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テレワークでのコミュニケーションスキルとは?

今回は、Rubato代表の松上がテレワークのコミュニケーションの特徴とテレワークで成果を出すコツを自身の体験をもとにご紹介いたします。

強制的なテレワークの導入は今後の仕事の仕方を大きく変える

新型コロナウイルス感染症への影響で、テレワークに移行されている方は多いのではないでしょうか。私はこのテレワークへの移行が、既に起きていた「働き方改革」の流れとも相まって、新型コロナウイルスの終息後のコミュニケーションスタイルにも大きく影響すると感じています。そして、テレワークでのコミュニケーションスタイルに適応できた人、そうでない人で、仕事での成果や評価が大きく変わる世の中がやってくると思っています。

ペーパーロジック社が実施した「テレワークでの課題」についての調査によると、テレワークの課題の一位は「対面よりコミュニケーションが難しい」ということでした。ビジネスパーソンの約半分が難しさを感じているテレワークのコミュニケーションについて、その特性を理解し、コミュニケーションスタイルを変えることが、今私たちに必要なことだと感じます。

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私はNGO時代にアフリカのザンビアに単身で長期滞在して、日本オフィスとコミュニケーションをしながらプロジェクトを進めました。今思うと、その時の仕事の進め方は、現在のテレワークを前提とした仕事の仕方に非常に近かったと感じます。その際に感じたテレワークのコミュニケーションの特徴とテレワークでの成果を出すコツをご紹介できればと思います。

テレワークでコミュニケーションは「量」から「質」の勝負になる

テレワークにおけるコミュニケーションはリアルでのコミュニケーションと大きく2つの点で異なります。

1. テレワークでは打ち合わせは量(回数)では勝負できず、1回1回の質が重要になる
2. その結果として、コミュニケーションの緻密な設計が必要になる

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1つ目に、テレワークだとコミュニケーションの回数が限定されます。通常の対面での仕事の時のように上司に少し声をかけて5分確認する、上司の表情をみながら手直しをする、関係者に事前に根回しをする、このようなコミュニケーションがテレワークでは圧倒的に少なくなります。

その結果として、限られた1回1回の打ち合わせを充実させる必要が出てきます。つまり、テレワークは「量」から「質」のコミュニケーションへの劇的な転換が必要になるのです。私がアフリカにいた時には8時間の時差がある東京とのコミュニケーションは、基本はメール、打合せは週にたった一回でした。当初はこのコミュニケーションの頻度の少なさに苦労したのを覚えています。

2つ目に、テレワークで「打ち合わせの質」を上げるためには、事前の打合せの緻密な設計が必要になります。「打合せの質」を上げるというのは、限られた打合せの回数や時間の中で、目指す結果(承認や成約)を得る確率を上げるということです。対面の時のように、その場の空気や流れで打ち合わせをするスタイルでは、この確率はなかなか上げられません。事前に打ち合わせのゴール、想定される論点、方向性を緻密に設計し、それを踏まえて進めていくことでようやくこの目標は達成されるものです。

アフリカにいた私の場合、週に一度程度の打合せですと、現地から報告することは膨大にありました。ただ、限られた時間の中では議論できることは限られています。そこで重要な議題のみに絞り込んで論点を整理して目標を明確にして打合せに臨んでいました。

テレワークでは資料を活かして打合せの質を上げる

私の経験では、テレワークでの打合せの質を上げるためには、「資料の活用」が大変重要になると感じています。リモートでの会議で、特に人数が多い場合は、出席者は集中力を保ちづらいため、口頭でのコミュニケーションの難易度が各段に上がります。よって、できるだけ伝えたい内容を資料の形で「見える化」し、会議参加者に意図を明確に伝える必要があります。

この際に、具体的に資料に私が盛り込んでいるのは、打ち合わせの「目的」、「決めること」、「論点」、そして、「判断するためのデータ」などになります。内容が文字ばかりですと、出席者に読んでもらえなくなりますので、できるだけ図解などを用いてパッと見てわかるように、わかりやすく作成することが重要になります。

(Amazonではワードで作られた文字のみの内容を会議の前に時間をかけて読むというスタイルが採用されているようですが、これは参加者がその方式に慣れていて、文章の読解力があるという前提でのみ機能すると思います。全ての企業に当てはまるものではないと思います。)

必ずノートで考えてから資料を作成し、あらかじめ共有する

テレワークでは、今までと違って客先への移動時間や通勤時間を削減できるので、その時間を資料作成の準備の時間に充てることをお勧めします。資料作成に入る前に、打合せの「目的」、「決めること」、「論点」、そして、それに必要な「データ」をノートなどに書いて洗い出します。その上でポイントを資料にまとめることが重要です。また、この段階で上長に内容を確認してもらうと安心です。

そして、次に大事なことは、あらかじめ出席者に資料を共有するということです。議論の内容を出席者にあらかじめ理解してもらっておいた方が打合せが効率的に進みますので、社内では最低でも半日前、社外では一日前には資料を相手に送っておくことが大切になります。もちろん顧客との打合せなど、手の内を明かしたくない場合はこの限りではありません。

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私はアフリカから日本に帰国した後、アフリカのローカルパートナーとのSkypeでの打合せは必ず事前に資料を送る方式を用いていました。英語であっても、いや、英語だからこそ、この手法は有効で、毎回効率的に打合せが行えました。

重要な会議では特に資料が重要になる

重要な会議、意思決定をするような会議の場合、コミュニケーションに時間をかけて結論を導くということはテレワークでは難しいところがあります。なぜなら、このような場には、重要な意思決定者が集まりますので、その方々の時間を長く確保することは難しいからです。また、事前に内容を理解しておいてもらうことも非常に難しくなります。

そのため、重要な会議ではより資料が重要になり、よりパッと見てわかる資料を準備することが必要になってきます。私がいつも提唱している「一人歩きする資料」、つまり、構成がわかりやすく、要点が強調されており、メッセージが明確で、かつ次のアクションが明示されている、このような資料を準備する必要があります。

さいごに

現在の新型コロナウイルス感染症によるテレワークの流れは、コロナウイルスの終息後の働き方に大きく影響すると予想されます。そのため、現在からテレワークに合わせて、今までの働き方を変えていく必要があります。在宅で比較的時間がある中で、意識的に上記のような、資料をベースにしたコミュニケーションに試してみてはいかがでしょうか。最初は「目的」と「決めること」と「論点」だけを示したワード一枚でも、パワポ一枚でも構いません。それだけでコミュニケーションに大きな違いが出ると思います。

Rubatoでは、少しでも新しいコミュニケーションスタイルに我々のノウハウを活かしていただければと思い、「一人歩きする資料」を作れるようになるための2時間のライブオンラインの無料セミナーを4月16日(木)20時~22時で開催します。この機会によろしければ是非ご参加ください。

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
第6回 Before→After OBOG版(前編)~霞が関文学編~
第7回 Before→After OBOG版(後編)~霞が関文学編~
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド

◆Rubato講師×note
1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話                                                   4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」                 5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ            6.「かっこいい」デザインと「余白」の話              7.添削からわかる、伝わるパワポ資料3つの特徴~添削 of the Year   8.図解でわかる!新型コロナウイルス予防のコツ           9.外資系コンサルはなぜ資料作成にこだわる?           10.知る人ぞ知るPowerPoint効率化スキル

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