武内和人|戦争から人と社会を考える
戦争に関する研究成果を紹介します。大学では政治学を教えていますが、人文科学、社会科学の…
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軍事と外交を統合する戦略を探求したジョージの強制外交理論 The Limits of Coercive Diplomacy(1971)
強制外交(coercive diplomacy)は、すでに何らかの望ましくない行動を開始している相手に対して、その行動を中止させたり、あるいは行動を撤回させることを目的とする外交行動であり、軍事的措置をとる覚悟であることを伝えることで実行されます。1971年に初版が刊行され、1994年に第2版が刊行された『強制外交の限界(The Limits of Coercive Diplomacy)』は強制外交を成功させる条件を考察した重要な業績です。 この著作の中でもアレクサンダー・
軍隊の装備品の研究開発費を膨張させる要因を考察したThe Weapons Acquisition Process(1962)の紹介
軍隊が装備を調達費用を最小に抑えることは、有限なリソースを最適な仕方で配分したい国家にとって重要な課題です。19世紀に科学技術が発達する過程で、軍隊の装備はますます複雑化していき、研究開発に多額の予算が必要となったにもかかわらず、肝心の装備が完成しなかったり、望んでいた性能を発揮できないこともでてきました。Merton J. PeckとFrederic M. Schererが1962年に刊行した著作『武器調達過程(The Weapons Acquisition Process