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日本を学ぶ

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日本政治に関する記事をまとめています。
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記事一覧

日中戦争で中国が仕掛けた交通基盤の破壊工作にどのような効果があったか?

日中戦争(1937~1945)で中国共産党を率いた毛沢東は、日本軍の脅威に対して遊撃戦として知ら…

メモ 戦後の日本における災害派遣の歴史

警察や消防で対応が困難なほどの広域的に被害が発生した場合、外部のインフラに依存することな…

論文紹介 戦争のエスカレーションから抜け出せない指導者の心理を読み解く

研究者は戦争に関する意思決定過程を考えるとき、その戦争を即座に中断したとしても取り戻せな…

論文紹介 80年代の日本で提案された北方前方防衛態勢はどのような戦略構想だったのか…

1979年12月、ソビエトはアフガニスタンに侵攻し、これを軍事占領したことによって、対米関係を…

メモ 現代日本の政治における宗教票の重みを過大評価すべきではない

近年、自民党と宗教団体の関係に注目が集まっています。これは日本の政治史を理解する上で重要…

今の日本では「外交は票にならない」という決まり文句が時代遅れになっている

1990年代の初頭まで日本の国政選挙で外交と防衛が重要な争点になることはほとんどなく、「外交…

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戦間期に米国が検討していた南西諸島の攻略方法とは

日露戦争(1904~1905)で日本がロシアに辛勝を収め、東アジアにおける勢力を大きく拡大したことを受けて、アメリカでは日本が将来的に敵となる可能性があると認識され、オレンジ・プランと呼ばれる戦争計画の検討が進められました(戦間期における米国の対日戦構想の変遷を辿る『オレンジ計画』の紹介)。1906年に検討作業が開始されてから1945年に至るまで、南西諸島が対日戦で最大の激戦地になることはアメリカ海軍で共通の見解となり、攻略の具体的な方法について議論が交わされていました。

自民党の県連を形態別に分析した『「自民党型政治」の形成・確立・展開』(2017)の紹介

自民党の政治戦略を理解する上で地方政治が重要であることは、これまでにも多くの研究者が議論…

論文紹介 なぜ思想信条が異なる自民党と公明党が連立政権を維持しているのか?

イタリアの政治学者ジョヴァンニ・サルトーリは『現代政党学(Parties and Party Systems)』…

安倍政権が日本の安全保障に残した遺産を考えるLine of Advantage(2022)の紹介

2006年から2007年、2012年から2020年にかけて日本の首相を務めた安倍晋三は、日本の安全保障に…

現代日本の政治を学ぶための基本文献を6冊だけピックアップしてみた

現代日本の政治体制を分析する研究者たちは、民主的な政治システムの下で自由民主党(自民党)…

なぜ自由民主党は日本で長期政権を実現できたのか?『競争なき日本の民主主義』の書評

世界各国の研究者が日本の政治に注目するのは、日本が民主主義を採用しているにもかかわらず、…

研究メモ『競争なき日本の民主主義』に対する批判を紹介してみる

5月に投稿した「なぜ自由民主党は日本で長期政権を実現できたのか?『競争なき日本の民主主義…

論文紹介 なぜ19世紀に中国は衰退し、日本は台頭したのかをシミュレーションで説明する

19世紀の東アジアの歴史を調べると、それまで地域の覇権を握っていた中国の勢力が急激に低下し、それに代わって日本が軍事的、経済的に台頭したことが分かります。中国を統治していた清でも政治的近代化の試みは見られますが、それは日本で江戸幕府を打倒した明治政府の近代化の速さに及ぶものではなく、日清戦争(1894~1895)で清は日本に敗れました。 この歴史が政治学の研究者にとって興味深いのは、中国と日本のいずれの地域においても、国内の圧力、欧米列強の出現という国外の脅威によって近代化

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