武内和人|戦争から人と社会を考える
戦争に関する研究成果を紹介します。大学では政治学を教えていますが、人文科学、社会科学の…
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文献紹介 戦間期のドイツ軍は教育訓練をいかに改革したか?:The Path to Blitzkrieg(1999)の紹介
ドイツ軍は第一次世界大戦が終結してから第二次世界大戦が始まるまでの間に、さまざまな改革に取り組みました。ロバート・シティーノ(Robert Citino)の『電撃戦への道のり:1920年から1939年までのドイツ陸軍におけるドクトリンと訓練(The Path to Blitzkrieg: Doctrine and Training in the German Army, 1920-1939)』(1999)はこの戦間期におけるドクトリンの変化を教育訓練の視点から明らかにした研究
戦間期の米軍はいかに「作戦」の視点を確立したのか:Carrying the War to the Enemy(2011)の紹介
現在の軍事理論では、軍隊の戦略行動と戦術行動を統合し、指導する技術を作戦術(operational art)と概念化し、その基本原則や戦闘・後方支援の関係、統合運用などを検討しています。軍事思想の歴史においては、作戦術は第一次世界大戦の経験からソ連で発達したものと考えられており、アメリカに持ち込まれたのは冷戦の後期になってからであると解釈されることがあります。 しかし、Mathenyはその定説に挑戦する見解を打ち出しました。その見解によれば、アメリカ軍も第一次世界大戦の経験