
【2022年度版】プロフェッショナルの大原則「人を動かす一人歩きする」資料Before→After 基礎編①線グラフの基本
※本記事は2019年2月に投稿した記事を2022年版としてブラッシュアップしたものです。3年以上経ちますが、いまだに多くの方に読んでいただいているコンテンツですので、再度ブラッシュアップしてお届けいたします。
こんにちは。元外資コンサルによる「戦略的プレゼン資料作成講座」の講師松上です。
前回に引き続き、過去に私が添削した実際のスライドのBefore→Afterをご紹介します。今回からは、ビジネスの現場で作成される頻度が高い内容を厳選して紹介します。
資料作成スキルをより強化したいという方はAfterのスライドと解説を見る前に、Beforeのスライドだけをみて、自分だったらどのように改善するかを考えてみてください。まずは自分で考えてみることで資料を見る視点が養われ、回数を重ねるごとに資料作成の大原則が身についていきます。
解説には、本講座の講師松上純一郎が執筆した新刊『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の対応する大原則の番号を記載しています。
ぜひ書籍で詳細な解説とPowerPointの操作方法を確認してみてください。
* * *
第4回は、コンサルタント企業に勤めるAさんが、「ルバート工業」という名の海外に複数拠点をもつ大手日本企業に対して、コンサルティングサービスを提案するスライドを添削してみます。


×NGポイント
全体的に文字が多くて読みづらい、グラフや要点が分かりづらい
・メッセージとそれを説明する要素の構造が分かりづらい
・メッセージの主張がスライドの内容と合致していない
・グラフに単位(通貨)の記載がない
・グラフの数値の桁数が多く、読み取りづらい
・2種類のデータを主軸になっているため、数値の小さいデータの変動が分かりづらい
・グラフに関する重要な部分が強調されていない
・文字が多く、重要なポイントが分かりづらい



◎改善ポイント
流れを表すフロー型の図解、小見出し、文字強調で見やすく
1. ロジックツリーで切り口を決めましょう
スライドメッセージに対して、詳細情報では「現状」「対策」「ありたい姿」が示されています。
経営環境の「現状」があり、日本のシェアをキープするための「対策」を
立てることで、激変に耐えうる「ありたい姿」につながる、ということを
ロジックツリーを用いて整理しましょう。
▶[大原則032] スライド情報は「ロジックツリー」で理解する
2. 「フロー型」で情報を整理して、時間の流れを表しましょう
人間は物事を上から下、左から右に捉えることが多いです。
「現在の経営環境」「対策」「ありたい姿」と3つの切り口で整理し、
横フロー型を用いて時間の流れを左から順に入れることで
読み手も内容を理解しやすくなります。
▶[大原則081] 「ロジックツリー」を図解に落とし込む
▶[大原則087] 基本図解⑤ 流れる「フロー型」
3. グラフは2軸の複合グラフを採用し、単位と凡例を入れましょう
複合グラフは、2種類のデータ(売上高、経常利益)を同時に示したい
場合に便利です。特に、2種類のデータの大きさが異なる場合、2軸を
使用することで両方のデータの変化を見比べやすくなります。
その際には、縦棒グラフと折れ線グラフの組み合わせが適しています。
今回は、左軸を縦棒グラフ(=売上高)、右軸を折れ線グラフ
(=経常利益)に使います。
縦軸に通貨と単位を記載します。Beforeのスライドは「億」単位の表示に
なっていますが、桁数を減らして読みやすくするために、売上高の単位を
「兆円」に修正しました。
また、Beforeのスライドでは、凡例がグラフの下に表示されていますが、
グラフに近付けて表示させることで読み手が理解しやすくなります。
横軸は時系列の隔期になっていますが、「今期」が何期なのかが分かりま
せん。この場合は「44期」と具体的に記載しましょう。
▶[大原則122] 2種類のデータは「複合グラフ」で表現する
▶[大原則130] 凡例は「テキストボックス」で作り直す
4. 文字を強調しましょう
文字が多いので、読みやすくなるように、文章中の大事な部分の
文字色をベースカラーに変更し、太字にして、文中の重要なポイントを
明確にします。
▶[大原則100] 図解の文字は「2ステップ」で強調する
5. クリップアートを入れましょう
図解にクリップアートを入れると、図解の内容が視覚的に表現され、
その図が何を示しているのか、一目で読み取ることができます。
▶[大原則105] 図解の内容を「クリップアート」で視覚化する
いかがでしたでしょうか。ちょっとしたポイントをおさえるだけでスライドは劇的に見やすくなります。ぜひ自分が過去に作った資料を見て、今回解説したポイントをおさえられているか確認してみてください。
沢山の方に、このnoteと私の著書で、「人を動かす、1人歩きする資料を早く作る」ためのプロフェッショナルの資料作成の大原則を習得していただき、皆さんの人生やキャリアに何かしらの変化を生み出し、成長のきっかけとなることを願っています。
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※講座一覧はrubatoアカデミアから
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◆Rubato講師×note
1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話
4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」
5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ
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