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オンライン会議をスムーズにする3種類の1枚資料

Rubato代表の松上です。7月に入り、オンラインでの打ち合わせにも慣れてきた頃ではないでしょうか?今回は、皆さんがこれまで培ってきた資料作成スキルをオンラインコミュニケーションで有効に使えるようポイントをまとめてみました。是非オンライン打ち合わせをする際の参考になればと思います。

オンラインコミュニケーションで難しい点は何か?

オンラインコミュニケーションで資料作成スキルをうまく活用していこうと思うと、まずオンラインコミュニケーションはどういう点が難しいのかを理解する必要があると思います。

オンラインコミュニケーションでは表情は見えますが、主に音声でのコミュニケーションになるというのが特徴
です。主に音声でのコミュニケーションの場合、集中力が途切れがちになり、大きく三つのハードルが現れると感じています。

1. 話の内容の全体像を描きにくい
2. 話し手の説明部分が、全体のどこに位置づけられるかがわかりにくい
3. ホワイトボードなどの議論をサポートするツールが使えない

当然、オンラインコミュニケーションに限らず対面の場合でも同じ問題はあります。ただオンラインの場合、音声だけで読み取るということで、集中力の維持が難しく、より全体像を理解しづらかったり、全体の中での今の議論の位置づけというのがより理解しにくくなると思っています。

『1.話の内容の全体像を描きにくい』というのは、 「結局打ち合わせで何が言いたかったのか」というまとめがオンラインだと伝わりにくいということです。話し手の頭の中ではまとまっているものの、そのことが相手に伝わらなければ意味がありません。

特に商談の場面だと、相手がずっと集中して整理して聞いてくれるわけではないので、結局何が言いたかったのかわからないという結果に陥りがちです。

『2.話し手の説明部分が、全体のどこに位置づけられるかがわかりにくい』というのは、打ち合わせの冒頭に全体の流れを説明したとしても、いまは「課題」の話をしているのか、「具体的な提案」をしているのか、どの部分のことを説明しているのか迷子になりやすいということです。これは集中力の問題だと思います。前に人がいると相手はある程度集中して聞くものですが、前に人がいないと集中が途切れがちになってしまうのが原因かと思います。

『3.ホワイトボードなどの議論をサポートするツールが使えない』というのは、相手にうまく伝わらなかったときにホワイトボードで書いて示したり、議論するときに自分の議論のポイントを示したりということができないということです。

以上のように、オンラインコミュニケーションではこちらの意思が相手にうまく伝わりにくいという難点があります。それでは、それを補うにはどのようにしていけばいいでしょうか。

オンラインコミュニケーションを効果的にする資料とは?

結論から言うと、オンラインコミュニケーションでは資料をうまく使うことが効果的です。

資料の良いところというのは、音声だけでなく、文字や図形、グラフなどを使って視覚的に相手に情報を伝えられるところです。
資料といっても10枚20枚もの大作を用意しなければならないと言っているわけではありません。数枚でいいので、簡単なものを用意しておくだけで相手への伝わり方が断然変わってきます。

『1.全体像を描きにくい』という点では、1枚サマリーシートを作ると良いです。これは自分が伝えたい事のポイントを箇条書きで5つ位にまとめたものになります。何が大事かというポイントと、それを準備しておくことによって自分の中でも相手に伝えるポイントが明確になります。また、打ち合わせの最初に加えて、最後にあらためて示すと、打ち合わせのポイントとして確認でき、相手からすると全体像がわかり理解に役立ちます。視覚的に示すことによって、相手が興味のあるポイントにフォーカスしやすくなり、より伝わりやくなります。

議論をするスタイルの打ち合わせであれば、サマリーとは別に「論点リスト」を用意するといいでしょう。「今日ディスカッションしたい内容はこの5つです」と最初に論点を提示することによって、相手は議論する内容を準備することができます。また、相手に最初に「他に議論したいことはありますか?」と確認することも大事です。これにより議論のモレを防ぐことができます。提案系の打ち合わせでは、全体像の見える「サマリー」、議論系の打ち合わせだと「論点リスト」を提示するスライドを準備すると良いでしょう。

190119_付録03_参考スライド(スポーツジム_ルバート)


『2.話し手の説明部分が、全体のどこに位置づけられるかがわかりにくい』という点は、主に提案型の打ち合わせで多いと思います。そのときは、冒頭に打ち合わせの流れを示したアジェンダのスライドが1枚あると良いです。

例えば、「背景」「課題」「解決策」「効果」「結論」のようにポイントをお見せして、トピックが変わるときにその資料を再度見せて「次はこちらのトピックにいきますね」と示しながら話をするとよいでしょう。相手も今どこを説明しているのかが明確になります。議論型の打ち合わせの場合は、先ほどの論点リストがこれにほぼ対応します。

アジェンダ


『3.ホワイトボードなどの議論をサポートするツールがなかなか使えない』という点では、複雑な内容や大事な内容については1枚でいいので図解スライドを作っておくのが良いです。図解がうまくなくてもスライドをもとに説明すると、口頭よりは相手に伝わりますので、是非作ってみてください。

資料があることによって、相手は「この図でいうと、ここの部分がこうだと思う」などとコメントしやすくなります。参加者が同じものを見て考えるということがコミュニケーションにおいてとても大事なことなのです。ホワイトボードがなくても、1枚たたき台になるようなスライドを作っておくとコミュニケーションが容易になります。

図解


今回オンラインコミュニケーションで難しい点として3つ挙げさせていただきましたが、これらは対面の打ち合わせでもよくあることです。ただ、対面の場合は実際に目の前に相手がいるということである程度補えていた部分があります。

それがオンラインになると、補えきれなくなり、大きなコミュニケーションの問題として現れてしまいます。それをネガティブに捉えず、どうやったら改善されるかと考えることでより良いものが生まれてくると思います。資料を数枚用意して打ち合わせに臨むということに慣れておくと、対面での打ち合わせの際もより質の高いものになるはずです。

「必要は発明の母」と言われるように、必要にせまられると色んな工夫をして発明も生まれてきます。オンラインでも自分なりにコミュニケーションの質を高める機会と捉えて挑戦してもらえるといいと思います。

とはいえ、資料作成が苦手な方も多いと思います。そういう方のために、ルバートでは皆さんのチャレンジを支援する資料作成講座を多数提供しています。苦手意識のある方は、まずは単科講座からでもよいので参加してみて、これを機会に資料作成の苦手意識を払しょくしてみませんか。


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第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
第6回 Before→After OBOG版(前編)~霞が関文学編~
第7回 Before→After OBOG版(後編)~霞が関文学編~
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
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2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
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