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オンライン研修から学ぶ、オンライン打合せの生産性を高める3つの小さな工夫

Rubato代表の松上です。弊社、Rubatoでは、4月から本格的にオンラインの研修を始めました。無料のオンライン研修を含めるとのべ500名以上の方にご受講いただいています。その中で、「リアルの対面研修とオンライン研修では、やり方がかなり異なる」と感じる機会が多々ありました。そして、その都度オンライン研修でよりわかりやすく伝えるためにはとどうすればよいかと試行錯誤してきました。その中から、オンラインでの研修にはいくつかコツがあると感じています。

多くの人が仕事でオンライン打ち合わせをする機会が増えてきたと思いますが、オンライン研修のコツというのは、オンライン打ち合わせにも通ずるものだと思います。今回は、オンライン研修でのポイントとそこから見えるオンラインでの打ち合わせのコツをお伝えできればと思います。

《オンライン研修での模様》

セミナー風景

対面研修とオンライン研修の違いとは?

よく対面研修とオンライン研修について取り上げると、オンラインの弱点ばかりを取り上げられることが多いように感じます。オンライン研修をやってみてあらためて感じたことは、当たり前のことですが『対面には対面の良さがあり、オンラインにはオンラインの良さがある』ということです。ですので、それぞれの違いという形でそれぞれの特徴をお伝えしたいと思います。

対面の良さは、集中力や注意力が続きやすいということです。その理由としては、実際に話し手がその場で話しているので、自然に注意を向けるということができるからです。我々は対面では研修でも会議でも、発言者に注意をむけ続けることにとても慣れているように思います。

では、オンラインの良さはというと、講師から見るとすべての受講生の距離が同じということです。例えば、対面研修だと一番後ろにいる受講生とはとても距離感を感じるのですが、オンラインではそういう距離感を感じず、受講生と平等に向き合うことができます。

そして、オンライン会議システムにはチャット機能が付いているので、チャットを利用して受講生の皆さんがどの様に考えているかを一斉に集めることができます。一斉に色んな意見やアイデアを共有できるということはとても効果的です。対面の場合だと、話している人のアイデアしか共有されないので、チャット機能を有効的に使うことがオンライン研修の大きな特徴の一つだと思います。

一方で、オンライン研修の欠点についてですが、聞いている方が注意を向け集中し続けることが難しいです。理由としては、参加者は画面を見続けているので発言者が傍にいるというよりは画面越しになるため、注意が散漫になりやすいからです。これはオンライン研修の大きな弱点と言ってよいと思います。

どのようにすれば効果的にオンライン研修を行えるか?

オンライン研修を効果的に行うには、その注意力、集中力が続きにくいという弱点を補う工夫が必要になります。受講生の注意力・集中力が続くようにRubatoの研修では3つのポイントを意識しています。

1つは、その研修のアジェンダを対面研修の時よりも明確にお伝えするようにしています。そして、自分たちが今どこのセクションの内容をやっているのかを研修の途中に何度も振り返るようにしています。そうすることによって受講生は研修の中での自身の現在地、全体の中での今やっていることの位置づけを見失いにくくなります。

2つ目は、オンライン研修では集中力が途切れやすいという弱点があるので、とにかく明確に指示を出すことが重要になります。グループワークや何か意見を求める際も、「誰が」「どこに」「何を」「どのくらいの時間でやるか」を明確に伝える必要があります

例えば、「チャットボックスにちょっと意見を書きましょう。」という指示だと、思いついた人が書くのか、どれくらい考えてから書くのか不明確になり、受講者の行動が散乱してしまいます。「全員チャットボックスに自分の意見20文字くらい今すぐ書きましょう。」と具体的な指示を出すことによって、注意がそれがちな状態を防ぐことが可能になります。。

3つ目は、画面共有するとき、画面のどの部分を説明しているかということを示してあげることです。パワーポイントのレーザーポイント機能などを利用して、しっかり示してあげることが重要です。

画面を見せて説明していると、画面のどの部分を説明しているのかわからなくなってしまい、注意力が維持できなくなるということがよくあります。明確にどの部分を説明しているかを示してあげると受講生の注意力も保たれます。レーザーポイント以外でもアニメーションを使うということも有効だと思います。

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オンライン打合せに生かせることは?

いままでお話したオンライン研修でのポイントは、オンラインの打ち合わせにも役立つことがあります。直接的に役立つことは、自分が会議主催者の場合、まず事前にアジェンダを明確にしておくということです。オンライン打ち合わせを始める最初に、「今日のアジェンダはこれです。」とチャットボックスに1.2.3…という風に書いて示します。

できればそこでアジェンダだけでなく目的も書いて内容を共有してからスタートすると参加者にとって進行がわかるので集中が続きやすくなります。また、参加者にしていただきたいことは打ち合わせの中で、「●●さん、〇〇に関してご意見ありますか?」と具体的にどういう内容に関して意見があるかを聞くことが必要です。また、何度もアジェンダの何番目を討議しているか打合せ中に確認することも重要です。

また、自身が説明する立場の場合は、先ほどのように資料のどこを説明しているかがわかるようにレーザーポインターなどを使い、明確に伝えることが有効です
ですので、事前にしっかりと会議の構成や資料を準備して会議を設計するということがオンライン打ち合わせでは重要になります。

それらに加えて1つお伝えすると、対面の打ち合わせではホワイトボードを使ってそれを見ながら議論をすすめることが多いですが、オンラインではそうすることが難しくなります。そこで、例えばGoogleドキュメントやGoogleスプレットシート使って、議事担当者がその場で議事や意見を記入していき、その画面を皆で見ながら議論を進めていくというスタイルがとても有効です。

なぜかというと、オンラインでは注意が続きにくいということと関連しますが、会議の内容がその場で画面共有されることによって、議論がそれまでどういう風に流れてきて、今どの地点にいて何が論点なのかが明確になるからです。このように進めると、非常にオンライン打ち合わせというのはスムーズに運ぶ傾向があります。

おわりに

オンライン打ち合わせのポイントいかがだったでしょうか。まとめると、打ち合わせの参加者全員が自分たちは、今現在、全体のアジェンダの中で何を討議していて、何を見るべきで、何を発言すべきなのか、という共通認識を常に持っている状態を維持するのが、重要ということです。

Rubatoの講師陣で最近よく話すのが、「オンライン研修で鍛えられると、リアルでの対面研修のデリバリー力が大変上がりそうだよね」ということです。これは打ち合わせにも共通する部分だと思います。

今後徐々にオンラインのみから、オンラインとリアルでの打ち合わせのミックスという状況になっていくと思いますが、オンラインでのポイントを踏まえて、それを生かしてリアルでの打ち合わせの生産性を高めていくことが今後ますます重要になると考えます。

次回はRubatoが提供している資料作成講座がオンラインのコミュニケーションでどう生かせるかをお伝えしようと思います。

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
第6回 Before→After OBOG版(前編)~霞が関文学編~
第7回 Before→After OBOG版(後編)~霞が関文学編~
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド

◆Rubato講師×note
1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話
4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」
5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ
6.「かっこいい」デザインと「余白」の話
7.添削からわかる、伝わるパワポ資料3つの特徴~添削 of the Year
8.図解でわかる!新型コロナウイルス予防のコツ
9.外資系コンサルはなぜ資料作成にこだわる?
10.知る人ぞ知るPowerPoint効率化スキル
11.テレワークでのコミュニケーションスキルとは
12.【保存版】グラフを自在に操りたい人必見の書籍9選
13.周りに差がつく!情報収集のコツと独断で選ぶ国内外のウェブ9選
14.ビジネス記事のロジカル図解化3ステップ~設計→MECE→表現~

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