかく感じられ

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#29 本屋さんでの本の見つけ方知ってますか

#29 本屋さんでの本の見つけ方知ってますか

はーい。

1週間サボってしまいました。

ごめんなちい。

ところで本屋さんで働いていてなんとなく思っていたのですが、けっこう自分の欲しい本を見つけるのって難しかったりしませんか。このnoteを読んでくださってる方々はきっと多かれ少なかれ本や本屋さんに興味がある方がほとんどかと思うのですが、欲しい本がどこにあるのかいつも迷わず行けるって人いますでしょうか。

それってけっこう少数なんじゃないかと

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心はサザエさん、身体はフネ…小林聡美さんだって「身体の変化」に悩んでいる #3 聡乃学習

心はサザエさん、身体はフネ…小林聡美さんだって「身体の変化」に悩んでいる #3 聡乃学習

主演をつとめた『かもめ食堂』をはじめ、数々の映画・テレビドラマで活躍中の女優、小林聡美さん。1月からはドラマ「ペンションメッツア」(wowow)に主演しています。『聡乃学習』は、小林さんががていねいに、かつ軽やかにひとりの日常を送る様子をつづったエッセイ集。くすっと笑えて、そして読後、すがすがしい気持ちになれる本書から、一部を抜粋してお届けします。

*  *  *

「初老の伸び縮み」前編近所に

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『不寛容論』森本あんりさん特別コラム掲載!(No. 899)

『不寛容論』森本あんりさん特別コラム掲載!(No. 899)

考える人 メールマガジン
2021年1月28日号(No. 899)

森本あんりさん特別コラム
「寛容の鍛錬ーー多様化するこれからの日本社会のために」
 いま世界中で「不寛容」の嵐が吹き荒れています。人種や宗教にかかわる対立が激しい米欧諸国に比して、日本は「寛容」な社会にも見えますが、多様化が進む世界において、私たちは自らとまったく異なる倫理観や生活態度をもつ人々と共に生きる心の準備ができているで

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SDGsは20年前のネットと似ている。

SDGsは20年前のネットと似ている。

「SDGs」は20年前のインターネットと同じような雰囲気がある。

怪しげな横文字として聞くようになり、いつの間にかみんなが呪文のように口にしている。

いったいSDGsとは何なのか。

SDGsの読み方がわからなかった2年前

SDGsとは、環境問題、ジェンダーや教育格差、貧困問題などの解決を2030年までにめざす17の目標を指す。

達成できなくても罰則は無い。でも、世界中の国や企業が「いま何

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プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明/武邑光裕

プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明/武邑光裕

「わたし」はどこへ向かうのか? 「わたし」はどんな風に変わってしまうのか?

このところ、ずっと考えてきているのは、

・わたし(たち)が今後もわたし(たち)自身の権利をもって、これからも生きていくためには、わたし(たち)自身が新たにどのような意識をもつ必要があるのか、
・また、わたし(たち)自身が生きていくために、生きる糧として必要なさまざまな財とどのような関係を築き、維持していけばよいか、

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コロナから一年でロボットの社会実装は加速されたのか?

コロナから一年でロボットの社会実装は加速されたのか?

武漢でコロナが広がった一年前、現地でのロボット活用状況を纏めた記事を書きました。

あれから一年、日本のロボット業界はどう変わったのか?変わらなかったのか?これからどうなるのか?を考えてみたいと思います。

一年前の記事では特に武漢でどんなロボットが使われているのか纏めています。具体的には

・施設内搬送ロボット
・屋外搬送ロボット
・消毒殺菌ロボット
・遠隔コミュニケーションロボット

の活用を

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洛田二十日(らくだはつか)さんが「文芸思潮」現代詩賞優秀賞を受賞したので「文芸思潮」を買いました。

会議が始まっているけど詩を書く僕。右にある何か大切なもの。時間の流れと共に世界が食べ尽くされネタ切れのようになっていく。

受賞の言葉「朗報に沸騰」ってラップかよ。おめでとう!

「入院」初日に行なわれる「ミテ肛門」という屈辱! #1 少年院で、大志を抱け

「入院」初日に行なわれる「ミテ肛門」という屈辱! #1 少年院で、大志を抱け

19歳のボクは、暴走行為と覚せい剤使用で逮捕され、少年院へ。そこは軍隊並みの規則と訓練が課せられる、オソロシイ世界だった……。吉永拓哉さんの著書『少年院で、大志を抱け』は、「刑務所より厳しい」と言われる少年院での体験をつづったリアル・ノンフィクション。次々と飛び出す「シャバ」では考えられないエピソードに、きっとみなさんも驚くでしょう。その中身を少しだけ、ご紹介します。

*  *  *

「入院」

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ノーベル文学賞受賞第一作! カズオ・イシグロ最新作『クララとお日さま』が2021年3月2日(火)世界同時発売!

ノーベル文学賞受賞第一作! カズオ・イシグロ最新作『クララとお日さま』が2021年3月2日(火)世界同時発売!

2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの最新長篇『クララとお日さま』 が、3月2日(火)、世界同時発売となります。

全世界の注目と期待を集める本作の主人公は、なんとクララという名のAI搭載ロボット。海外のインタビューによれば児童書とサスペンスの構想が結実したものだそうです。当代随一の語り手によっていったいどんな物語が紡ぎだされるのでしょうか。内容については、3月2日のイギリスのFa

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Unityインターハイ入賞者インタビューを公開しました

Unityインターハイ入賞者インタビューを公開しました

2020年12月13日に開催された、高校生以下を対象にしたゲーム開発コンテスト『Unityインターハイ2020』。

そこで入賞した学生たちのインタビューを、Unityインターハイ公式サイトで公開しました。

優勝:藤澤 秀彦(東京都/芝浦工業大学附属高校)

作品名:『ラビィとナビィの大冒険』
チーム名:Hidetyo's Apps

Unityインターハイには6度目の応募で、最後の年に優勝に!

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哲学者アレントは、大衆を政治的に動員するプロパガンダには、一定の特徴があることを指摘していた

哲学者アレントは、大衆を政治的に動員するプロパガンダには、一定の特徴があることを指摘していた

哲学者ハンナ・アレント(1906~1975)は1951年に『全体主義の起源』という著作の中で、全体主義が形成される過程を独自の視点で検討しているのですが、特に全体主義の確立を目指す政党が大衆を組織する際に使うプロパガンダに一定の特徴があることを指摘していました。

アレントの説によれば、プロパガンダによって政治的目的を達成するためには、プロパガンダの内容に新規性、独創性を持たせてはならず、かつその

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ハンナ・アレント『カント政治哲学講義録』読書ノート(後編)

ハンナ・アレント『カント政治哲学講義録』読書ノート(後編)

ハンナ・アレント『カント政治哲学講義録』読書ノートの後編です。今回は第十一講義から第十三講義をまとめます。全体を貫く謎は「なぜ判断が趣味に基づくのか?」で、判断と構想力や共通感覚の関係性が語られています。

分断が話題になる昨今ですが、アレント=カントから「その判断、自分の身内以外にも説明できるの?」と問われ、背筋の伸びる内容になっています。エリートが自己利益のための判断を繰り返しているのが分断の

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「洋画=オムライス!?」 おもしろくてわかりやすい洋画の解説書が発売!

「洋画=オムライス!?」 おもしろくてわかりやすい洋画の解説書が発売!

担当編集の田頭です。光文社新書1月刊として、ナカムラクニオさんの『洋画家の美術史』が発売になりました。日本各地の美術館で、あるいは切手で見たことはあっても、実はよくは知らない洋画の世界。本書は洋画家という「人」に光を当てることで、洋画の美術史的な知識がわかりやすく身につく構成になっています。以下に、「はじめに」と「目次」を公開します。ナカムラさんがあふれる洋画愛をこめたオール描き下ろしのイラストも

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