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今回はルバートが主催する資料作成講座の講師をつとめる渡邉浩良による『知る人ぞ知るPowerPoint効率化スキル』について紹介いたします。

0. はじめに

リモートワークが定着しつつある今、遠隔の同僚やお客様と会話をする際に、資料の重要性をひしひしと感じていらっしゃる方も多いかと思います。
私自身、後輩や部下とリモートで仕事をしている中で、私が想定しているよりも時間を要してしまっている部下や同僚が多く、Face to Faceで仕事ができない分、指導やフィードバックが難しいと感じています。
部下や同僚が資料作成の上で時間がかかってしまっている理由は主に、①ルールを知らないこと(理屈)、②操作が遅いこと(技能)の二つに分けられると思います。
ここでは、今日からできる少しでも早く作業をするためのコツとして、ルバートで開催している「戦略的プレゼン資料作成講座~操作と表現編 文字と図形の操作~」で紹介している「効率的な操作」を、少しご紹介したいと思います。

1. そもそも効率を上げることは何につながるのか?

ところで、資料作成に対して、すぐに効果を上げられる人とそうでない人の差は何でしょうか?
ルバートの講座や社内研修で資料作成を教える立場から、受講生の成長度合いの差について、気づいたことがあります。成長が早いなーと感じる人の特徴としては、ショートカット一つに対して、資料作成に関するルール一つに対して、自分が知らないことに対して貪欲であるか否か?少しでも今の自分よりも成長したいと思っているかどうか?であると思います。
社内研修をした後に講座の効果を見ると、すぐに実践した人、実践しなかった人との差は明確に出てきます。
伊賀奉代さんの名著「生産性」の中でも述べられているように、資料作成における生産性向上による成長サイクルも、効率化によって生産性を高め、余裕時間を生み出して、新しいことや他のことに時間を振り分けることであると理解しています。(図-1) 

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2.知る人ぞ知る効率的な操作
(1) 図解作成上達のためのTIPS

さて、下記のフロー×マトリクス型の図解を最も効率的に作成するには、どのような手順で作成するのが早いでしょうか?(図-2)

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効率的な操作を身に着けるためには、手を動かす前に、一呼吸おいて、どうやったら効率的かを考えて、ステップに落とし込むことが大切です。

ルバートでは、図解作成上達のための4つのステップを提唱しています。(他者が作成した良い図解をリバースエンジニアリングする際にも非常に重要な考えですので、覚えておいて損はないです)(図-3)       ① 対象となるチャート(図解)を観察する
② チャートを構成している部品を見つける
③ 共通するパーツを見抜き、くくる
④ 効率的な作成ステップを考える

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さて、例題に戻りますが、多くの方が下記3つのステップを考えると思います。(図-4)

 ① 表側部分に下向き矢羽根(図形)を3つ作成し、文字を入力
 ② 表頭部分に長方形(図形)を3つ作成し、文字を入力
 ③ セル部分に横書きテキストボックスを9つ作成し、箇条書きを作成

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上記のステップだと、操作数が多くて、実際に手を動かす前に嫌になりますよね。それでは、どうしたら効率的に操作ができるでしょうか?

(2) 知る人ぞ知る効率的な操作:
「テキストボックスでなく、透明な長方形を利用する」

テキストボックスを利用すると、背面が透明であることからサイズや配置を整えるのに苦戦する人が多いのではないでしょうか?
 ルバートでは、マトリクス型の図解の場合、背面が透明な箇所(表体部分)についても、「テキストボックス」でなく「図形」を利用することを推奨しています。その理由としては、①F2キーで図形内に文字入力ができること、②枠線がある分、配置・大きさの設定が簡易であること、③枠線を消す(枠線なし)ことでテキストボックスになること、が挙げられます。(図-5)

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(3) 知る人ぞ知る効率的な操作:
「一度作ってしまった図形を変更する「図形の変更」」

ここまで、例題のフロー×マトリクス型の図形を、下向き矢羽根のフローとマトリクスの2つに群分けて考えてきました。さて、下向き矢羽根を一つ作成してコピーをするといった操作の他に、もっと効率的な操作はあると思いますか?
 答えは「図の変更」です。この操作を知っているか否かで、作業効率だけでなく、図解を作る際のアプローチに対しても拡張性が高まります。
 今までは、下向き矢羽根のフローとマトリックスの2つの図形群に分けてアプローチをしてきましたが、4行×4列のマトリクスとして捉え作成をし(マトリクスの効率的な作成方法は、以前のブログを参照)、下向き矢羽根に該当する図形群を選択し、「図形の変更」を選択、その後、下矢羽根の図形を選択すると、該当する図形が下矢羽根へと変更されます。(図-6)
 なお、「図形の変更」はなかなか見つかりにくい場所にあるので、図形の変更タブの箇所で右クリックして「クイックアクセスツールバーに追加」すると、ボタンを探すということが無くなります。

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(4) まとめ

上記では、図解作成上達のためのTipsとして、図解作成のステップを考えて図解を作ること、テキストボックスは使わず図形を用いること、図形の変更の3つをご紹介いたしました。図解の構成を見抜くこと、あまり知られていない効率的な操作を知ることで、一般的な作成手順に比べて、効率を追求する手順ではないでしょうか?(図-7)
 資料作成上達のコツは「習うより、慣れろ」です。是非とも、今日からご活用いただければと思います。

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
第6回 Before→After OBOG版(前編)~霞が関文学編~
第7回 Before→After OBOG版(後編)~霞が関文学編~
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド

◆Rubato講師×note
1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話                                                  
4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」                 
5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ            6.「かっこいい」デザインと「余白」の話              7.添削からわかる、伝わるパワポ資料3つの特徴~添削 of the Year   8.図解でわかる!新型コロナウイルス予防のコツ           9.外資系コンサルはなぜ資料作成にこだわる?

【Rubatoの資料作成講座】

講座一覧はRubatoウェブサイトから

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