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スライド作成のためのパワポ操作の効率化の5つの方針

資料作成講座の講師をしている大塚です。
普段は主にスライドや資料作成パッケージ作成のために考えるべきことをお伝えする講座の開発・登壇をすることが多いのですが、今回は操作についてお話ししようと思います。

PowerPointで資料を作成する際、皆さんはどの程度スライド作成操作に時間をかけているでしょうか。初心者の方では多くの時間をPowerPoint上での操作にかけているとかと思います。
操作に時間をかけた結果、内容に割く時間が取れず満足のいかないプレゼンテーションやスライド作成を行った経験がある方も多いのではないでしょうか?
また、よいアイデアはあったものの資料に落とし込みきることができずに満足のいかない投影・配布資料で発表を乗り切った方も多いかもしれません。

今回のnoteでは、PowerPoint中級~上級の方向けに資料作成を効率化する際の基本的な方針についてまとめたことを共有します。
操作を効率化することは発表コンテンツを考えること(= 思考)に時間をかけるための第一歩です。また、自分の操作スキルを知ることでPowerPointでの資料作成時間をあらかじめ見積もることができれば、あらかじめどの程度コンテンツを考えることができるのか、という計画を適切に立てることができます。

この記事を通じて皆様が操作の種類を理解し、そのうえでの効率化の方針を立てることに貢献出来ましたら幸いです。

パワポの操作の種類

基本的に世の中にある効率化に関して書かれた本や記事のほとんどは、「ショートカットを覚えましょう」、「ショートカットの一覧を載せました」、「マウスを持ったらダメ」、などというスタンスで立ったものです。
しかしながら人間は弱いものです。できるだけ楽をしたいのです。
記事を書いている私の本棚にも何冊かの効率化に関する本がありますが、PowerPointに関しては最も多いもので139個のショートカットが紹介されているものがありました。
覚えなきゃいけない、、、でも面倒くさがりの私にとってはとても辛いです。
それらの本や記事の有用性は否定しませんが、先ずは一歩引いて効率化すべき“操作”にはそもそもどのようなタイプのバリエーションがあるかを理解しましょう。

PowerPointを使用したスライド作成操作は以下の5つに集約することができます。

①Quick Access Toolbar(以下QAT)のショートカット機能を使用した操作
②Ctrlショートカット
③Altショートカット
④QATボタン
⑤マウス操作

5つくらいならどうにか覚えられそうですね!
番号が増えるにしたがって操作に要する時間が長くなります(基本ではないお話はまたどこかで)。

本文1

*一点補足をすると、Altショートカットにおいても古いパワーポイントの操作を踏襲したショートカット(例えばAlt → E → S)などはリボンをドリルダウンするわけではなくCtrl系のショートカットと同様に直ちに操作を行うことができます

基本的にはExcelなどのMicrosoft Officeの操作も同じ仕組みのため、上記の特徴を参照することができます。
皆さんは上記のショートカットのすべてを使用してスライド作成を行っておりますでしょうか?

初心者の方は⑤マウス操作のみで、少し慣れてきた方は②Ctrlショートカットを併用されているのではないでしょうか。
効率的な操作を行うためには、上記で挙げた特徴や、以下の画像の長所・短所をきちんと理解したうえで①から⑤の操作を組み合わせる必要があります。

本文2

続いて上記の画像を見てみましょう。
一枚目で紹介した内容をベースに、長所と短所についてまとめて記載をしました。

基本的には①から⑤に向けて番号が大きくなるにつれて操作に要する時間は長くなる、とお伝えしました。
おそらく皆様は、「それなら①QATショートカットを使えばよいじゃないか」と思われるかもしれません。
しかしながら短所に記載した通り、QATに登録可能な数は限られており、おそらく読者の皆様がPowerPoint上で頻度高く行う操作のすべてを登録することはできません。

「それなら②や③を使えばよいじゃないか」という方もいらっしゃるかもしれません。
冒頭に書きましたが、やはり139個ものショートカットを覚えるのは辛いものです。
脳のメモリーは限られており、PowerPointの操作を効率化するのはあくまで考える時間を増やすための手段であるため、出来る限り省エネで効率化をしたいものです。

そのため、操作ごとに①に落とし込むべきもの、②で対応するもの・・・と戦略的に分類を行わなくてはいけません。

PowerPoint操作においてはこの、「行う操作ごとに戦略的に操作方法を決定・分類する」という点が非常に重要なのです。
そして実務上で重要となるのはやはり、なるべく覚える量を減らし(もしくは簡単に覚えて)、なるべく各操作(+ その組み合わせ)操作スピードを上げる、ということです。
要するにコスパを最大化する、ということです。

個々の操作スピード改善に関してもう少し突っ込むと、原則は以下の3つ集約できます。

1. 個々の操作時間の最小化
- キーボードのタッチ回数を最小化する
- マウスを持つ時間を最小化する
2. 操作と操作の間の時間の最小化
- マウスとキーボードを持ち替える回数を最小化する
3. パソコンの負担の最小化
- 画面遷移(リボンを開く画面描写の挙動)にかかる時間を最小化する

上記の原則に従い、よく使用する操作を①から⑤のいずれかに割り振ることで操作は確実に速くなります。

そしてその前の第一歩として
0. どこで何をすれば何ができるかをきちんと理解する(PowerPointの操作を理解する)
を意識しましょう。

操作を①から⑤に割り振る方法については、どこかでまたお伝えできればと思います。

この記事がヒントとなり、皆様ならびに皆様のチームの生産性が向上し、日本のGDPアップに少しでも貢献できれば幸いです!

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